滋賀県 郷土食
滋賀県
滋賀県は四方を山々に囲まれ、中央には県面積の六分の一を占める日本一大きな琵琶湖があります。 豊かな自然のおかげで、ビワマス、コアユなどの湖の幸、山菜やきのこなど山の幸、さらには、近江米、野菜、茶、など四季折々の産物に恵まれています。 また長い歴史の中で、でっち丁稚ようかんや赤こんにゃくなどの特産物のほか、フナズシなどの発酵食品も生まれました。
このように琵琶湖周辺で育まれた食文化は、地域に根付きながら今日まで大切に受け継がれ、滋賀の食文化財として指定されている郷土料理もあります。
赤こんにゃくのかつお煮(あかこんにゃくのかつおに)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 25kcal |
たんぱく質 | 0.7g |
脂質 | 0g |
カルシウム | 18mg |
鉄 | 0.3mg |
ビタミンA | 0μgRE |
ビタミンB1 | 0mg |
ビタミンB2 | 0mg |
ビタミンC | 0mg |
食物繊維 | 0.9g |
食塩 | 0.4g |
マグネシウム | 4mg |
亜鉛 | 0mg |
由来
滋賀県では、神社、仏閣が多く、信心深い県民性で知られ、祭礼や寺院の行事にともなうハレ食、行事食が残っています。近江八幡の赤こんにゃくもその1つで、個性あふれる食文化です。明治以前は唐黍(とうびき)の実の皮を煎べんがらじたものを混ぜて着色していましたが、明治以降は紅穀(べんがら)を用いるようになったと言われています。現在は紅穀の赤色成分である三二酸化鉄が用いられています。何故「赤」かは、この地域になじみ深い織田信長が派手さを好み、こんにゃくまで赤くそめたといわれています。赤こんにゃく煮は、主に湖東地域で食べられており、日常食ですが、特に仏事、祭り、正月など「なんぞごと」には欠かせない一品です。
材料・分量
1 | 赤こんにゃく(三角切り) | 40g |
2 | かつお節(花かつお) | 0.6g |
3 | こいくちしょうゆ | 2.7g |
4 | 本みりん | 8g |
5 | とうがらし粉 | 0.01g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・赤こんにゃくは一丁を十字(1/4)に切り、それを三角に切り、更に厚みを1/4に切る。ゆでこぼし、水にとって揉むようにしてよく洗う。
作り方
- 鍋に赤こんにゃくを入れ空炒りする。
- かつお節、しょうゆ、本みりんを加え、混ぜながら汁気がなくなるまで煮る。
- 仕上げにとうがらし粉をふる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①赤こんにゃく→②かつお節③しょうゆ④本みりん→⑤とうがらし粉
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 642kcal |
たんぱく質 | 25.8g |
脂質 | 19.4g |
カルシウム | 340mg |
鉄 | 2.3mg |
ビタミンA | 113μgRE |
ビタミンB1 | 0.31mg |
ビタミンB2 | 0.45mg |
ビタミンC | 37mg |
食物繊維 | 5.3g |
食塩 | 2.5g |
マグネシウム | 94mg |
亜鉛 | 3mg |
献立例
- ・麦ごはん
- ・牛乳
- ・びわますのフライ
- ・赤こんにゃくのかつお煮
- ・ブロッコリーのごまあえ
- ・なすのみそ汁
放送資料
滋賀県は神社や寺が多く、お祭りや寺院の行事にともなう行事食が今もなお引き継がれています。その1つに近江八幡の赤こんにゃくがあります。近江八幡では昔からこんにゃくといえば「赤こんにゃく」のことでした。何故「赤色」かというと、この地域になじみの深い織田信長が派手さを好んでこんにゃくまで赤く染めさせたとか、近江商人が全国を行商するうちに色を赤く染めることを思いついたとか言われていますが、正確な記録が残っていないので、よくわかりませ
ん。
火を通してもかたくならず、味がよくしみ、冷めてもおいしくいただけるのが特徴です。
一口メモ
以前は紅殻(べんがら)を使って赤く染めていたが、現在は紅殻の赤色成分である三二酸化鉄(さんにさんかてつ)を用いて鮮やかな色をつけている。一見レバーかと見間違うほどの赤さである。
※紅殻…建築材等に塗布する赤色塗料の一つ。
参考資料
- ・「 琵琶湖ハンドブック」 琵琶湖ハンドブック編集委員会編
- ・「 つくってみよう滋賀の味」 滋賀の食事文化研究会
- ・「 芋と近江のくらし」 滋賀の食事文化研究会編
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