長野県 郷土食
長野県
信州信濃の国と昔の名前で呼ばれる長野県は、本州の中央部に位置し、海から遠い「山と川の国」です。今でも県民に親しまれている県歌「信濃の国」には、地理・名所・偉人などが紹介されています。1998年には自然と共存する冬季オリンピックが開催され、世界的に「NAGANO」の名が知られるようになりました。周りを「日本アルプス」と呼ばれる3000m 級の美しい山々に囲まれ、上高地・軽井沢などの四季折々の自然の豊かさ、毎年700万人が参拝する善光寺や御柱祭で有名な諏訪大社もあり、観光県信州とも呼ばれています。
すんき汁(すんきじる)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 26kcal |
たんぱく質 | 2.0g |
脂質 | 0.5g |
カルシウム | 85mg |
鉄 | 1.0mg |
ビタミンA | 86μgRE |
ビタミンB1 | 0.01mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンC | 9mg |
食物繊維 | 1.9g |
食塩 | 1.1g |
マグネシウム | 13mg |
亜鉛 | 0.2mg |
由来
すんきは長野県木曽地方に伝わる、塩を使わない漬け物で、赤かぶの葉を乳酸菌で発酵させたものです。昔、山に囲まれ、交通の便が悪い中、塩は大変貴重な品物でした。そのため、山ブドウや山ナシなどの果物を発酵させ利用した、塩を使わない独特のめずらしい漬け物です。現在は、果物から作る場合は少なく、前年のすんきを干したり、冷凍し、種として使う場合が多いようです。かぶ菜を長いまま漬ける場合と、刻んで漬ける場合があります。それは、地域や家庭により異なります。
すんきを漢字で書くと「酢茎」と書きます。これがなまって「すんき」となりました。
材料・分量
1 | すんき(2cm) | 40g |
2 | 淡色辛みそ | 9g |
3 | 煮干し | 2g |
4 | 水 | 150g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・煮干しと水でだしをとる。
- ・すんきが長漬けの場合は、2㎝くらいに切る。
作り方
- だし汁にすんきと辛みそをいれ、一煮立ちさせる。 (煮こまないで、さっと仕上げる)
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
③煮干し④水→①すんき→②辛みそ
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 638kcal |
たんぱく質 | 28.7g |
脂質 | 20.7g |
カルシウム | 489mg |
鉄 | 3.8mg |
ビタミンA | 217μgRE |
ビタミンB1 | 0.48mg |
ビタミンB2 | 0.52mg |
ビタミンC | 21mg |
食物繊維 | 6.0g |
食塩 | 2.4g |
マグネシウム | 116mg |
亜鉛 | 3.6mg |
献立例
- ・ごはん
- ・牛乳
- ・ごまつくね焼き
- ・すんき汁
- ・りんご
放送資料
すんきは皆さんがよく知っているように、木曽に伝わる郷土料理です。
塩を使わずに、かぶ菜を漬けたもので、酸味が特徴です。
それぞれの家庭の味があり、酸味やかぶの甘みが違います。
今日は、1年生が、自分たちで作ったかぶ菜を使い、地域の方々に教えていただきながら作った「すんき」をすんき汁にしました。すんきコンクールに出品して、「達人」に選ばれた、おいしいすんきです。
一口メモ
その歴史は古く元禄年間(1688年頃)芭蕉一門の連句の会に次の句が読まれている。
「花と散る身は西念が衣着て」 芭蕉
「木曽の酢茎に春も暮れつつ」 凡兆(ばんちょう)
(芭蕉句集より)
参考資料
- ・「信州の郷土食」 長野県商工会婦人部編
- ・「日本古典全集芭蕉全集後編」 現代思潮新社
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