栃木県 郷土食
栃木県
栃木県は関東地方北部に位置する内陸県で、県都宇都宮市は東京から90km の所にあります。県内には世界に誇る日光国立公園のほか、豊かな地域特性を持つ8つの県立の自然公園があり、首都に近い県でありながら美しい自然がたくさん残されています。
日光輪王寺(りんのうじ)の強飯式(ごうはんしき)は全国に知られた栃木の行事ですが、他にも山を敬い、川を畏(おそ)れる心は、今でも数多くの習俗や行事が、折々の食とともに県内各地で引き継がれています。
生産量日本一のニラをはじめ、甘いいちご「とちおとめ」など栃木県はおいしい食べ物がたくさんあります。
かんぴょうの卵とじ (かんぴょうのたまごとじ)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 52kcal |
たんぱく質 | 3.5g |
脂質 | 2.6g |
カルシウム | 27mg |
鉄 | 0.7mg |
ビタミンA | 42μgRE |
ビタミンB1 | 0.02mg |
ビタミンB2 | 0.12mg |
ビタミンC | 1mg |
食物繊維 | 1.6g |
食塩 | 0.9g |
マグネシウム | 9mg |
亜鉛 | 0.4mg |
由来
かんぴょうは、ゆうがおの未熟果肉をひも状にむいて乾燥したものです。栃木県におけるゆうがおの栽培は、正徳2年(1712)壬生城主(にぶじょうしゅ)の鳥居忠英(とりいただひで)公が前任地の近江(おうみ)の国から種を取り寄せ、領地内で作らせたのが始まりといわれています。その後、栃木県の風土に合い、現在全国1位の生産量をほこっています。かんぴょうはその日のうちに天日乾燥してしまわなければな りません。そのため晴天の日の早朝から畑に出て、ゆうがおの実をもぎとり果肉を細くむいて、庭に干 します。まるで白いのれんのように干されるかんぴょう干しの風景は、栃木県の夏の風物詩です。
材料・分量
1 | かんぴょう(2㎝) | 5g |
2 | 鶏卵 | 25g |
3 | 根みつば(2㎝) | 3g |
4 | うすくちしょうゆ | 1g |
5 | 食塩 | 0.6g |
6 | かつお節 | 3g |
7 | 水 | 150g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・かんぴょうを洗って塩もみし、よく塩を洗い流した後、水気を絞り、それを固めにゆでる。
- ・かつお節と水でだしをとる。
作り方
- かんぴょうを溶いた鶏卵の中に入れ、よくかき混ぜる。
- だし汁を煮立て、塩、うすくちしょうゆで調味し、沸騰したら1を 入れ、具がふわっと固まったとき、火を止め椀に盛る。
- 根みつばをのせる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑥⑦だし汁→⑤塩→④うすくちしょうゆ→① かんぴょう② 鶏卵→③根みつば
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 673kcal |
たんぱく質 | 28.6g |
脂質 | 19.5g |
カルシウム | 318mg |
鉄 | 3.3mg |
ビタミンA | 257μgRE |
ビタミンB1 | 0.55mg |
ビタミンB2 | 0.59mg |
ビタミンC | 13mg |
食物繊維 | 6.6g |
食塩 | 3.0g |
マグネシウム | 76mg |
亜鉛 | 2.8mg |
献立例
- ・五目ごはん
- ・牛乳
- ・とり肉の香味焼き
- ・浅づけ
- ・かんぴょうの卵とじ汁
- ・りんご
放送資料
かんぴょうは、夕顔の実をむいて乾燥させたものです。日本には中国から渡ってきました。栃木県では、江戸時代の終わり頃、壬生のお殿様が農民に作らせたのが始まりといわれています。栃木県の気候がかんぴょうを育てるのに合っていたせいか、県内のあちこちで作られるようになりました。今では、上三川(かみのかわ)、石橋、壬生あたりで主に作られていて、栽培量は全国1位の栃木県の特産物です。かんぴょうの卵とじは、じょうずにむけなかったかんぴょうをもったいないと思って、ご飯の時の汁ものに作られた物です。忙しいかんぴょう農家の人たちが、簡単でしかもおいしく栄養があるとしてよく作っていました。
かんぴょうには、おなかの調子をよくしてくれる食物繊維がたくさん含まれているので、皆さんの健康のために、学校給食でもよく出ます。
一口メモ
かんぴょうの卵とじ汁は、お正月やお祭り、来客があったときにごちそうとして作られる。かんぴょうとともに卵でとじるのは、三つ葉のほか、栃木県でたくさん生産されているにらなどもつかわれる。かんぴょうは、どんな野菜とも相性がよいので重宝である。
参考資料
- ・「栃木の食彩」 社団法人栃木県生活文化協会
栃木県