佐賀県 郷土食
佐賀県
佐賀県は、北に玄海灘、南に有明海、中央にそびえる脊振(せぶり)山系、ふもとに広がる佐賀平野などの恵まれた地形から、「有明のり」「むつごろう」「佐賀牛」など有数の特産物を生み出しています。
また、佐賀には日本最古の稲作跡である唐津市の「菜畑遺跡」、弥生時代の大規模稲作が行われた「吉野ヶ里遺跡」が発見されており、日本の稲作の原点は佐賀にあり、といわれています。その他、美しい日本料理をひきたてるための器、日本磁器発祥の「有田焼」も有名です。
かけあえ(かけあえ)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 46kcal |
たんぱく質 | 2.6g |
脂質 | 0.7g |
カルシウム | 27mg |
鉄 | 0.3mg |
ビタミンA | 76μgRE |
ビタミンB1 | 0.02mg |
ビタミンB2 | 0mg |
ビタミンC | 5mg |
食物繊維 | 1g |
食塩 | 0.3g |
マグネシウム | 14mg |
亜鉛 | 0.3mg |
由来
農業用水路の多い佐賀平野ではそこに生息する新鮮な鮒を酢じめにし、おろした大根と一緒に酢 みそで和えたものを食べていました。
現在では、鰯や鯖やいかを使い、だいこんやきゅうりやねぎなど季節の野菜を用います。
本来は旬のだいこんを鬼おろし(竹製の粗いおろし器)でおろし、その汁をみそや酢と合わせうま味を生かして作 ります。
冬場の季節料理であり、身近な地域の祭りや節目の行事の時には必ず作るごちそうです。
材料・分量
1 | いか(短冊切り) | 10g |
2 | だいこん(すりおろす) | 40g |
3 | にんじん(短冊切り) | 5g |
4 | 白ごま | 1g |
5 | 清酒 | 2g |
6 | 穀物酢 | 2g |
7 | 米みそ | 4g |
8 | 砂糖(上白糖) | 3g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・白ごまはすっておく。
作り方
- にんじんはゆでて冷ます。
- いかは清酒をふり、ゆでて冷ます。(氷水にさっとつけると固くなら ない。)
- だいこんはすりおろす。
- 調味料とごまを合わせて、にんじんといかを和える。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
③にんじん→①いか→⑤清酒→②だいこん→⑥穀物酢
⑦米みそ⑧砂糖(上白糖)④白ごま
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 662kcal |
たんぱく質 | 24.8g |
脂質 | 15.2g |
カルシウム | 324mg |
鉄 | 2.7mg |
ビタミンA | 484μgRE |
ビタミンB1 | 0.65mg |
ビタミンB2 | 0.54mg |
ビタミンC | 59mg |
食物繊維 | 7.2g |
食塩 | 1.5g |
マグネシウム | 110mg |
亜鉛 | 3.4mg |
献立例
- ・ごはん
- ・牛乳
- ・大豆入り筑前煮
- ・かけあえ
- ・果物
放送資料
魚介類と大根または、わかめなどを和えた料理は「おろしなます」「かきあえ」「ぬたあえ」などといって昔から日本の料理として親しまれてきました。
佐賀ではこれを「かけあえ」といいます。有明海や玄界灘に近い地域ではいわしやさばを使います。堀やクリークの多いところでは、鮒(ふな)の酢じめを入れたりします。
霜が降りて、大根が甘くなる今の時期にはこの「かけあえ」がより一層おいしくいただけます。かむほどにおいしさが口の中に広がります。
一口メモ
「まな板の鯉」は、ことにあたってびくともしない例えに使われる。しかし、鮒は少しの音にもバタバタと反応するところから、「鮒侍」という、肝の据わらない侍への悪態に登場する。日本人に永く親しまれている「忠臣蔵」の一場面である。とはいえ、鮒は佐賀では、今の鯛に匹敵する貴重な食材だった。
参考資料
- ・伝えたい家庭料理 野口和子 佐賀新聞社
- ・食べ物語源辞典 清水桂一 東京堂出版
佐賀県