長野県 郷土食

長野県

信州信濃の国と昔の名前で呼ばれる長野県は、本州の中央部に位置し、海から遠い「山と川の国」です。今でも県民に親しまれている県歌「信濃の国」には、地理・名所・偉人などが紹介されています。1998年には自然と共存する冬季オリンピックが開催され、世界的に「NAGANO」の名が知られるようになりました。周りを「日本アルプス」と呼ばれる3000m 級の美しい山々に囲まれ、上高地・軽井沢などの四季折々の自然の豊かさ、毎年700万人が参拝する善光寺や御柱祭で有名な諏訪大社もあり、観光県信州とも呼ばれています。

地図

おやき(おやき)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 114kcal
たんぱく質 3.9g
脂質 1.5g
カルシウム 45mg
0.7mg
ビタミンA 80μgRE
ビタミンB1 0.08mg
ビタミンB2 0.06mg
ビタミンC 10mg
食物繊維 1.9g
食塩 1.0g
マグネシウム 16mg
亜鉛 0.3mg

由来

おやきは、古くは縄文時代にその原型ができたと言われています。長野県の山間部では、水田が少なく、米の代用としてそば粉や小麦粉の食文化が残っていますが、おやきもそのうちのひとつです。いろりの灰の中に入れたり、焼いたり、蒸したりといろいろな食べ方をされていました。長野県の北信地方では、ご先祖様へのお供えとして作られていたため、現在もお盆に作る風習が残っています。
作り置きができ、食事にもおやつにもなり、具にする中身は季節の野菜を何でも利用できるため、現在でもそれぞれの地域で、特徴あるおやきが残っています。

材料・分量

1 地粉(中力粉) 25g
2 18g
3 かつお節 1g
4 野沢菜漬け(あらみじん切り) 40g
5 ひまわり油 1g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・野沢菜漬けは、1時間くらい水に漬けて、塩抜きをする。

作り方

  • 皮にする生地を作る。 地粉をボールに入れ、少しずつ水を加えて耳たぶくらいの固さにする。そのまま1時間おいておく
  • なべにひまわり油を熱し、野沢菜漬けをいため、かつお節を入れる。
  • 1の皮の生地を丸めて、うすくのばす。
  • 2をのせて野沢菜が出ないようにしっかり包み、むし器にならべて15分くらいむす。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
皮①地粉→②水
具⑤ひまわり油→④野沢菜着け→③かつお節

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 607kcal
たんぱく質 26.7g
脂質 22.7g
カルシウム 532mg
4.1mg
ビタミンA 457μgRE
ビタミンB1 0.41mg
ビタミンB2 0.61mg
ビタミンC 39mg
食物繊維 7.4g
食塩 3.2g
マグネシウム 143mg
亜鉛 3.1mg

献立例

  • おやき
  • ・牛乳
  • ・揚げ出しどうふの きのこあんかけ
  • ・青菜のくるみみそあえ
  • ・秋野菜のすいとん汁
  • ・梨

放送資料

長野県は、山間地が多いため、米がたくさん作れない地域があります。
そこで、昔は米の代用として1日1回は粉食を食べていました。そのため、長野県では、小麦粉(地粉)を使ったおやきなどの食文化が発達しました。
県が広いため皮や具にする中身も各地で様々です。皮には、小麦粉だけのものや米粉を使ったもの、そば粉を混ぜたものなどがあります。また、具は「季節を包む」と言われるように、春の摘み草から旬の野菜や山菜、木の実、あんこな
ど季節や地域によって様々です。
今日は、一般的に北信地方で食べられている小麦粉だけを使った皮で、具には漬け物の代表である「野沢菜づけ」を入れました。みなさんはどんなおやきが好きですか?話し合いながら食べてみてください。

一口メモ

おやきは、古くは縄文時代にその原型ができたと言われている。長野県の北信地方では、お盆に生前のわが家へ帰るご先祖様へのお供えとして作られてきた。これは、現在も伝わって、お盆に作る家庭が多くある。8月16日の送り盆の夜には、「お帰りおやき」といって、冥土へ帰る長い道中におなかがすかないようにと仏壇にお供えをする。

参考資料

  • ・「ヘルスメイトが伝える健康長寿を支える長野色の食」 長野県食生活改善推進協議会編