島根県 郷土食

島根県

中国山地を背景にして、北西の季節風が卓越する日本海型気候の島根県は、東西に長く広がり、島根半島の北方には隠岐(おき)諸島が位置します。県東部は古代出雲文化を育てた神々の国出雲地方で、出雲大社や荒神谷 (こうじんだに)・加茂岩倉(かもいわくら)遺跡が有名です。県都松江市の宍道湖(しんじこ)では、しじみをはじめとする宍道湖七珍(しっちん)が特産物となってい ます。県西部は石見銀山や柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が国司として訪れた石見地方であり、浜田を中心に水産業が盛んなうえ、山の幸にも恵まれ、多彩な食文化を育ててき ました。更に周りを海に囲まれた海産物の宝庫隠岐地方は、神事にまつわる郷土料理も豊富です。

地図

神葉寿司(じんばずし)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 313kcal
たんぱく質 5.7g
脂質 1.4g
カルシウム 32mg
1.6mg
ビタミンA 62μgRE
ビタミンB1 0.20mg
ビタミンB2 0.06mg
ビタミンC 1mg
食物繊維 2g
食塩 0.8g
マグネシウム 30mg
亜鉛 1.2mg

由来

しゃりっとした食感は、他の海そうにはない神葉草独特のもので、縁起物として結婚披露宴の膳には欠かせない祝い食です。
また、豊年の縁起ものとして新年のしめ飾りや祝餅の飾りにも用いられています。島前 (とうぜん)地域では、航海の安全を守る焼火(やきひ)神社のお初参に神葉の酢みそ和えとして、必ずふるまわれる郷土食です。

材料・分量

1 精白米 70g
2 強化米 0.24g
3 5g
4 こんぶ 0.5g
5 95g
6 穀物酢 10g
7 砂糖(上白糖) 5g
8 食塩 0.4g
9 乾しいたけ(スライス) 0.7g
10 切り干し大根(細切れ) 1g
11 にんじん(せん切り) 4g
12 神葉草(乾燥)(細切れ) 1.2g
13 さやえんどう(斜め切り) 4g
14
うすくちしょうゆ
砂糖(上白糖)
本みりん
和風だし
 
2g
0.8g
1.5g
0.2g
15 鶏卵 5g
16 サラダ油 0.2g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・しいたけは洗って水でもどす。
  • ・神葉草はやや熱めのお湯でもどす。
  • ・切り干し大根はゆでる。
  • ・さやえんどうはさっとゆでる。

作り方

  • 米、強化米、麦は水洗いし、こんぶを入れて、重量の1.1倍の水量でかために炊く。
  • 酢、砂糖、塩であわせ酢をつくる
  • しいたけ、切り干し大根、にんじんを㋐の調味料で煮る。
  • 3に神葉草、さやえんどうをいれ、ひと煮たちさせる。
  • 鶏卵をときほぐし、サラダ油をひいたフライパンで薄焼き卵を作る。 せん切りにして、錦糸卵を作る。
  • 炊きあがったごはんに、2 4をまぜ、錦糸卵を飾る。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①②③④→⑤→⑦⑧→⑨しいたけ⑩切り干し大根⑪にんじん⑭⑮⑯⑰→⑫神葉草⑬さやえんどう→⑱卵⑲サラダ油

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 678kcal
たんぱく質 25.3g
脂質 17.4g
カルシウム 361mg
2.7mg
ビタミンA 363μgRE
ビタミンB1 0.48mg
ビタミンB2 0.43mg
ビタミンC 34mg
食物繊維 5.7g
食塩 3.0g
マグネシウム 119mg
亜鉛 2.7mg

献立例

  • 神葉ずし
  • ・牛乳
  • ・イカの薬味ソースかけ
  • ・ポテトサラダ
  • ・けんちん汁
  • ・くだもの

放送資料

神葉草は、ホンダワラ、タワラモクと呼ばれる海藻で、暖流と寒流が行きかう隠岐の周りの海で取れます。
大寒という冬の一番寒い時に刈り取り、天日で乾燥させたり、塩漬けにして保存します。
乾燥した物をもどして、お寿司やあえもの、漬け物に使います。
体の調子を整えてくれるビタミン、ミネラルを多く含み、香り、風味、歯ごたえがよく、さまざまな料理に使われています。また、血液の中のコレステロール濃度を低下させる自然食品として注目が高まっています。

一口メモ

神代の昔、神功皇后(しんこうこうごう)様がひきいる馬(神馬)がすっかり食べるものがなくなった時に、食べさせたら元気になったことから、神(かみ)の葉(はっぱ)と書いて『神葉(じんば)』と呼ぶようになったと言われている。

参考資料

  • ・「郷土の逸話」 日本書紀