長崎県 郷土食

長崎県

江戸時代の長崎は、日本で唯一の開港地であり、海外から様々な文化が伝わりました。
料理においても、和風に加え中国、オランダ、ポルトガルなど異なる国の食文化をうまく取り入れ独自のスタイルを作り出しました。
また長崎県は起伏のある地形や温暖な自然環境から海の幸・山の幸に恵まれ、素材をおいしく食べようとする先人の知恵が料理に詰まっています。
「ちゃんぽん」や「皿うどん」、「浦上そぼろ」などは海外の影響を受けた長崎の料理として定着しています。

地図

長崎ちゃんぽん(ながさきちゃんぽん)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 341kcal
たんぱく質 15.6g
脂質 10.9g
カルシウム 58mg
1.2mg
ビタミンA 25μgRE
ビタミンB1 0.15mg
ビタミンB2 0.13mg
ビタミンC 17mg
食物繊維 1g
食塩 2.3g
マグネシウム 34mg
亜鉛 1.1mg

由来

福建省出身の陳平順は明治27年、長崎に中華料理屋兼旅館の「四海楼 (かいろう)」という店を出し ました。平順は中国から長崎へ来る華僑や留学生の食生活を見るに見かねて、どうにかしたいと知恵を絞ったの が「ちゃんぽん」でした。安くてボリュームがあり、栄養満点の「ちゃんぽん」は留学生の食生活向上に役立ったばかりか、たちまち長崎の中華街にひろまってい きました。ルーツは福建料理にあるといいますが、日本風にアレンジされ、長崎近海でとれる海産物や野菜を使用し、長崎で新たに作り出された料理とされてい ます。

材料・分量

1 ちゃんぽんめん 120g
2 豚ばら肉(細切れ) 20g
3 こういか(短冊切り) 7g
4 こういか(いか足)(2~3㎝長) 7g
5 しばえび 7g
6 蒸しかまぼこ(はんぺん)(ひし形切り) 5g
7 キャベツ(短冊切り) 29g
8 たまねぎ(くし形に切る) 21g
9 りょくとうもやし 20g
10 にんじん(短冊切り) 11g
11 にんにく(みじん切り) 0.4g
12 葉ねぎ(小口切り) 5g
13 きくらげ(細切り) 1g
14 乾しいたけ(細切り) 0.2g
15 鶏がら 30g
16 160g
17 中華だし 3g
18 うすくちしょうゆ 1.3g
19 食塩 0.8g
20 こしょう 0.2g
21 清酒 3.5g
22 サラダ油 1g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・鶏がらと水でだしをとる。
  • ・乾しいたけときくらげは洗って水でもどす。

作り方

  • 油を熱し、にんにく、豚ばら肉、たまねぎ、にんじん、こういか、えび、もどししいたけ、きくらげを炒める。
  • 1に水、鶏がらのだし汁、中華だしを入れ、煮る。
  • 蒸しかまぼこ、りょくとうもやし、キャベツを加え、調味料で調味する。
  • ちゃんぽんめんを加え火を通す。
  • 葉ねぎを加える。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
㉒サラダ油→⑪にんにく→②豚ばら肉→⑧たまねぎ→⑩にんじん→
③④こういか→⑤しばえび→⑭もどししいたけ→⑬きくらげ→
⑮⑯⑰→⑥蒸しかまぼこ(はんぺん)→⑨りょくとうもやし→
⑦キャベツ→⑱うすくちしょうゆ⑲食塩㉑清酒⑳こしょう→
①ちゃんぽんめん→⑫葉ねぎ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 651kcal
たんぱく質 27.9g
脂質 24.4g
カルシウム 462mg
2.9mg
ビタミンA 217μgRE
ビタミンB1 0.36mg
ビタミンB2 0.50mg
ビタミンC 53mg
食物繊維 6.3g
食塩 3.5g
マグネシウム 99mg
亜鉛 2.7mg

献立例

  • ちゃんぽん
  • ・牛乳
  • ・さつまいもと小魚の揚げ煮
  • ・くきわかめのサラダ
  • ・みかん

放送資料

ちゃんぽんは、明治30年頃、中華料理店「四海楼(しかいろう)」の陳平順(ちんへいじゅん)さんが、中国人留学生のために、安くて栄養があるものを食べさせようと、野菜や肉の切れはしなどを炒め、中華めんも入れてスープで煮こんだボリュームたっぷりの料理を作り上げ、ちゃんぽんと名づけたといわれています。
ほかのめん料理と大きく違う点は、めんをスープで煮こむため、中華なべ一つで調理ができることです。
ちゃんぽんという言葉は、中国語の簡単なご飯という意味の「喰飯(シャンポン)」が、なまったものであるとか、ポルトガル語の混ぜる・混合するという意味の「チャンポン」がなまったものであるとか、いろいろな説があります。

一口メモ

ラーメンや中華めんは、かんすい(炭酸カリウム約90%)で小麦粉をこねて作るが、長崎のちゃんぽんのめんは唐灰汁(とうあく・炭酸ナトリウム約90%)を混ぜた水でこねて作るのが特徴である。
独特の風味が出て、腐敗防止にもなる。

参考資料

  • ・長崎の食文化 西洋と東洋 出会いの地
  • ・みろくやホームページ