佐賀県 郷土食

佐賀県

佐賀県は、北に玄海灘、南に有明海、中央にそびえる脊振(せぶり)山系、ふもとに広がる佐賀平野などの恵まれた地形から、「有明のり」「むつごろう」「佐賀牛」など有数の特産物を生み出しています。
また、佐賀には日本最古の稲作跡である唐津市の「菜畑遺跡」、弥生時代の大規模稲作が行われた「吉野ヶ里遺跡」が発見されており、日本の稲作の原点は佐賀にあり、といわれています。その他、美しい日本料理をひきたてるための器、日本磁器発祥の「有田焼」も有名です。

地図

うったち汁(うったちじる)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 109kcal
たんぱく質 4.5g
脂質 2.3g
カルシウム 17mg
0.6mg
ビタミンA 94μgRE
ビタミンB1 0.06mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 3mg
食物繊維 2g
食塩 0.7g
マグネシウム 19mg
亜鉛 0.2mg

由来

平安時代の女流歌人、和泉式部が都へ旅立つ時に、養父母がこの「うったち汁」を食べさせて見送ったと言う伝説の料理であり、「うったち」とは、塩田の方言で「旅立ち」と言う意味です。
今でも塩田では、就職や結婚で家を出る子どもにこの料理を食べさせる習慣が残っています。「うったち汁」には、通常鯨の脂身を使 います。

材料・分量

1 おばやき(鯨本皮) 7g
2 地粉(じごな)(中力粉) 14g
3 食塩 0.1g
4 10g
5 たまねぎ(せん切り) 15g
6 さといも(1㎝いちょう切り) 13g
7 ごぼう(小さいささがき) 10g
8 にんじん(1㎝いちょう切り) 6g
9 葉ねぎ(小口切り) 3g
10 乾しいたけ(1㎝せん切り) 0.5g
11 130g
12 サラダ油 0.8g
13 食塩 0.06g
14 こいくちしょうゆ 3.5g
15 清酒 1.2g
16 うすくちしょうゆ 1g

◎おばやきがない時は豚ばら肉を使う。

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・乾しいたけは洗って水でもどし、もどした汁はだし汁として使う。
  • ・さといもはゆでて、ぬめりをとる。
  • ・ごぼうはささがきにして水にさらす。

作り方

  • 地粉、食塩、水を合わせ、耳たぶの固さにする。
  • サラダ油でごぼう、にんじん、たまねぎを炒め、残りの材料を入れだし汁で煮る。
  • あくをとりながら、弱火で煮る。
  • 材料に火が通ったら、調味料を入れ1をちぎり落とし入れる。
  • 最後に葉ねぎを散らす。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑪油→⑦ごぼう→⑧にんじん→⑤たまねぎ→①おばやき→
⑥さといも→⑩もどししいたけ→②③④地粉をこねたもの→⑬食塩
⑭こいくちしょうゆ⑮清酒⑯うすくちしょうゆ→⑨葉ねぎ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 678kcal
たんぱく質 27.4g
脂質 17.9g
カルシウム 307mg
2.6mg
ビタミンA 431μgRE
ビタミンB1 0.68mg
ビタミンB2 0.62mg
ビタミンC 23mg
食物繊維 4.5g
食塩 1.5g
マグネシウム 111mg
亜鉛 3.1mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・魚の塩焼き
  • ・およごし
  • うったち汁

放送資料

寒い時期にはとてもうれしい「うったち汁」。平安時代の女流歌人「和泉式部」が都に旅立つ時に、和泉式部のお父さん、お母さんが「うったち汁」を食べさせて見送ったという伝説の料理です。
うったちとは塩田(しおた)の方言で「旅立ち」という意味です。今でも塩田では、就職や結婚で家を出る子どもにこの料理を食べさせる習慣が残っているそうです。
うったち汁にはくじらの脂身がよく使われますが、鯨がなかなか手に入りにくいので給食では豚肉を使っています。

一口メモ

平安時代の女流歌人「和泉式部」の生い立ちについては、色々な説があります。一説では、肥前(ひぜん)の国(今の佐賀県)の福泉寺で生まれた後、赤ん坊の頃に塩田の長者夫妻にひきとられ、大切に育てられたと言われています。幼少の頃から大変利口で、古今和歌集の有名な歌をすらすら言う事ができたそうです。この天才少女のことが宮廷にも伝わり、9歳の時に宮中に迎えられたと伝えられています。

参考資料

  • ・塩田町商工会ホームページ