大分県 郷土食

大分県

大分県は温暖な気候と豊かな自然に囲まれており、遠浅の豊前海から、リアス式海岸の豊後水道まで変化に富んだ地形を生かして、各海域で特徴ある漁業や養殖業が営まれています。一方、内陸山間部では起伏の多い地域の中で米を基盤に野菜や果樹、しいたけの栽培、肉用牛などの畜産も行われています。古くから「豊の国」の名のとおり、また小藩分立という歴史的な背景から、それぞれの地域で特色のある海の幸、山の幸を利用し、家庭や地域の素朴な味として育まれてきた郷土料理が数多く伝えられています。

地図

だんご汁(だんごじる)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 248kcal
たんぱく質 8.1g
脂質 4.0g
カルシウム 62mg
1.3mg
ビタミンA 166μgRE
ビタミンB1 0.11mg
ビタミンB2 0.09mg
ビタミンC 5mg
食物繊維 5.1g
食塩 2.0g
マグネシウム 46mg
亜鉛 0.8mg

由来

各地で食べられている「だんご汁」。大分県のだんご汁は、たくさんの 旬の食材を加え、みそ味に仕上げたものです。だんごは、小麦粉を耳たぶほどの固さにこね、よくねかせた生地をのばしながら入れます。
米不足を補うため、代わりに使われたのが小麦粉です。主食代わりや 間食用に小麦粉料理が多く食べられてきました。 また、米粉で作るだんご汁もあり、だんごを丸くし赤ちゃんが丸々と丈夫に円満な人柄に育つようにと願い、出産直後の女性に食べさせる地域もあります。

材料・分量

1 小麦粉(中力粉) 40g
2 食塩 0.4g
3 20g
4 油揚げ(せん切り) 8g
5 さといも(一口大) 30g
6 ごぼう(厚めのささがき) 20g
7 にんじん(半月切り) 10g
8 乾しいたけ(せん切り) 2g
9 葉ねぎ(ななめ切り) 5g
10 麦みそ 15g
11 煮干し 3g
12 300g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・乾しいたけは、洗って水でもどしておく。
  • ・油揚げは、油ぬきしておく。
  • ・さといもは、皮をむき一口大に切り、ぬめりを取っておく。
  • ・煮干しと水でだしをとっておく。

作り方

  • 小麦粉に食塩を溶かした水を少量ずつ入れ、よくこねる。耳たぶほど の硬さになったら、親指ほどの大きさのだんごにし、濡れ布巾をかけ 30分ほど寝かせる。
  • だし汁に野菜を加え煮る。
  • 野菜がやわらかくなったら、1のだんごを伸ばしながら入れる。
  • 3に麦みそを加え、味を整えたら葉ねぎを入れる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑪⑫だし汁→⑧→⑥→⑦→④→①②③だんご→⑩→⑨

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 697kcal
たんぱく質 27.1g
脂質 16.1g
カルシウム 410mg
4.8mg
ビタミンA 537μgRE
ビタミンB1 0.59mg
ビタミンB2 0.61mg
ビタミンC 54mg
食物繊維 6.9g
食塩 3.4g
マグネシウム 112mg
亜鉛 3.5mg

献立例

  • ・あみ飯
  • ・牛乳
  • だんご汁
  • ・三色なます
  • ・みかん
    (だんご汁は本来主食用ですが、給食では、だんご(麺)の量を減らし汁物として取り入れました。)

放送資料

だんご汁は、大分県を代表する郷土料理です。平たくのばしただんごと、たっぷりの季節の野菜を入れた汁です。
昔、米不足のため、代わりに使われたのが小麦粉でした。
そのため「やせうま」「まんじゅう」などの小麦粉料理がたくさん食べられてきました。
あみ飯は、宇佐市の郷土料理です。豊前の海で捕れたあみを甘辛く味付けし、ごはんに混ぜた料理です。えびによく似た形のあみは、殻ごと食べることができます。カルシウムたっぷりで、成長期のみなさんにはしっかり食べてほしい料理です。

一口メモ

家庭や季節によりだんご汁に使われる食材は変わるが、煮干しのだしに麦みそを使うことが多いようである。大分県特産のカボスを食べる直前にしぼり入れたり、柚子胡椒で辛味をきかせて食べることもある。

参考資料

  • ・日本の食生活全集44  聞き書大分の食事 農山漁文化協会