京都府 郷土食

京都府

1200年の歴史をもつ京都では、宮廷(きゅうてい)料理や精進(しょうじん)料理、懐石(かいせき)料理、また庶民のおばんざい等、京都ならではの料理があります。京都府は、昔、山城・丹波・丹後の3つに大きく分けられ、自然的、風土的条件の違いから、各地方で郷土食もさまざまです。
京都の郷土食は京野菜をはじめとする「旬の菜」が中心の料理が多いのも特徴です。季節の伝統行事と結びつき、京野菜をはじめとするすばらしい伝統料理がたくさんあります。

地図

丹後のまつぶた寿司(たんごのまつぶたずし)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 455kcal
たんぱく質 14.7g
脂質 7.0g
カルシウム 103mg
1.6mg
ビタミンA 93μgRE
ビタミンB1 0.48mg
ビタミンB2 0.26mg
ビタミンC 3mg
食物繊維 1.9g
食塩 1.7g
マグネシウム 38mg
亜鉛 1.9mg

由来

まつぶた寿司は、京都の丹後(たんご)地方でハレの日(春や秋の祭り、田植え、子どもたちの誕生日、節句・婚礼などの祝い事など)によく作られる郷土寿司です。「まつぶた」と呼ばれる もちを並べる浅い木の箱にすしをしきつめて作ることからこの名前で呼ばれています。
さばの甘めのそぼろ(おぼろ)をすし飯の上にしきつめるのが特徴で、このそぼろで寿司の味が変わるともいわれています。昔は手頃に入る焼き鯖をほぐして作っていましたが、現在では缶詰の鯖を使って作ります。

材料・分量

1 精白米 75g
2 82.5g
3 こんぶ 0.4g
4 清酒 1.5g
5 米酢 12g
6 砂糖(上白糖) 10g
7 食塩 0.8g
8 にんじん(せん切り) 8g
9 かんぴょう(細かく切る) 2g
10 煮干し 1g
11 35g
12 砂糖( 上白糖) 0.5g
13 うすくちしょうゆ 0.8g
14 乾しいたけ(せん切り) 1g
15 10g
16 こいくちしょうゆ 1g
17 砂糖(三温糖) 1.2g
18 絹さや(斜め切り) 5g
19 鶏卵 20g
20 食塩 0.05g
21 サラダ油 1g
22 鯖缶(水煮) 30g
23 砂糖(三温糖) 5g
24 清酒 1g
25 こいくちしょうゆ 0.8g
26 かまぼこ(細かめの拍子木切り) 5g
27 紅しょうが(せん切り) 1.5g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・煮干しと水でだしをとる。
  • ・乾しいたけは洗って水でもどす。もどし水は残しておく。
  • ・かんぴょうは洗い塩でもみ、水でもどす。
  • ・精白米は洗米しておく。
  • ・絹さやはさっとゆでておく。

作り方

  • 分量の水とこんぶと酒を入れてごはんを炊く。
  • にんじんとかんぴょうはだし汁と調味料で煮る。
  • しいたけは、もどし汁と調味料で煮ておく。
  • 鯖缶の鯖は汁気を切り、骨を取ってほぐし、酒をふりかけ鍋で身をほぐしながらから いりをする。水分がとんでパラパラになったら砂糖・こいくちしょうゆを加え、さらに15分ほど、 ていねいにいる。
  • 鶏卵は塩を加えて溶きほぐし薄焼きにし、錦糸(きんし)卵にする。
  • 合わせ酢を作り、炊き上がったごはんに合わせ、冷ます。
  • まつぶたを酢で少し湿らせてから、ごはんの半分をしきつめ平らにして、かんぴょう、にんじん、そぼろを半分のせて、またご はんをのせ て平らにする。その上にかんぴょう、にんじん、そぼろ、しいたけ、錦糸卵、かまぼこ、絹さや、紅しょうがの順にのせて仕上げる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
具(別々の鍋で作る)③④、⑤、⑧、⑦
盛り付け①②(分量の半分のごはん)→④(煮たかんぴょう、にんじんの半量)→⑧(煎った鯖の半量)→①②のこりのごはん→④(煮たかんぴょう、にんじんののこりの半量)→③→⑧( いった鯖ののこりの半量)→⑤しいたけ→⑦卵→⑨かまぼこ→⑥絹さや→⑩紅しょうが

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 712kcal
たんぱく質 26.5g
脂質 17.9g
カルシウム 390mg
2.4mg
ビタミンA 319μgRE
ビタミンB1 0.64mg
ビタミンB2 0.66mg
ビタミンC 31mg
食物繊維 3.5g
食塩 3.3g
マグネシウム 90mg
亜鉛 3.2mg

献立例

  • まつぶた寿司
  • ・牛乳
  • ・かつお和え
  • ・すまし汁
  • ・みかんゼリー

放送資料

今日の献立は、丹後のお祝い事に欠かせない「まつぶた寿司」です。丹後でお寿司というと、「まつぶた寿司」が一般的です。さばのおぼろが上にのったお寿司は、丹後独特のものです。昔は、丹後でとれるさばを焼いてほぐしておぼろを
作っていたそうです。今はさばの缶詰を使って手軽に作るのが普通です。給食でも、さば缶を使って作っています。また、この「まつぶた」と呼ばれる浅い木の箱に詰めて切り分けて食べるのも、丹後独特の形です。見た目の彩りも華やかで、お祝いの食事にぴったりです。調理員さんが愛情を込め手間をかけて作ってくださったおいしい「まつぶた寿司」を、口と目と心で味わって食べてください。

一口メモ

「まつぶた」とは細長く浅い木箱のことをいい、主に餅をいれる箱として利用されている。「まつぶた」の「まつ」は木箱が「松の木」で作られているところからきており、「ぶた」は木箱をいくつも積み重ね、蓋としても利用することから「松の木で作られた蓋の役目もする箱」、つまり、「まつぶた」という名前で呼ばれるようになった。丹後ではその箱に寿司を詰めることから「まつぶた寿司」という名前で親しまれている。