大分県 郷土食
大分県
大分県は温暖な気候と豊かな自然に囲まれており、遠浅の豊前海から、リアス式海岸の豊後水道まで変化に富んだ地形を生かして、各海域で特徴ある漁業や養殖業が営まれています。一方、内陸山間部では起伏の多い地域の中で米を基盤に野菜や果樹、しいたけの栽培、肉用牛などの畜産も行われています。古くから「豊の国」の名のとおり、また小藩分立という歴史的な背景から、それぞれの地域で特色のある海の幸、山の幸を利用し、家庭や地域の素朴な味として育まれてきた郷土料理が数多く伝えられています。
やせうま(やせうま)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 245kcal |
たんぱく質 | 8.9g |
脂質 | 4.3g |
カルシウム | 47mg |
鉄 | 1.7mg |
ビタミンA | 0μgRE |
ビタミンB1 | 0.16mg |
ビタミンB2 | 0.05mg |
ビタミンC | 0mg |
食物繊維 | 3.7g |
食塩 | 0.4g |
マグネシウム | 44mg |
亜鉛 | 0.8mg |
由来
平安時代、京から移ってきた鶴清丸(つるきよまる)が、乳母の「八瀬(やせ)」と由布川(ゆふがわ)のほとりに住むようになりました。「八瀬」に鶴清丸が、「やせ、うま うま」とおやつをねだると、小麦粉を練ってひも状にのばし、煮立った湯の中でゆで、きな粉をまぶして食べさせたのが始まりといわれています。
幼君が、「やせ、うまうま」とおやつをねだった言葉から「やせうま」という名前がついたといわれています。
材料・分量
1 | 小麦粉(中力粉) | |
2 | 食塩 | |
3 | 水 | |
4 | きな粉 | |
5 | 砂糖(上白糖) | |
6 | 食塩 |
作り方
- ボールに小麦粉と塩を入れ、水を少しずつ加えながら、耳たぶ位の柔らかさにこねる。
- 1を棒状にのばし、親指大の大きさにちぎり、ぬれ布巾をかけて20分ほどねかせる。
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、2をひきのばして入れていく。ゆで上がったらザルに取り、重ならないように冷ます。
- きな粉と砂糖、食塩を混ぜ合わせ、ゆでただんごにからませる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①②③だんご→④⑤⑥
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 649kcal |
たんぱく質 | 29.2g |
脂質 | 21.9g |
カルシウム | 345mg |
鉄 | 2.8mg |
ビタミンA | 347μgRE |
ビタミンB1 | 0.77mg |
ビタミンB2 | 0.79mg |
ビタミンC | 43mg |
食物繊維 | 6.3g |
食塩 | 3.4g |
マグネシウム | 89mg |
亜鉛 | 3.0mg |
献立例
- ・小さいコッペパン
- ・牛乳
- ・れんこん肉団子スープ
- ・菜花サラダ
- ・やせうま
放送資料
「やせうま」は、大分県の郷土料理です。
今から1200年くらい前の平安時代、都から落ちのびてきた鶴清丸という貴族の子どもがいました。
鶴清丸には、大好きなおやつがありました。そのおやつは、小麦粉で作っただんごを手でのばしてゆで、きな粉をまぶしたものでした。
このおやつは、鶴清丸のお世話をしていた乳母の「やせ」という名前の女の人が考えたもので、おやつに名前はありませんでした。
鶴清丸が乳母の八瀬に「やせ、うまうま」「やせ、うまうま」とおやつをねだった言葉から「やせうま」という名前がついたといわれています。「うま」とは、小さい子どもが、甘いおいしいもののことを呼ぶ言い方です。
一口メモ
やせうまは、お盆によく作られている。仏壇に供えたり、盆参りに客に出したり、こびる(間食)にも作っている。地域によっては、ひきのべ、たちなげ、ゆでだんご、ゆでもち、きしめなどと呼ばれている。
参考資料
- ・日本食生活全集44 聞き書 大分の食事
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