神奈川県 郷土食

神奈川県

神奈川県は、比較的温暖な気候に恵まれ、西部には箱根・丹沢(たんざわ)の山々が連なり、また、相模湾(さがみわん)などの海に面していて、風景の美しいところです。
神奈川県の農地面積は、県全体の約9%しかありませんが、限られた農地でいろいろな作物を工夫して育てています。中でも大根、キャベツの生産量は全国規模を誇ります。海に面している地域には漁港があり、近海漁業・遠洋漁業が行われています。海の幸・山の幸に恵まれ、地場産物や旬の食材が豊富です。

地図

牛なべ(ぎゅうなべ)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 201kcal
たんぱく質 14.0g
脂質 11.7g
カルシウム 100mg
1.9mg
ビタミンA 40μgRE
ビタミンB1 0.12mg
ビタミンB2 0.16mg
ビタミンC 4mg
食物繊維 2.2g
食塩 1.2g
マグネシウム 38mg
亜鉛 2.8mg

由来

安政6年(1859年)横浜の開港により、外国文化とともに様々な外国の食品や料理がもたらされました。食パン・牛乳・アイスクリン・ビール等とともに西洋料理に欠かせない食材の牛肉もその一つで した。牛肉が出回るようになり、文久2年(1862年)横浜で居酒屋を営んでいた「伊勢熊(いせくま)」が初めて牛鍋屋 (ぎゅうなべや)を開業したとされます。その後、東京でも牛鍋屋が流行し、またたく間に一世を風靡 (ふうび)しました。横浜の港町で生まれた牛鍋は、それまで食べる習慣のなかった牛肉を日本人が初めて庶民の味として食べるようになった料理であり、文明開化 (ぶんめいかいか)の味と言え ます。当時は、焼いた牛肉をみそとねぎで煮込んだみそ仕立てでしたが、後にこの「牛鍋」と鋤(すき)を使って焼く「鋤焼き」が混ざり合って、今日の「すき焼き」になったとされてい ます。

材料・分量

1 牛肉(薄切り) 50g
2 焼き豆腐(色紙切) 40g
3 しらたき(4cm 程度) 30g
4 根深ねぎ(1cm 斜め切り) 20g
5 えのきたけ(3cm 程度) 10g
6 しゅんぎく(3cm 程度) 5g
7 小町ふ 2g
8 サラダ油 1g
9 砂糖(上白糖) 3g
10 うすくちしょうゆ 8g
11 本みりん 1g
12 清酒 1g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・しらたきは下ゆでし、切っておく。
  • ・小町ふは水でもどし、軽くしぼっておく。

作り方

  • なべにサラダ油を熱し、牛肉を炒める。
  • 調味料を加え、しらたき、焼き豆腐、根深ねぎ、えのきたけを加えて 煮含める。
  • 小町ふ、しゅんぎくを加えて味を整え、ひと煮立ちしたら火を止める。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑧サラダ油→①牛肉→⑨砂糖→⑩うすくちしょうゆ→⑪みりん→⑫酒→③しらたき→②焼き豆腐→④根深ねぎ→⑤えのきだけ→⑦小町ふ→⑥しゅんぎく

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 692kcal
たんぱく質 31.9g
脂質 23.2g
カルシウム 415mg
4.4mg
ビタミンA 260μgRE
ビタミンB1 0.49mg
ビタミンB2 0.57mg
ビタミンC 20mg
食物繊維 5.8g
食塩 2.1g
マグネシウム 145mg
亜鉛 5.5mg

献立例

  • ・胚芽ごはん
  • ・牛乳
  • 牛なべ(すき焼き風煮 )
  • ・おひたし
  • ・ぶどう豆

放送資料

2009年は横浜の港が開港してから150周年になります。明治時代、横浜港には外国の文化と一緒に、たくさんの珍しい食べ物が入ってきました。パンを始めとして牛乳、アイスクリン、ビールなどがあります。その中には、日本では食べられていなかった牛肉もありました。この牛肉を日本人向けにおいしく食べられるようにと工夫した料理が「牛なべ」でした。明治時代の文明開化の頃には、牛肉をみそとねぎで煮込んだもので、横浜市中区のお店で出したのが始まりです。
「牛なべ」は「すき焼き」の元祖と言われています。横浜生まれの「牛なべ」が広まって、皆さんの大好きな今の「すき焼き」の形になって全国で親しまれています。

一口メモ

パンは1860年、内海兵吉という人がフランス人のコックさんからパンの焼き方を教わったと言われている。1866年頃には、初めてのビール工場やビアホールが作られた。また、アイスクリームは中区馬車道の「氷水店」で「アイスクリン」を製造し、売り始めた。その他、横浜では明治時代に水道が引かれ、西洋野菜の栽培も始められた。カレーライス、コロッケ、中華まんじゅう、ラーメンなども横浜から全国に広まったとされている。

参考資料

  • ・「聞き書 神奈川の食事」 農山漁村文化協会