静岡県 郷土食

静岡県

静岡県は日本のほぼ中央に位置し、相模湾、駿河湾、遠州灘に沿った長い海岸線と富士山など高い山々からなる北部山岳地帯が、東西に長い地形を囲んでいます。山地から流れ出た川は富士川、大井川、天竜川となり県土を縦断し、肥沃な土地を形成しています。このような豊かな自然と先人達の努力で、お茶の生産量やみかんの産出額は日本一です。また、水産物や農産物にも恵まれています。昔の静岡県は駿河と遠江 (とおとうみ)の間を流れる大井川を境に2分され、それが日本の東西の食文化の違いにほぼ重なっていたことから、静岡の食には日本の食のすべてがあると言われています。

地図

桜えびとしらすのかき揚げ(さくらえびとしらすのかきあげ)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 154kcal
たんぱく質 6.3g
脂質 5.8g
カルシウム 101mg
0.3mg
ビタミンA 20μgRE
ビタミンB1 0.06mg
ビタミンB2 0.04mg
ビタミンC 2mg
食物繊維 1.8g
食塩 0.6g
マグネシウム 29mg
亜鉛 0.6mg

由来

桜えびは、別名「海の宝石」ともよばれ、大きさが4~5cm の透明で美しい桜色をしたえびであり、駿河湾に注ぐ富士川、安倍川、大井川の水が運んでくる多くの栄養素が育てています。生息地は世界でも数か所のみという、とてもめずらしいえびです。
桜えび漁の歴史は、明治27年に由比(ゆい)(現:静岡市)の漁師が、鯵のあみ引き漁をしていたときにあみが深くもぐってしまい、その時に偶然に大量の桜えびがとれたことが始まりとされています。
桜えびと同様にしらすも、駿河湾でとれる海の恵みです。水揚げされるしらすは品質の高さで全国に名を知られています。

材料・分量

1 桜えび(ゆで) 7g
2 しらす(ゆで) 7g
3 たまねぎ(うす切り) 15g
4 ごぼう(せん切り) 20g
5 小麦粉(薄力粉) 1g
6 鶏卵 2g
7 20g
8 小麦粉(薄力粉) 17g
9 サラダ油 てき量

作り方

  • 桜えびとしらす、たまねぎ、ごぼうをまぜ合わせて、小麦粉をふっておく。
  • 小麦粉に水をくわえて、衣を作る。
  • 1と2をさっくりまぜ合わせる。
  • 形を整えて、180℃のサラダ油であげる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①桜えび②しらす③たまねぎ④ごぼう→⑤小麦粉→⑥水⑦小麦粉→⑧サラダ油

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 694kcal
たんぱく質 24.2g
脂質 17.3g
カルシウム 439mg
2.8mg
ビタミンA 247μgRE
ビタミンB1 0.68mg
ビタミンB2 0.53mg
ビタミンC 50mg
食物繊維 5.7g
食塩 2.2g
マグネシウム 121mg
亜鉛 3.1mg

献立例

  • ・麦ごはん
  • ・牛乳
  • 桜えびとしらすの かきあげ
  • ・みぞれだれぞえ
  • ・新じゃがいものみそしる
  • ・ネーブルオレンジ

放送資料

今日のかきあげに入っている桜えびとしらすは、静岡県の特産物です。
静岡市の由比と蒲原の桜えびが特に有名で、日本国内の100%が駿河湾でとれます。桜えびという名前は、透明で美しいさくら色をしていることから、そう呼ばれるようになりました。
桜えびやしらすには、成長に必要なたんぱく質や、骨を丈夫にするカルシウムがたくさん入っています。
今日の桜えびとしらすのかきあげは、静岡県の郷土料理の一つです。ごぼうやたまねぎも入れて、栄養のバランスの良いかきあげを作りました。

一口メモ

明治時代、甲州(山梨県)や信州(長野県)へかまぼこ、かつおぶし、ひもの、さくらえびを売りに行った頃は、「えびっかー(えびっかす)」と言って売り歩いていたが、「駿河の商人さん、こんなきれいなえびをえびっかーとはかわいそうだなあ」と笑われ、「じゃあ、さくらえびと言うかい」と答え、それから「さくらえび」と売り歩いたそうである。
さくらえびの初期の加工方法は日干しにするしかなかったが、明治40年に煮干し加工(塩ゆでにして天日加工する)されるようになった。近年、急速冷凍の技術が進み、夜の漁を終えた漁師が、朝、由比漁港に水あげしたさくらえびを氷点下30℃で瞬間的に冷凍し、保存ができるようになった。

参考資料

  • ・「由比町史」由比教育委員会
  • ・「桜えび漁業百年史」静岡新聞社出版局 新 静岡見歩き食べ歩き 毎日新聞静岡支局