長崎県 郷土食

長崎県

江戸時代の長崎は、日本で唯一の開港地であり、海外から様々な文化が伝わりました。
料理においても、和風に加え中国、オランダ、ポルトガルなど異なる国の食文化をうまく取り入れ独自のスタイルを作り出しました。
また長崎県は起伏のある地形や温暖な自然環境から海の幸・山の幸に恵まれ、素材をおいしく食べようとする先人の知恵が料理に詰まっています。
「ちゃんぽん」や「皿うどん」、「浦上そぼろ」などは海外の影響を受けた長崎の料理として定着しています。

地図

浦上そぼろ(うらかみそぼろ)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 53kcal
たんぱく質 2.8g
脂質 1.9g
カルシウム 19mg
0.3mg
ビタミンA 120μgRE
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.05mg
ビタミンC 2mg
食物繊維 1.6g
食塩 0.6g
マグネシウム 15mg
亜鉛 0.4mg

由来

材料を細かく切って炒めることを「おぼろ」といい、おぼろより粗いのが「粗おぼろ」。それがつまって、「そぼろ」になりました。
キリシタンの多い浦上に伝えられたので、「浦上そぼろ」といいます。神父さんたちから豚肉を食べることを習ってはい ましたが、遠慮して豚肉を少なくして野菜をたっぷりにしました。何か行事など人々が集まるときに、たくさん作って食卓に出し ました。長崎では、中国の影響でもやしを使うことが多いようです。

材料・分量

1 ごぼう(ささがき) 15g
2 つきこんにゃく(約7cm) 14g
3 にんじん(せん切り) 8g
4 ブラックマッペもやし 20g
5 豚もも肉(スライス、一口大) 8g
6 さつま揚げ(揚げかまぼこ)(せん切り) 5g
7 こいくちしょうゆ 1.6g
8 砂糖(三温糖) 1.2g
9 本みりん 0.8g
10 サラダ油 1.2g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・ごぼう、つきこんにゃく、ブラックマッペもやしはゆでる。

作り方

  • 豚もも肉とにんじんを炒める。
  • 次にごぼう、つきこんにゃく、さつま揚げ、ブラックマッペもやしを 入れて炒めて調味する。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑩サラダ油→⑤豚もも肉→③にんじん→①ごぼう→②つきこんにゃく
→⑥さつま揚げ→④ブラックマッペもやし→⑧砂糖(三温糖)
⑨本みりん⑦こいくちしょうゆ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 630kcal
たんぱく質 24.3g
脂質 12.7g
カルシウム 312mg
2.3mg
ビタミンA 385μgRE
ビタミンB1 0.39mg
ビタミンB2 0.46mg
ビタミンC 51mg
食物繊維 4.1g
食塩 2.9g
マグネシウム 89mg
亜鉛 2.7mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・いかの煮付け
  • 浦上そぼろ
  • ・みそ汁
  • ・みかん

放送資料

長崎市の浦上地区で作られた郷土料理です。昔は肉を食べませんでしたがキリシタンの人々が、神父さまから豚肉を食べることを習って作りました。
野菜をたっぷり入れて、豚肉を少なくして作ったそうです。行事があるときにたくさん作ってお客さんをもてなしました。
浦上そぼろは、豚肉からおいしいだしが出るし、ごぼうのよい香りで豚肉の臭みが消えて、おいしく食べられます。
昔は、豚肉、こんにゃく、ごぼう、もやしだけで作っていたそうです。
作る人によって、しいたけやたけのこ、いんげんを入れて作ることもあるそうです。

一口メモ

長崎では、キリシタンの多い浦上に伝えられたといわれ、それで「浦上そぼろ」という。
実際の浦上そぼろは、甘く味付けする。学校給食では、少し甘さを控えて調理している。

参考資料

  • ・長崎県の郷土料理 長崎県教育庁体育保健課
  • ・聞き書 長崎の食事 (社)農山漁村文化協会