大阪府 郷土食

大阪府

大阪府は、瀬戸内海の東端に位置する大阪湾を望み、生駒山地・金剛山地・和泉山脈を背負う大阪平野を中心として発展してきたので、海や山の食材に恵まれてき ました。また江戸時代は、瀬戸内海を通して北前船などがもたらす諸国の産物が集まり、後に「天下の台所」と言われたくらいである。このことが〝くいだおれの町大阪〟と言われるようになった一因であることは間違い ありません。また商人の町として栄えてきたので、合理的な考え方から生み出された料理もあります。一方周辺部に行くと、その土地土地でとれる個性的な食材を生かした料理もあ ります。

地図

じゃここうこ(じゃここうこ)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 13kcal
たんぱく質 1.6g
脂質 0g
カルシウム 10mg
0.2mg
ビタミンA 2μgRE
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.02mg
ビタミンC 3mg
食物繊維 0.8g
食塩 1.1g
マグネシウム 13mg
亜鉛 0.1mg

由来

『じゃここうこ』は、大阪府の大阪湾沿いの南に位置する泉州地域( 泉佐野市・岸和田市周辺)で、古くから作られていた郷土料理です。 また、泉州地域特産の”水なす”の古づけと大阪湾でとれた”えびじゃこ”を、こいくちしょうゆで炊いた料理です。
各家庭で味付けの違いはありますが、日持ちがするようにこい目の味付けをしていました。水なすの古 づけの代わりに大根の古づけで炊いたり、えびじゃこの代わりにいわしと炊いたりすることもあります。
※えびじゃこ(サルエビ)…津軽海峡(つがるかいきょう)より南の、日本各地の沿岸に分布し、水深100m より浅い砂地にすむ。体長12㎝くらいの小形のクルマエビで瀬戸内海には多い。

材料・分量

1 水なすの古づけ(たて1/4にさく) 1/2本
2 えびじゃこ(頭と尻尾をとる) 5g
3 こいくちしょうゆ 2g
4 適量

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・水なすは一晩水につけて、塩出ししておく。
  • ・こいくちしょうゆ・水の量は、塩出しの加減で変える。

作り方

  • 鍋にこいくちしょうゆ・水を入れて煮立てる。
  • えびじゃこを入れて煮る。
  • 水なすを入れてさらに煮る。
  • 水なすがやわらかくなったら、火を止めて味をふくませる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
③④→②えびじゃこ→①水なす

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 610kcal
たんぱく質 25.0g
脂質 15.5g
カルシウム 325mg
1.3mg
ビタミンA 160μgRE
ビタミンB1 0.21mg
ビタミンB2 0.44mg
ビタミンC 11mg
食物繊維 1.85g
食塩 1.8g
マグネシウム 56.3mg
亜鉛 1.49mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・ハモの甘酢あんかけ
  • えびなす(じゃここうこ)
  • ・冬瓜の薄くず汁

放送資料

えびなす(じゃここうこ)は、泉州(せんしゅう)地域では古くから作られていた郷土料理です。
材料は〝水なす〟と〝えびじゃこ〟です。水なすは、ふつうのなすと比べると皮がやわらかく、たくさんの水分を含んでいます。昔の人は暑くてのどが渇いた
時、畑に入って水なすをとり、のどの渇きをいやしたというくらい水分の多いなすです。水なすをたくさん収穫すると、漬け物にして保存しました。漬け物にするととてもおいしくなります。
食べきれなかった漬け物は、古漬けになります。この古漬けと泉州沖でとれる〝えびじゃこ〟を一緒にしょうゆで濃い目に炊いて、保存食にしました。食べ物を大事にする、昔の人の智恵から生まれた料理です。
今日の給食では、古漬けを使わないで、とれたての水なすを使っています。泉州特産の水なすと泉州沖でとれたえびじゃこのコラボレーション。えびなすを味わって食べましょう。

一口メモ

漬け物は、風味を保持しながら保存性を高めることができる。昔の人は、収穫が多い時期の水なすを漬け物にして保存した。じゃここうこは、長くつけ込んで酸っぱくなった古漬けをおいしく食べるために、昔の人が工夫した料理と思われる。泉州のお年寄りの話では、じゃここうこは保存食のため、昔はずいぶん塩からかったということである。

参考資料

  • ・「 食材図典」 小学館版