高知県 郷土食

高知県

北には四国山地、南には黒潮流れる太平洋を望み、東西に長く84%は森林の高知県。川魚(あゆ、あめご、川えび、うなぎ、かに、ごり)の捕れる清流は海に注ぎ、黒潮の土佐湾は日本有数の漁場で、回遊魚は季節と ともに訪れ、地付きの魚も多くいわし類の産卵場でもあります。高温多雨の気候で山菜も野菜もよく育ちます。こうした自然が多彩な食材を生み食文化を育んでき ました。
新鮮な食材が入手できるせいか、素材の味を生かした調理法が多く、酢、ことにゆずなど木酢(きず)を好み、すし・酢みそをよく作ります。高知に伝わる皿鉢料理は開放的な宴席マナーと、温かい“お客”文化を生み定着させ ました。

地図

ぐる煮(ぐるに)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 92kcal
たんぱく質 4.6g
脂質 3.5g
カルシウム 108mg
1.3mg
ビタミンA 225μgRE
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.06mg
ビタミンC 9mg
食物繊維 3.2g
食塩 1.0g
マグネシウム 40mg
亜鉛 0.6mg

由来

「ぐる」とは一緒とか、集まり・仲間といった土佐(高知県)の方言です。色々な材料をたくさん集めて煮こむ料理なのでこの名前がつけられました。
香南市(こうなんし)野市(のいち)では「おぐる」ともよばれています。
もともとは仏様のお供えものとして「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」の6文字にちなんで6種類の材料で、作っていました。昔は「だし」にも生ぐさいものを使用しませんでしたが、いつの間にか材料がふえ「ぐる 煮」となりました。

材料・分量

1 だいこん(2cm 角切り) 50g
2 さといも(角切り) 25g
3 にんじん(2cm 角切り) 15g
4 ごぼう(2cm 角切り) 15g
5 板こんにゃく(2cm 角切り) 20g
6 生揚げ(2cm 角切り) 30g
7 うすくちしょうゆ 6g
8 砂糖(三温糖) 1g
9 65g
10 煮干し 1.3g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・さといも以外は大きさをそろえて切り、湯に通す。
  • ・さといもは皮をむいてゆで、ぬめりをとり他の材料より大きめに切る。
  • ・煮干しと水で、だしをとる。

作り方

  • だし汁に、下ごしらえした材料を入れ、調味して弱火でしばらく煮る。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑨⑩だし汁→①だいこん②さといも③にんじん④ごぼう⑤こんにゃく⑥生あげ⑧砂糖⑦うすくちしょうゆ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 663kcal
たんぱく質 28.5g
脂質 17.9g
カルシウム 395mg
3.0mg
ビタミンA 331μgRE
ビタミンB1 0.30mg
ビタミンB2 0.54mg
ビタミンC 36mg
食物繊維 4.5g
食塩 2.6g
マグネシウム 105mg
亜鉛 3.2mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・清水さばのごまみそやき
  • ぐるに
  • ・やっこねぎのさっとづけ
  • ・水晶文旦

放送資料

「ぐるに」は高知県の郷土料理です。もともとは仏さまのお供えとして「なむあみだぶつ」の6文字にちなんで6種類の材料を使って作られましたが、いつの間にか材料がふえ「ぐるに」と呼ぶようになりました。ぐるにの「ぐる」は集まりとか、仲間、という意味の土佐の方言で、同じ大きさにそろえられ、一緒に煮込まれるところから「ぐる」という言葉が使われました。小さめに切るのが土佐市のぐるにの特徴です。
だいこんやごぼう、にんじんの根野菜やさといもを入れているので、体が温まり、野菜がたっぷりとれる煮物です。

一口メモ

「ぐるに」の具材をもっと小さく切り、あずきを入れた料理がある。これは土佐の門徒(真宗の信者)の家では、親鸞(らん)聖人が亡くなった1月27日を手前にとって、“おとり越し”とよぶ祭りを、暮れの11月27日に行っている。その日は、“おぶつじ”とよんで、煮てそなえるとともに、近所に配る習わしがある。こんにゃく、とうふ、油揚げ、大根、にんじん、ごぼう、里芋、しいたけを4mm くらいのさいの目に切り、あずきとともに大なべで炊き合わせたこの料理は、煮返せば煮返すほど味がなじむ。
聖人が厳しい冬、布教にあったとき、地域の人からこの煮物の振る舞いを受けたことから、こう呼ばれている。

参考資料

  • ・土佐の味 ふるさとの台所
  • ・土佐の食卓
  • ・ぴこねっと生粋市場郷土料理(インターネット)