和歌山県 郷土食

和歌山県

和歌山県は県土の70%が森林の「木の国」と呼ばれ、世界遺産に登録された霊峰高野山や、熊野三山をはじめとする、豊かな自然に囲まれています。また全国一の果樹生産に代表される農業県であるとともに、長い海岸沿いに黒潮の流れを受け、水産資源も豊富にあります。このような恵まれた環境の中で、学校給食においても、旬の食材を多彩に活用し、地産地消を活発に進めるとともに、郷土の伝統を絶やさぬよう、積極的に梅干しや高野豆腐(とふの粉)、鯨肉等も献立に取り入れています。

地図

すろっぽ(すろっぽ)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 40kcal
たんぱく質 1.3g
脂質 1.1g
カルシウム 31mg
0.4mg
ビタミンA 53μgRE
ビタミンB1 0.02mg
ビタミンB2 0.02mg
ビタミンC 10mg
食物繊維 1.3g
食塩 0.8g
マグネシウム 16mg
亜鉛 0.3mg

由来

和歌山市の南部の毛見(けみ)・布引(ぬのびき)地域はだいこん、にんじんの産地です。たくさんとれる野菜を無駄なくおいしく食べる方法のひとつとして、なますのようにして、たっぷり食べていたそうです。
すろっぽの名の由来は、一般家庭の中で伝えられてきたものであり、文献による記録は大変少ないのです。
毎日のおかずには、だいこんだけを使っていましたが、もてなし料理には、にんじんや油揚げも一緒に煮 ていました。毛見浦沿岸でこのしろが釣れたときには、新しいこのしろを薄く筒切りにして、すろっぽに入れることもありました。切り干し大根とはひと味違った、さわやかな味が好まれ、現在でもお年寄りを中心に、よく所望される郷土料理です。

材料・分量

1 だいこん(なま突きで突く) 80g
2 にんじん 7g
3 油揚げ(せん切り) 3g
4 砂糖(三温糖) 2g
5 うすくちしょうゆ 5g
6 煮干し 1g
7 20g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・油揚げは油抜きをしておく。
  • ・煮干しと水でだしをとっておく。

作り方

  • だいこん、にんじんは、粗い目のなます突きで突く。
  • 1と油揚げをだし汁、砂糖、うすくちしょうゆを加えて煮る。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑥⑦だし汁→①だいこん②にんじん→③油揚げ→だし汁→④→⑤

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 653kcal
たんぱく質 27.3g
脂質 17.0g
カルシウム 350mg
2.4mg
ビタミンA 170μgRE
ビタミンB1 0.25mg
ビタミンB2 0.54mg
ビタミンC 29mg
食物繊維 4.8g
食塩 3.5g
マグネシウム 106mg
亜鉛 3.0mg

献立例

  • ・さつまいもごはん
  • ・牛乳
  • ・魚のホイル焼き
  • すろっぽ
  • ・みそ汁

放送資料

和歌山市の毛見、布引地域はだいこん、にんじんの産地です。すろっぽは、だいこんとにんじんをせん突きというせん切りにする道具で突き、油揚げと一緒に煮た料理です。だいこんとにんじんを千六本に突いた料理なので「せんろっぽん」
がなまって「すろっぽ」とよばれるようになったのかも知れません。見た目は切り干しだいこんの煮物に似ていますが、食べると細いだいこんがやわらかく、食べやすい料理です。
みなさんも地元の新鮮なだいこん、にんじんを味わって食べてください。

一口メモ

だいこんとにんじんを千六本に刻んだ料理なので「せんろっぽん」が「すろっぽ」となまったのだろうと言われている。毛見(和歌山県和歌浦沿岸の入り江のひとつ、毛見浦)では、このしろが釣れたとき、新しいこのしろを薄く筒切りにしてすろっぽに入れる。

参考資料

  • ・「聞き書 ふるさとの家庭料理⑪ 春のおかず」