島根県 郷土食

島根県

中国山地を背景にして、北西の季節風が卓越する日本海型気候の島根県は、東西に長く広がり、島根半島の北方には隠岐(おき)諸島が位置します。県東部は古代出雲文化を育てた神々の国出雲地方で、出雲大社や荒神谷 (こうじんだに)・加茂岩倉(かもいわくら)遺跡が有名です。県都松江市の宍道湖(しんじこ)では、しじみをはじめとする宍道湖七珍(しっちん)が特産物となってい ます。県西部は石見銀山や柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が国司として訪れた石見地方であり、浜田を中心に水産業が盛んなうえ、山の幸にも恵まれ、多彩な食文化を育ててき ました。更に周りを海に囲まれた海産物の宝庫隠岐地方は、神事にまつわる郷土料理も豊富です。

地図

さばの煮食い(さばのにくい)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 155kcal
たんぱく質 11.4g
脂質 6.2g
カルシウム 79mg
1.2mg
ビタミンA 241μgRE
ビタミンB1 0.11mg
ビタミンB2 0.16mg
ビタミンC 10mg
食物繊維 2.4g
食塩 0.8g
マグネシウム 40mg
亜鉛 0.8mg

由来

漁師が、船上でとりたてのさばを使って、しょうゆと水を一緒に煮たて、その中に薄くそぎ切りにしたさばをさっと入れて煮て、シャブシャブのようにして食べていたのが始まりです。それが家庭でも食べられるようになって、さばのアラでだしをとり、たまねぎの甘味や少し砂糖を入れ甘からい味にし、さばを炒りつけ、白菜やごぼうなどの野菜、きのこや豆腐を加え煮て食べるようになり 「さばの煮食い」となりました。別名で「いりやき」、「いりやき鍋」と呼ばれて、おいしく健康によい食べ方に変化しながら、漁港の町の“さば”のおいしい食べ方の一つとして今に伝わっています。

材料・分量

1 さば(2cm 小口切り) 40g
2 砂糖(上白糖) 1g
3 清酒(上選) 1.5g
4 みりん 1.5g
5 こいくちしょうゆ 1g
6 にんじん(0.5cm いちょう) 15g
7 焼き豆腐(さいの目切り) 25g
8 つきこんにゃく 15g
9 白菜(2cm 短冊切り) 40g
10 ごぼう(斜め小口切り) 15g
11 白ねぎ(斜め小口切り) 8g
12 かつおだし 0.7g
13 こいくちしょうゆ 3.4g
14 砂糖(上白糖) 2g
15 本みりん 2g
16 2g
17 8g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・さばは2cm の小口切りにする。
  • ・焼き豆腐はさいの目切りにし、湯通しする

作り方

  • さばは調味料(砂糖、酒、しょうゆ)を煮立てて炒りつけ、とってお く。
  • にんじん、つきこんにゃく、ごぼうをゆでる。
  • 調味料を合わせて煮立て、かたいものから順に入れて煮る。
  • 最後にさばと白ねぎを入れる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
②③④⑤→①さば→⑥にんじん⑧つきこんにゃく⑩ごぼう→⑫⑬⑭⑮⑯⑰→⑥にんじん⑩ごぼう→⑧つきこんにゃく→
⑨白菜→⑦焼き豆腐→①さば→⑪ねぎ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 643kcal
たんぱく質 25.6g
脂質 15.8g
カルシウム 375mg
2.9mg
ビタミンA 557μgRE
ビタミンB1 0.35mg
ビタミンB2 0.54mg
ビタミンC 47mg
食物繊維 5.3g
食塩 1.7g
マグネシウム 101mg
亜鉛 2.9mg

献立例

  • ・麦ごはん
  • ・牛乳
  • さばの煮食い
  • ・粉ふきいも
  • ・小松菜の酢の物

放送資料

さばの煮食いは、漁港の町、浜田の郷土料理です。漁師さんたちが、とれたばかりの新鮮なさばを切り身にし、たっぷりの野菜と煮る料理です。給食では大量に作るので、さばは分厚く切るなど家庭と同じようにはいきませんが、浜田のさばを使って、子どもたちにも食べやすい少し甘めの味付けにしてみました。家によって入れる野菜も違ったようですが、昔は肉が高かったので、安く手に入るさばや、さばの缶詰を使って手軽に作って食べられていたようです。このような地元に伝わる料理や心を大切にしていきたいものです。おうちの人とも地元に伝わる料理についてお話してみましょう。

一口メモ

さばは「さばの生きぐされ」といわれるように、鮮度の落ちるのが早い魚である。さばの煮食いは、生きのいいさばが手に入る港町に受け継がれてきた郷土料理といえる。魚のアラで出汁をとる、この濃厚な旨みが、煮食いの旨さを引き立てている。