宮崎県 郷土食
宮崎県
宮崎は、「太陽と緑の国」と呼ばれるように、温暖な気候のもと、緑豊かな県土と日向灘を北上する黒潮の恵みを受け豊富な農林水産物を産出する食の宝庫です。また、ブロイラー・豚・肉用牛ともに全国トップクラスの飼養頭羽数を誇り、「宮崎牛」「ハマユウポーク」などのブランド名を確立しています。豊富な海の幸と山の幸を楽しむ食文化があり、都城市など南部山沿い地域では、「がね」や「ねったぼ」など、さつまいも料理が多くあります。
そして県南の日南・串間地域では、「カツオ茶漬け」や「マグロのかぶと焼き」など黒潮を遊泳する魚を使った豪快な料理や、「飫肥天」など歴史ある土地柄を反映した郷土料理も数多くあります。
がね(がね)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 175kcal |
たんぱく質 | 3.8g |
脂質 | 6.8g |
カルシウム | 39mg |
鉄 | 0.8mg |
ビタミンA | 166μgRE |
ビタミンB1 | 0.18mg |
ビタミンB2 | 0.10mg |
ビタミンC | 7mg |
食物繊維 | 1.9g |
食塩 | 0.4g |
マグネシウム | 19mg |
亜鉛 | 0.5mg |
由来
都城市や旧北諸県(きたもろかた)郡では「かに」のことを方言で「がね」と呼んでいます。さつまいもがよくとれる地方であったため、せん切りにしたさつまいもを小麦粉でまとめて、油で揚げました。その時の形が「かに」に似ていたので、「がね」と呼ばれるようになりました。「がね」は、おやつであり、おかずでもありました。また、腹持ちがよいので、昔はずいぶん重宝されました。
本来は、さつまいもだけのものでしたが、豆腐を入れると冷えてもかたくならないので、現在では、ほとんど豆腐を入れて作られています。また、にんじんやごぼうなどの野菜を入れて、かき揚げのようにすることが多いようです。
材料・分量
1 | さつまいも(せん切り) | 25g |
2 | にんじん(せん切り) | 10g |
3 | ごぼう(せん切り) | 10g |
4 | しょうが(みじん切り) | 1g |
5 | 木綿豆腐(あらくつぶす) | 10g |
6 | 鶏卵 | 10g |
7 | 小麦粉 | 15g |
8 | 砂糖(三温糖) | 2g |
9 | 食塩 | 0.4g |
10 | サラダ油 | 5g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・豆腐は水切りしておく。
作り方
- 全部の材料をまぜる。
- 1人分ずつ楕円形にする。
- サラダ油で揚げる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑥鶏卵→⑦小麦粉→⑧砂糖(三温糖)→⑨食塩→
①さつまいも→②にんじん→③ごぼう→④しょうが→⑤木綿豆腐
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 795kcal |
たんぱく質 | 27.6g |
脂質 | 22.1g |
カルシウム | 367mg |
鉄 | 3.0mg |
ビタミンA | 418μgRE |
ビタミンB1 | 0.53mg |
ビタミンB2 | 0.60mg |
ビタミンC | 15mg |
食物繊維 | 6.4g |
食塩 | 2.73g |
マグネシウム | 97mg |
亜鉛 | 3.0mg |
献立例
- ・麦ごはん
- ・牛乳
- ・がね
- ・さつま汁
放送資料
今日の給食は「がね」です。さつまいもがとれる時期になると、よく出てくる献立です。
都城地方の方言で、「かに」のことを「がね」と呼んでいました。「かに」が足を出しているように見えることから、その名前がついています。お盆やお祭りの時などには、煮しめといっしょに「がね」が振る舞われます。
「さつまいも」のことを、都城地方の人は「からいも」と呼んでいました。昔、中国が唐の時代に、「さつまいも」が鹿児島地方に伝わったといわれ、唐は「から」と言うので「からいも」といいます。
また、都城よりも東に住んでいる人は鹿児島(薩摩地方)から伝わったいもなのでさつまいもと呼んだそうです。
さつまいもは、ビタミンC も多く、食物繊維も多いので、美肌効果や腸のおそうじにも良い食品です。
一口メモ
さつまいもが多く作られているこの地方では、『がね』は年間を通じて多く作られている献立である。昔から、精進料理や、茶うけに出され親しまれている。
都城や旧北諸県郡、西諸県郡に広く伝えられている献立である。
参考資料
- ・都城盆地の味とくらし 都城地区生活改善実行グループ連絡研究会
宮崎県