和歌山県 郷土食

和歌山県

和歌山県は県土の70%が森林の「木の国」と呼ばれ、世界遺産に登録された霊峰高野山や、熊野三山をはじめとする、豊かな自然に囲まれています。また全国一の果樹生産に代表される農業県であるとともに、長い海岸沿いに黒潮の流れを受け、水産資源も豊富にあります。このような恵まれた環境の中で、学校給食においても、旬の食材を多彩に活用し、地産地消を活発に進めるとともに、郷土の伝統を絶やさぬよう、積極的に梅干しや高野豆腐(とふの粉)、鯨肉等も献立に取り入れています。

地図

とふの粉の煮物(とふのこのにもの)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 138kcal
たんぱく質 9.5g
脂質 7.5g
カルシウム 145mg
1.5mg
ビタミンA 174μgRE
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 13mg
食物繊維 1.6g
食塩 1.0g
マグネシウム 36mg
亜鉛 1.0mg

由来

とふの粉は、高野豆腐を小さく切ったときにできる粉です。
高野豆腐は、昔、高野山のお寺の小僧さんがたいへん寒い日に豆腐を買いに出かけたのですが、豆腐を家の中に入れ忘れ、次の日の朝気づくと、豆腐はカチカチに凍ってしまっていました。小僧さんは、まずは豆腐を溶かそうと、天日に干していたところ、偶然にも、凍り豆腐ができたのです。
また、弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)が、中国から、携帯非常食として伝えた、とか、平安から鎌倉時代にかけて覚海尊師 (かくかいそんし)によって作り方が伝わったという説、豊臣秀吉の時代、応其上人(おうこしょうにん)が高野豆腐の製造を奨励した など諸説があります。
とふの粉がたくさんできたので、野菜と煮合わせて食べられていたものです。

材料・分量

1 とふの粉 15g
2 はくさい(せん切り) 50g
3 だいこん(5mm幅2cmせん切り) 10g
4 にんじん(5mm幅2cmせん切り) 10g
5 葉ねぎ(小口切り) 5g
6 油揚げ(5mm幅の千切り) 5g
7 大豆油 0.7g
8 かつお節 1g
9 30~40g
10 こいくちしょうゆ 5g
11 砂糖(上白糖) 3g
12 清酒 2g
13 本みりん 2g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・油揚げは油抜きをする。
  • ・かつお節でだしをとる。

作り方

  • 鍋に、だいこん、にんじん、はくさい、油揚げを入れ油で炒める。
  • 煮立って、野菜の水分がでてきたら、とふの粉を入れて炒める。
  • だし汁を加えて、調味料も入れこげつかないように、かきまぜながら15分くらい煮る。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑧⑨だし汁→③だいこん→④にんじん→②はくさい→⑥油揚げ→
①とふの粉→だし汁→⑩⑪⑫⑬

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 671kcal
たんぱく質 34.4g
脂質 21.6g
カルシウム 431mg
3.5mg
ビタミンA 446μgRE
ビタミンB1 0.38mg
ビタミンB2 0.58mg
ビタミンC 45mg
食物繊維 4.6g
食塩 3.3g
マグネシウム 117mg
亜鉛 3.2mg

献立例

  • ・高菜ごはん
  • ・牛乳
  • ・アジのかばやき
  • ・とふの粉の煮物
  • ・みそ汁
  • ・みかん

放送資料

今日は、とふの粉についてお話します。「とふの粉」は、この地方周辺だけの産物で、高野豆腐を作ったときにできる
「切りくず」です。高野豆腐は、畑の肉といわれる大豆から作られていてタンパク質や、カルシウム、鉄分をたくさん含んでいます。「切りくず」といっても栄養価は高野豆腐と一緒です。高野豆腐の生産地では、昔から、野菜などと一緒に煮て、「切りくず」でも大切に食べられてきました。

一口メモ

高野豆腐を一日一個食べるとダイエット効果があるということで、最近、人気上昇中である。高野豆腐は「こうや豆腐」という名前で知られているが、昔は「氷豆腐(こおりどうふ)」といわれ、JAS(日本農林規格)では正式な食品名として「凍
りとうふ」と書く。長野県や岩手県などでは「しみ豆腐」ともよばれている。

参考資料

  • ・「高野霊宝館高野豆腐の話」