徳島県 郷土食
徳島県
徳島県は、古くから京阪神地方との交流が盛んでした。徳川時代、藍、塩、砂糖、紙、木材などの特産物の商売を活発に行なっていました。
藍商人は、年に数回、全国各地に設置された藍の売り場と、徳島の間を往来し、貨幣(かへい)のみでなく、各地の文化ももたらしました。徳島の水田地帯は塩被害や台風による被害が多く、米の県内自給はできなかったため、藍を売ったお金で、米を購入していました。そのため、 ハレ食で米を食べられる喜びは、米作中心の他県では考えられないほど強いものがありました。
でこまわし(でこまわし)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 75kcal |
たんぱく質 | 2.5g |
脂質 | 0.7g |
炭水化物 | 14.2g |
カルシウム | 17mg |
鉄 | 0.8mg |
ビタミンA | 0μgRE |
ビタミンB1 | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンC | 21mg |
食物繊維 | 1.3g |
食塩 | 1.6g |
マグネシウム | 21mg |
亜鉛 | 0.3mg |
由来
でこまわしは串にさした姿が人形浄瑠璃 (じょうるり)の阿波(あわ)でこの頭(でこ)のように見え、それをいろりで回しながらあぶって食べることに由来します。本来はさといもの大きなものを蒸して竹串にさしてろばたでこんがり焼いて作りますが、現在では、入手しやすいじゃがいもを使うことが多いようです。数少ない娯楽であった人形浄瑠璃に思いをはせながら、いろりを囲むもてなし料理でした。
材料・分量
1 | じゃがいも(小2ヶ) | 60g |
2 | 本みりん | 10g |
3 | うすくちしょうゆ | 3g |
4 | 水 | 15g |
5 | ゆずみそ | 12g |
6 | みりん | 2.5g |
7 | 清酒 | 1g |
竹ぐし
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・じゃがいもはゆでて皮をむいておく
作り方
- じゃがいもを、水・みりん・うすくちしょうゆで煮る。
- ゆずみそを、みりんと酒でのばす。
- 1に味がしみこんだら、竹ぐしにさし、ゆずみそをかけ炭火であぶる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
④水①じゃがいも②本みりん③うすくちしょうゆ→⑤ゆずみそ⑥みりん⑦酒→竹ぐし
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 636kcal |
たんぱく質 | 23g |
脂質 | 16.5g |
カルシウム | 427mg |
鉄 | 3.6mg |
ビタミンA | 612μgRE |
ビタミンB1 | 0.75mg |
ビタミンB2 | 0.54mg |
ビタミンC | 68mg |
食物繊維 | 7.1g |
食塩 | 3.5g |
マグネシウム | 136mg |
亜鉛 | 3.7mg |
献立例
- ・ごはん
- ・牛乳
- ・でこまわし
- ・白菜のゆかりあえ
- ・とんじる
- ・みかん
放送資料
今日の給食は、徳島県西部の祖谷(いや)地方に残る郷土料理の「でこまわし」です。「でこまわし」は人形浄瑠璃の阿波でこの頭(でこ)に似ていることから名付けられたと言われています。材料の、じゃがいもを串に刺してみそをつけ、く
るくると回しながら焼く様子がでこにそっくりなので、「でこまわし」と呼ばれています。
給食では、衛生面に配慮して串を使わず、アルミカップに入れて作りました。祖谷の岩豆腐・玉こんにゃくも一緒に焼いています。今は、山間部であってもいろいろな食材が手に入るようになりましたが、古くから食べられてきた郷土料理を残していきたいという思いが込められています。
一口メモ
頭(でこ)になぞらえて古くから、三好・美馬(みま)に伝わるでこまわし。「でこまわさんで」というと、それが食事の時間や空腹を満たす時を現わすものである。先にお腹を満たすものを食べ、主食を減らすという生活の知恵である。すぐれた生活感覚は現代人も受け継ぎたいものである。
参考資料
- ・「伝えたい残したいみよしの味」 三好地区生活交流協議会編
徳島県