静岡県 郷土食
静岡県
静岡県は日本のほぼ中央に位置し、相模湾、駿河湾、遠州灘に沿った長い海岸線と富士山など高い山々からなる北部山岳地帯が、東西に長い地形を囲んでいます。山地から流れ出た川は富士川、大井川、天竜川となり県土を縦断し、肥沃な土地を形成しています。このような豊かな自然と先人達の努力で、お茶の生産量やみかんの産出額は日本一です。また、水産物や農産物にも恵まれています。昔の静岡県は駿河と遠江 (とおとうみ)の間を流れる大井川を境に2分され、それが日本の東西の食文化の違いにほぼ重なっていたことから、静岡の食には日本の食のすべてがあると言われています。
うなぎちらし (うなぎちらし )
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 477kcal |
たんぱく質 | 15.2g |
脂質 | 9.5g |
カルシウム | 71mg |
鉄 | 1.3mg |
ビタミンA | 524μgRE |
ビタミンB1 | 0.34mg |
ビタミンB2 | 0.31mg |
ビタミンC | 12mg |
食物繊維 | 1.6g |
食塩 | 2.2g |
マグネシウム | 42mg |
亜鉛 | 2.2mg |
由来
浜名湖(はまなこ)は、全国的に有名なうなぎの産地です。浜名湖でうなぎを養殖するようになったのは明治時代からで、「気候があたたかい」「養殖池をつくるのによい土地がたくさんあった」「うなぎの稚魚がたくさんとれた」「流通に便利であった」などの条件が整っていたからといわれています。
うなぎの蒲焼は、開いたうなぎに竹串を打ち、白焼きにしたあとタレをつけて焼きます。蒲焼、どんぶりもの、ちらし寿司、茶碗蒸し、お茶漬け、厚焼き卵、酢の物などいろいろな料理があります。
材料・分量
1 | 精白米 | 80g |
2 | 水 | 88g |
3 | 寿司酢 酢 砂糖(上白糖) 食塩 |
10g 9g 1g |
4 | うなぎのかば焼(1cm 短冊切り) | 30g |
5 | 錦糸卵 サラダ油 鶏卵 食塩 |
1g 15g 0.1g |
6 | れんこん(厚さ1mm 小さいいちょう切り) | 20g |
7 | さやえんどう(1cm ななめ切り) | 5g |
8 | かつお節 | 1g |
9 | 水 | 20g |
10 | 砂糖(上白糖) | 1.5g |
11 | うすくちしょうゆ | 3g |
12 | 本みりん | 1g |
13 | にんじん(細いせん切り) | 7g |
14 | きざみこんぶ | 1g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・米はといでおく。
- ・かつお節と水でだし汁を作っておく。
- ・きざみこんぶは洗ってもどす。
作り方
- ご飯を炊く。
- 酢・砂糖・塩を弱火であたため、寿司酢をつくる。
- 卵でうす焼き卵を作る。細く切って錦糸卵にする。
- さやえんどうは、さっとゆでて切る。
- 鍋に出し汁、砂糖、しょうゆ、本みりんを煮たて、にんじん、きざみこんぶを煮る。
- れんこんは固めにゆで(歯ごたえが残るくらい)、寿司酢を少量とって、その中につけておく。
- ごはんに2の寿司酢を混ぜ、6の材料を加えてさらに混ぜる。
- どんぶりに7を盛り、上にれんこん、うなぎのかば焼、錦糸卵を彩り よくならべ、さやえんどうをちらす。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①米②水→③酢→⑤油・卵・食塩→⑦さやえんどう→⑧だし汁→⑨砂糖・しょうゆ・みりん→⑩にんじん→⑪きざみこんぶ→⑥れんこん→④うなぎのかば焼
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 660kcal |
たんぱく質 | 27.5g |
脂質 | 17.7g |
カルシウム | 411mg |
鉄 | 6.0mg |
ビタミンA | 717μgRE |
ビタミンB1 | 0.79mg |
ビタミンB2 | 0.70mg |
ビタミンC | 40mg |
食物繊維 | 4.3g |
食塩 | 3.0g |
マグネシウム | 109mg |
亜鉛 | 3.9mg |
献立例
- ・うなぎちらし
- ・牛乳
- ・おひたし
- ・すまし汁
- ・メロン
放送資料
浜名湖のうなぎの養殖は、明治20~30年に始まり全国へ広がりました。日本で1番最初にうなぎの養殖を始めたのは浜名湖です。
7月の「土用丑の日」には、うなぎのかば焼きを食べる習慣があります。江戸時代、平賀源内という人が「土用丑の日」にうなぎを食べることをすすめたそうです。あっさりした食事になりがちな夏に、うなぎでスタミナをつけ、夏バテ解消をねらった食習慣が今も続いています。今日の給食は、土用丑の日にちなみ、色どりもよく食欲をそそる「うなぎちらし」にしました。うなぎは蒲焼き以外にも、ごぼうといっしょにやわらかく煮てごはんに混ぜた「朴飯(ぼくめし)」やきゅうりと酢の物にした「うざく」など、おいしい食べ方がいろいろあります。
一口メモ
うなぎは南方の深海で生まれ、川で数年間生活した後、海に下り、また南方の産卵場に向かうといわれているが、その生態はまだまだわからないことが多い。多くの養殖場では5cm くらいに成長した稚魚(しらすうなぎ)が河口に寄ってき
たものを採り、池で大きく育てている。独立行政法人水産総合研究センターをはじめ、静岡県水産技術研究所浜名湖分場では、うなぎの産卵や成長について調査、研究をすすめている。
うなぎが夏バテによく効く、栄養価の高い食品であることは、“万葉集”の大伴家持の歌にもうたわれている。
参考資料
- ・「万葉集」岩波文庫
- ・「調理用語辞典」(社)全国調理師養成施設協会
- ・静岡県水産技術研究所浜名湖分場資料
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