栃木県 郷土食

栃木県

栃木県は関東地方北部に位置する内陸県で、県都宇都宮市は東京から90km の所にあります。県内には世界に誇る日光国立公園のほか、豊かな地域特性を持つ8つの県立の自然公園があり、首都に近い県でありながら美しい自然がたくさん残されています。
日光輪王寺(りんのうじ)の強飯式(ごうはんしき)は全国に知られた栃木の行事ですが、他にも山を敬い、川を畏(おそ)れる心は、今でも数多くの習俗や行事が、折々の食とともに県内各地で引き継がれています。
生産量日本一のニラをはじめ、甘いいちご「とちおとめ」など栃木県はおいしい食べ物がたくさんあります。

地図

えび大根 (えびだいこん)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 45kcal
たんぱく質 4.3g
脂質 0.4g
カルシウム 163mg
0.4mg
ビタミンA 1μgRE
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.04mg
ビタミンC 12mg
食物繊維 1.4g
食塩 1.1g
マグネシウム 28mg
亜鉛 0.5mg

由来

毎年、9月28日、29日の水神様(すいじんさま)のお祭りに、赤飯、けんちん汁、きんぴらごぼう等とともに各家庭で作られ、親 せきやよそに行っている子どもたちが帰ってきて共にお祝いします。このお祭りは、渡良瀬(わたらせ)川を利用する舟の安全や川の穏やかなることを祈願するものです。
元来、行事やハレの日のごちそうでしたが、現在は県南地方では寒くなると川えびがとれ、大根の味も良くなるので一般家庭でも普段の日のおかずとしてよく作られます。
えび大根に使われるえびは、笹を使って取ることから「笹えび」といわれる川えびです。皮をむいて、厚めに切っただいこん、笹 えび、水、砂糖、こいくちしょうゆを加えてだいこんがやわらかくなるまで弱火でゆっくり煮ます。良く煮えただいこんは、口の中でとろけるよう なおいしさです。

材料・分量

1 だいこん(2㎝の厚さの半月切り) 100g
2 川えび 20g
3 100g
4 こいくちしょうゆ 10g
5 砂糖(上白糖) 5g
6 清酒 ※米のとぎ汁を使う。 5g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・だいこんを米のとぎ汁に入れて、サッとゆでる。

作り方

  • なべにだいこん、川えび、水、こいくちしょうゆ、砂糖、 酒を入れ、だいこんに味がしみるまで煮る。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①だいこん→②川えび→③水→④こいくちしょうゆ→⑤砂糖→⑥酒

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 630kcal
たんぱく質 20.7g
脂質 15.6g
カルシウム 375mg
2.6mg
ビタミンA 288μgRE
ビタミンB1 0.60mg
ビタミンB2 0.57mg
ビタミンC 18mg
食物繊維 4.3g
食塩 3.0g
マグネシウム 100mg
亜鉛 1.6mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・とり肉の七味焼き
  • えび大根
  • ・いものこ汁

放送資料

えび大根は、渡良瀬川流域の地方で、9月28日、29日の水神様のお祭りに、赤飯、けんちん汁、きんぴらごぼう等とともに作られていました。水神様の祭りは、渡良瀬川を利用する舟の安全や川の穏やかなることを祈願しました。その日には親戚や家を出ている子ども達が帰ってきて共にお祝いをしました。
元来、行事やハレの日のご馳走でした。現在、県南地方では寒くなると川えびが獲れるので大根の味が良くなる冬場に、一般家庭でも普段の日のおかずとしてよく作られています。
えび大根に使われるえびは、笹を使って取ることから「笹えび」と言われる川えびです。
皮をむいて、厚めに切った大根、笹えび、水、玉砂糖、しょうゆを加えて大根がやわらかくなるまで弱火でゆっくり煮た料理です。良く煮えた大根は、口の中でとろけるようにおいしくなります。

一口メモ

寒くなると川や沼の岸辺の草が枯れ、えびが寒さをしのぐ場所がなくなってくる。その草のかわりに笹を束ねて、縄で縛り、縄の端を1m くらい付けて岸辺に固定し、川や沼に入れておくとえびが笹に身をよせる。笹の下に三角アミを差し入れてすくって、それを大根と煮付けた。

参考資料

  • ・「聞き書 栃木の食事」 農文協
  • ・「子や孫に伝えたい郷土の料理 とちぎ」 栃木県農業者懇談会