滋賀県 郷土食
滋賀県
滋賀県は四方を山々に囲まれ、中央には県面積の六分の一を占める日本一大きな琵琶湖があります。 豊かな自然のおかげで、ビワマス、コアユなどの湖の幸、山菜やきのこなど山の幸、さらには、近江米、野菜、茶、など四季折々の産物に恵まれています。 また長い歴史の中で、でっち丁稚ようかんや赤こんにゃくなどの特産物のほか、フナズシなどの発酵食品も生まれました。
このように琵琶湖周辺で育まれた食文化は、地域に根付きながら今日まで大切に受け継がれ、滋賀の食文化財として指定されている郷土料理もあります。
アメノイオご飯(あめのいおごはん)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 289kcal |
たんぱく質 | 10.5g |
脂質 | 2g |
カルシウム | 18mg |
鉄 | 0.6mg |
ビタミンA | 47μgRE |
ビタミンB1 | 0.35mg |
ビタミンB2 | 0.06mg |
ビタミンC | 3mg |
食物繊維 | 1g |
食塩 | 0.6g |
マグネシウム | 29mg |
亜鉛 | 1.1mg |
由来
琵琶湖には54種の淡水魚、46種の貝が生息しています。種類も多いですが、琵琶湖にしか見られない固有種(魚15種、貝30種)も多くみられます。
「アメノイオ」とはびわますの別名。サケ科の魚で、琵琶湖にだけいる固有種でこあゆやいさざなどをエサにしてい ます。びわますは8月の土用明けより「雨の魚(アメノウオ、オメノイオ、アメノウ)」と呼ばれています。雨が降って増水した時に、大挙して昇ってくるので、この呼び名があります。
「アメノイオ御飯」は、産卵期のマスを使うことが多いですが、この時期は卵を持っている反面、脂が落ちています。そのために工夫された調理法で、炊き込みご飯にすると、おいしく食べることができます。炊き方は地域によって異なります。秋を代表する味覚で、若い衆の会合など大勢が集まる時に作られました。平成10年に滋賀の食文化財に指定されました。
材料・分量
1 | 精白米 | 65g |
2 | 強化米 | 0.2g |
3 | びわます(切り身) | 30g |
4 | にんじん(せん切り) | 4.5g |
5 | ごぼう(せん切り) | 4.5g |
6 | 乾しいたけ(せん切り) | 0.5g |
7 | 葉ねぎ(小口切り) | 5g |
8 | A しょうが こいくちしょうゆ 本みりん |
0.8g 1.8g 0.9g |
9 | B こいくちしょうゆ 本みりん 清酒 水 |
2g 2g 2g 10g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・精白米は洗ってザルに上げ、水気を切る。
- ・しいたけは洗って水で戻す。
作り方
- 鍋に調味料A を入れ沸騰させ、びわますを入れて煮る。
- 煮上がったら、鍋から身を取り出し、ほぐす。(煮汁は残しておく)
- 煮汁に調味料B と水を加え80ml にする。
- 炊飯器に米と3の汁を入れ、びわます、にんじん、ごぼう、しいたけ、ねぎを上にのせる。煮汁に具が浸っているか確認し、火をつけ普通に炊き上げる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑫しょうが⑬しょうゆ⑭本みりん→③→⑪しょうゆ⑫本みりん⑬清酒⑭水→①米②強化米③びわます④にんじん⑤ごぼう⑥しいたけ⑦ねぎ
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 608kcal |
たんぱく質 | 23.6g |
脂質 | 16.7g |
カルシウム | 277mg |
鉄 | 1.2mg |
ビタミンA | 199μgRE |
ビタミンB1 | 0.5mg |
ビタミンB2 | 0.41mg |
ビタミンC | 51mg |
食物繊維 | 3.5g |
食塩 | 1.9g |
マグネシウム | 76mg |
亜鉛 | 2.5mg |
献立例
- ・アメノイオごはん
- ・牛乳
- ・丁字麩の酢豚風
- ・ゆばのすまし汁
- ・柿
放送資料
滋賀には、日本一広い琵琶湖があり、そこで獲れる魚や貝を使った料理がたくさんあります。「アメノイオ」とは、びわますのことです。サケ科の魚で、琵琶湖にだけいる固有種です。夏は深いところに、冬は湖面近くに移動し、こあゆやいさざなどをエサにしています。秋、雨が降った時に、産卵のために川を遡ってくるので、アメノイオと呼ばれています。これをご飯に炊き込んだものを「アメノイオ御飯」といいます。秋を代表するご飯で、大勢の人が集まる時に作られていました。
一口メモ
洗った米に具としてごぼうや油揚げなどを刻んで入れ、調味料で炊く一種の味付けご飯で、これに内臓を出したびわますをご飯の上に置いて一緒に炊き、炊きあがったら魚の尾を持って振り、落ちた身をほぐし、ご飯に混ぜたものである。
近年は、先にびわますを調味料で炊き、さらにそれをご飯に炊き込む方法が多い。また、地域により呼び名が異なり、湖南、湖西地域では「アメノイオ御飯」、湖北地域では「マスめし」と呼ばれている。
参考資料
- ・「 琵琶湖ハンドブック」 琵琶湖ハンドブック編集委員会編
- ・「 びわ湖の幸」 滋賀県漁業協同組合連合会編
- ・「 湖魚と近江のくらし」 滋賀の食事文化研究会編
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