宮崎県 郷土食
宮崎県
宮崎は、「太陽と緑の国」と呼ばれるように、温暖な気候のもと、緑豊かな県土と日向灘を北上する黒潮の恵みを受け豊富な農林水産物を産出する食の宝庫です。また、ブロイラー・豚・肉用牛ともに全国トップクラスの飼養頭羽数を誇り、「宮崎牛」「ハマユウポーク」などのブランド名を確立しています。豊富な海の幸と山の幸を楽しむ食文化があり、都城市など南部山沿い地域では、「がね」や「ねったぼ」など、さつまいも料理が多くあります。
そして県南の日南・串間地域では、「カツオ茶漬け」や「マグロのかぶと焼き」など黒潮を遊泳する魚を使った豪快な料理や、「飫肥天」など歴史ある土地柄を反映した郷土料理も数多くあります。
飫肥天(おびてん)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 141kcal |
たんぱく質 | 7.8g |
脂質 | 8.2g |
カルシウム | 58mg |
鉄 | 0.7mg |
ビタミンA | 3.3μgRE |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.06mg |
ビタミンC | 0mg |
食物繊維 | 0.2g |
食塩 | 0.6g |
マグネシウム | 28mg |
亜鉛 | 0.6mg |
由来
油津(あぶらつ)という漁港から水揚げされた魚を飫肥(おび)地区で加工されるのが「飫肥天」(おびてん)です。
以前は「飫肥のテンプラ」とか、「飫肥のアブラゲ」と言っていましたが、 むしろ薩摩揚げに近いものです。
「飫肥天」は魚をすり鉢でつぶし、豆腐、黒砂糖、塩、酒、みそを入れ てよくねり、手のひらでたたきながら、「舟型」や「木の葉型」に仕上げます。150度の油で2分間程度揚げるとでき上が ります。
材料・分量
1 | とびうお(正味)(いわし、しいらなどを使ってもよい) | 35g |
2 | 木綿豆腐 | 40g |
3 | 鶏卵 | 0.7g |
4 | しょうが(みじん切り) | 1.5g |
5 | 食塩 | 0.2g |
6 | 白みそ | 3.0g |
7 | 砂糖(黒砂糖) | 1.0g |
8 | 砂糖(中ざら糖) | 3.0g |
9 | サラダ油 | 適宜 |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・木綿豆腐はふきんに包んで水気をしぼる。
- ・魚は3枚におろし、骨をとって、まな板の上でこそぎ、かるくたたいておく。
作り方
- すり鉢に木綿豆腐を入れてよくすり、魚を加えてさらによくすり、溶き卵、その他の調味料類を加えて、味をつける。
- 中温よりやや低めの油で好みの形にととのえてゆっくり揚げる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
②→①→③→④⑤⑥⑦⑧→⑨
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 665kcal |
たんぱく質 | 26.1g |
脂質 | 18.5g |
カルシウム | 439mg |
鉄 | 3.0mg |
ビタミンA | 352μgRE |
ビタミンB1 | 0.72mg |
ビタミンB2 | 0.57mg |
ビタミンC | 42mg |
食物繊維 | 4.0g |
食塩 | 2.2g |
マグネシウム | 122mg |
亜鉛 | 3.0mg |
献立例
- ・麦ごはん
- ・牛乳
- ・飫肥天
- ・きゅうりのしらす和え
- ・けんちん汁
- ・みかん
放送資料
「飫肥天」は日南市に昔から伝わる郷土料理です。昔は、飫肥地方では魚はたいへん貴重品で、庶民の口には高級魚はなかなか入りませんでした。そこでイワシ、アジ、シイラ、サバ、トビウオ、サワラなどの季節の大衆魚を、いろいろと工夫しておいしく食べていました。そのひとつが「飫肥天」です。さつまあげにも似ていますが、とうふやみそ、黒ざとうなどが入っているのが特徴です。
また、きゅうりのしらす和えのきゅうりは日南市で生産されたものです。宮崎県はきゅうりの収穫量は全国2位です。
私たちの住む日南市では温暖な気候と日照時間の長さを利用した冬場のハウス栽培が特に盛んです。
一口メモ
古くは、飫肥町内の料亭料理だった。その後魚屋で作るようになり、専門店もできた。宮崎空港でも実演販売しているが、焼酎と並ぶ人気商品である。ゴボウ入りや山菜入り、ゆでたまごを中身にした新製品もあり、好評である。
参考資料
- ・宮崎の食文化誌 照葉樹林と黒潮の恵み 小川喜八郎・永山久春・守谷健吉著
- ・みやざきの味と花101 南村正明著
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