長崎県 郷土食

長崎県

江戸時代の長崎は、日本で唯一の開港地であり、海外から様々な文化が伝わりました。
料理においても、和風に加え中国、オランダ、ポルトガルなど異なる国の食文化をうまく取り入れ独自のスタイルを作り出しました。
また長崎県は起伏のある地形や温暖な自然環境から海の幸・山の幸に恵まれ、素材をおいしく食べようとする先人の知恵が料理に詰まっています。
「ちゃんぽん」や「皿うどん」、「浦上そぼろ」などは海外の影響を受けた長崎の料理として定着しています。

地図

具雑煮(ぐぞうに)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 156kcal
たんぱく質 6.7g
脂質 2.2g
カルシウム 50mg
0.8mg
ビタミンA 156μgRE
ビタミンB1 0.08mg
ビタミンB2 0.06mg
ビタミンC 8mg
食物繊維 2.8g
食塩 1.1g
マグネシウム 34mg
亜鉛 0.9mg

由来

今から370年ほど前、島原地方では天候不順で凶作が続いてい ました。また、過重な年貢負担と、江戸幕府によるキリスト教弾圧が厳しくなり、島原地方の37,000人のキリスト教信徒は一揆を起こし ました。これが、寛永14年(1637年)の島原の乱です。この一揆軍の総大将・天草四郎(あまくさしろう)が籠城(ろうじょう)の際、兵糧として、餅を蓄えさせ、山や海からいろいろな材料を集めて雑煮を炊き、栄養をとりながら3ヶ月も戦 いました。その名残として「具雑煮」は今に伝えられています。

材料・分量

1 もち 35g
2 鶏むね肉(一口大) 8g
3 蒸しかまぼこ(短冊切り) 5g
4 さといも(1cm いちょう切り) 30g
5 はくさい(短冊切り) 20g
6 だいこん(3mm いちょう切り) 15g
7 ごぼう(ささがき) 10g
8 にんじん(3mm いちょう切り) 10g
9 凍り豆腐 3g
10 乾しいたけ(せん切り) 0.4g
11 まこんぶ(刻み昆布) 0.3g
12 まこんぶ 1g
13 かつお節 2g
14 110g
15 食塩 0.1g
16 うすくちしょうゆ 5g
17 こいくちしょうゆ 0.5g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・ 乾しいたけは洗って水でもどす。
  • ・凍り豆腐は水でもどす。
  • ・まこんぶとかつお節と水でだし汁をとっておく。

作り方

  • 煮たっただし汁に鶏むね肉を入れる。
  • ごぼう、にんじん、もどししいたけを加える。
  • だいこん、さといも、凍り豆腐、蒸しかまぼこ、を入れる。
  • 煮えたら調味し、刻み昆布ともちを入れる。
  • 最後にはくさいを入れて、仕上げる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑭水⑫昆布→⑬かつお節→②鶏むね肉→⑦ごぼう→⑧にんじん→
⑩もどししいたけ→⑥だいこん→④さといも→⑨凍り豆腐→
③蒸しかまぼこ→⑮食塩⑯うすくちしょうゆ⑰こいくちしょうゆ
⑪刻み昆布①もち→⑤はくさい

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 660kcal
たんぱく質 26.7g
脂質 17.7g
カルシウム 293mg
2.0mg
ビタミンA 256μgRE
ビタミンB1 0.32mg
ビタミンB2 0.53mg
ビタミンC 19mg
食物繊維 4.3g
食塩 2.0g
マグネシウム 84mg
亜鉛 3.0mg

献立例

  • ・麦ご飯
  • ・牛乳
  • ・ぶりの塩焼き
  • ・赤かぶの甘酢和え
  • 具雑煮

放送資料

具雑煮は、島原半島でお正月などに食べられる雑煮のことです。
今から370年ほど前、島原地方は天候が悪く作物がとれませんでした。しかし、殿様による年貢の取り立ては厳しく、その上幕府によるキリスト教の取り締まりも強く行われました。そのため、島原地方のキリスト教徒は、一揆を起こしたのです。これが、寛永14年(1637年)の島原の乱です。この時、一揆軍の総大将であった天草四郎が37,000人のキリスト教徒達とともに、原城(はらじょう)に立てこもった際、農民達の餅を食糧として貯えさせ、山や海からいろいろな材料を集め、雑煮を炊き、栄養をとりながら3ヶ月も戦いました。
これが具雑煮の始まりだと言われています。

一口メモ

具雑煮は、島原半島でお正月などに食べられる雑煮のことで、餅の他にも海の物、山の物など15種類ほどの食材を使い、栄養豊富になっています。

参考資料

  • ・長崎県大百科事典
  • ・「改訂調理用語事典」 株式会社調理栄養教育公社