沖縄県 郷土食

沖縄県

沖縄県は、亜熱帯性気候で1年を通し温暖な気候に恵まれています。青く澄んだ海や青い空と豊かな自然環境が残る「独自の歴史と文化」を持つ日本最南端の島です。
かつて「琉球王国」と呼ばれ、日本とアジア諸国を結ぶ中継貿易を担う独立国家として独自の文化を形成してきました。伝統工芸品や伝統食など他府県にはない個性豊かな数多くの物産が琉球王朝の文化遺産を今に伝えています。
独特な食材や調理方法を用いた沖縄の料理は、琉球を揺るがす大きな出来事をきっかけに発達をみせたといわれています。14世紀から19世紀までつづいた琉球王朝時代、特に中国や日本、薩摩との歴史的なかかわりの中で生まれ発達しました。

地図

イナムドゥチ(いなむどぅち )

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 94kcal
たんぱく質 20.9g
脂質 3.0g
カルシウム 16mg
0.6mg
ビタミンA 0μgRE
ビタミンB1 0.13mg
ビタミンB2 0.08mg
ビタミンC 0mg
食物繊維 1.0g
食塩 1.5g
マグネシウム 7mg
亜鉛 0.4mg

由来

イナは猪、ムドゥチは「もどき」という意味です。昔は、猪の肉が使われていましたのが次第にぶた肉を使うようになり、なまって「猪ムドゥチ」の名がついたと言われています。
昔は、沖縄全島にイノシシがいましたが、開発が進み山林が少なくなるにつれて北部に追いやられ、今ではなかなか見られなくなりました。中南部にイノシシがいたころは、首里や那覇の料理にもふんだんにイノシシ料理が出ましたが後世になるにつれてだんだんイノシシ料理も食べられなくなりました。そのころになって都人士(みやこじんし)の風流人たちがイノシシ料理をしのんで「イナムドゥチ」という料理名を考え出したものと言われています。

材料・分量

1 豚もも肉(短冊切り) 20g
2 乾しいたけ(せん切り) 1.5g
3 こんにゃく(短冊切り) 30g
4 カステラかまぼこ(かまぼこ)(短冊切り) 15g
5 甘口みそ 16g
6 豚だし骨 15g
7 かつお節 3g
8 200g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・豚もも肉(かたまり)は、あく取りをしながらゆでる。
  • ・豚だし骨とかつお節でだし汁をとる。
  • ・乾しいたけは水でもどしせん切りにする。
  • ・板こんにゃくはゆでてあくぬきする。

作り方

  • だし汁に豚もも肉、もどししいたけ、板こんにゃくを入れ煮る。
  • 材料に火がとおったら、かまぼこを入れ甘口みそを加え味をととのえる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう

⑥だし汁→①豚もも肉→②もどししいたけ→③板こんにゃく→
④かまぼこ→⑤甘口みそ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 691kcal
たんぱく質 23.8g
脂質 13.5g
カルシウム 401mg
2.6mg
ビタミンA 150μgRE
ビタミンB1 0.58mg
ビタミンB2 0.48mg
ビタミンC 48mg
食物繊維 8.8g
食塩 3.5g
マグネシウム 144mg
亜鉛 2.7mg

献立例

  • ・赤飯
  • ・牛乳
  • ・クーブイリチー
  • イナムドゥチ
  • ・ターンムでんがく
  • ・たんかん

放送資料

今日は、創立記念日を祝い沖縄の代表的な祝い膳にしました。
イナムドゥチのイナは猪肉のこと、ムドゥチはもどきという意味です。昔は、猪の肉が使われていたのが次第にぶた肉が使われるようになり、それがなまって「イナムドゥチ」と言われるようになりました。ぶた肉やしいたけ、こんにゃく、かまぼこを短冊切りにして、白みそで甘くこってりした味に仕上げた実たくさんのみそ汁です。
クーブイリチーやターンムでんがくも沖縄のお祝いには欠かせない料理です。
今日は食器も、琉球漆器を使用しています。琉球王朝の時代にタイムスリップしたような気がします。

一口メモ

「もどき」とは模造品ということで、日本の料理名に「がんもどき」というのがあるが、そのもどきである。これは、名称から、琉球料理がいろいろな形で日本料理の影響を受けていることを物語っている。
琉球料理は、支那料理のこってりとした味を基調としながら、日本料理のあっさりとした風味もとりいれているところに独特の琉球料理の特徴があるといえる。

参考資料

  • ・私の琉球料理  新島正子著
  • ・琉球料理全集1 すぐに役立つ家庭料理  松本嘉代子著
  • ・琉球歴史夜話  源武雄著