東京都 郷土食

東京都

東京は、おだやかな太平洋側気候で夏は降水量が多く、冬には冷たい季節風が吹きます。都の西部は山間部で内陸部は盆地、そして東京湾沖の伊豆七島 (いずしちとう)は暖流の黒潮で冬でも暖かく漁業中心の暮らしがあります。東京都の総面積の5%に過ぎませんが特性を生かした耕地から四季折々の農産物があります。東京の食文化には歴史があります。江戸時代、東京湾の漁業が豊かだったことから あさりが多くとれることから佃煮(つくだに)が作られました。現在もあさりが東京湾の漁業の10%ですが郷土料理として深川めしを残しています。内陸部では麦を栽培しうどんや ゆでまんじゅうが郷土料理として受け継がれています。全国の食文化の集まる東京は、先人の知恵を受け継いでいます。

地図

ふろふき大根(ふろふきだいこん)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 63kcal
たんぱく質 2.4g
脂質 1.7g
カルシウム 54mg
0.6mg
ビタミンA 0μgRE
ビタミンB1 0.02mg
ビタミンB2 0.02mg
ビタミンC 5.4mg
食物繊維 2.0g
食塩 1.6g
マグネシウム 22mg
亜鉛 0.4mg

由来

ふろふき大根の「風呂吹き」は、冷ましながら食べる仕種(しぐさ)に由来します。
昔、風呂が蒸し風呂だった時代、熱くなった体に息を吹きかけると垢(あか)をかきやすいため、息を吹きかけて垢をこすり取る者がいました。「風呂吹き」とは、蒸し風呂で息を吹きかけ垢を取ることや、その者を指して呼んだ言葉で、この料理を食べるときに冷ます姿が似ていることから、「風呂吹き」と呼ぶようになりました。
ふろふき大根の大根は、体にもよく、安くて経済的なため、「不老富貴」という文字を当てたという説もあります。ほかに、漆 (うるし)職人が大根のゆで汁を漆貯蔵室の風呂に吹きこむために使用したことから、残ったゆで大根が「風呂吹き大根」と呼ばれるようになった、という説もあります。

材料・分量

1 だいこん(1本を12等分に輪切り) 94g
2 38g
3 かつお節 0.5g
4 食塩 0.2g
5 8g
6 かつお節 0.2g
7 西京みそ 8.4g
8 砂糖(上白糖) 3.4g
9 こいくちしょうゆ 0.9g
10 白いりごま 2.3g
11 清酒 0.8g
12 本みりん 0.4g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・だいこんは、米のとぎ汁でゆでる。
  • ・かつお節と水でだしをとる。

作り方

  • だし汁に西京みそなどの調味料を入れて、みそだれを作る。
  • だいこんをだし汁で煮る。
  • 2に1をかける。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
だいこん②③だし汁→④→①だいこん
みそだれ⑤⑥だし汁→⑧→⑨→⑦西京みそ→⑪酒→⑫みりん→⑩白いりごま

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 645kcal
たんぱく質 24.0g
脂質 19.0g
カルシウム 321mg
3.1mg
ビタミンA 261μgRE
ビタミンB1 0.31mg
ビタミンB2 0.46mg
ビタミンC 17mg
食物繊維 6.4g
食塩 3.8g
マグネシウム 108mg
亜鉛 3.2mg

献立例

  • ・我田家五目ご飯
  • ・牛乳
  • ふろふき大根
  • ・肉だんごスープ
     ※「我田家五目ご飯」とは、家庭の自まん料理」で募集した献立から学校給食で採用した料理。

放送資料

大根を大きく輪切りにして、だし汁で柔らかく煮込み、合わせみそをかけて食べる料理です。きょうは、大根1本を12等分にして、米のとぎ汁で一度ゆで、水にさらしてから再びかつお節でとっただし汁の中に入れて柔らかく煮込みました。
大根は、生でも、煮ても、干して、漬けものにしてもおいしい野菜です。イライラや疲れを取り、風邪にかかりにくくするビタミンC が含まれています。大根おろしで食べると消化酵素が含まれているので消化を助けてくれます。
今日の大根は近くの農園でとれたものです。新鮮な大根のおいしさを味わいましょう。

一口メモ

練馬大根の起源は江戸時代にさかのぼる。五代将軍徳川綱吉がまだ右馬頭だったとき、下練馬村で脚気(かっけ)の療養中に、尾張国から種を取り寄せこの地で栽培させたところ、見事な大根ができその後毎年献上させた。練馬大根の形や性質は、尾張大根とはかなり違うので、尾張からきた大根とこの地在来の大根が交雑してできたものと考えられている。
練馬区春日町の愛染院参道には、練馬大根の栽培や、育成改良、普及等に貢献した篤農家たちを讃えて「練馬大根碑」が建立されている。

参考資料

  • ・「江戸・東京農業名所めぐり」  JA東京中央会発行