香川県 郷土食
香川県
香川県は、四国の東北部に位置し、瀬戸内海に面した全国で最も小さい県です。栗林公園や源平合戦の屋島、金刀比羅(こんぴら)宮、小豆(しょうど)島などの観光名所を有し、美しい自然と四季を通じて温暖な気候に恵まれ、万葉集にも、「玉藻よし讃岐の国は国がらか見れども飽かぬ」と歌われています。県魚のはまち、県花・県木のオリーブは、広く県民に親しまれています。また、温暖少雨の気候で良質の小麦が栽培されたことや、塩、しょうゆ、いりこ(煮干し)の入手が容易にできたことにより、食文化として根付いた讃岐うどんは全国的に有名です。
あんもち雑煮(あんもちぞうに)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 239kcal |
たんぱく質 | 6.0g |
脂質 | 1.0g |
カルシウム | 35mg |
鉄 | 1.6mg |
ビタミンA | 89μgRE |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.05mg |
ビタミンC | 3mg |
食物繊維 | 3.9g |
食塩 | 1.3g |
マグネシウム | 25mg |
亜鉛 | 1.0mg |
由来
砂糖が貴重な時代、正月に食べるあんもち雑煮は、何よりのごちそうでした。この時に使う白みそは、秋の取り入れがすむと、すぐに、蒸した大豆に米こうじを多くして、塩分をひかえて仕込み、1~2か月熟成させました。この白みそは、いろいろな使い方ができるので、昔は冬場の調味料として重宝されていました。
あんもち雑煮に入れる具は、地域によって里いも、ごぼう、油揚げを入れたり、おわんに盛った時に、花かつおやねぎを入れることもあります。
家族みんなが仲良く、円満でありますようにとの願いを込めて、もちは丸く野菜は輪切りにするといわれています。正月の雑煮にあんもちを使うのは、全国的にも珍しく、讃岐ならではの味です。
材料・分量
1 | あん入り丸もち(1個) | 80g |
2 | だいこん(3mm 輪切り) | 20g |
3 | 金時にんじん(3mm 輪切り) | 10g |
4 | 煮干し | 50g |
5 | 水 | 200g |
6 | 白みそ | 20g |
7 | 青のり | 少々 |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・煮干しと水でだしをとる。
作り方
- なべにだし汁を入れ、だいこん、金時にんじんを入れて煮る。
- 煮えたら、あん入り丸もちを入れ、少し柔らかくなったら、白みそをだし汁で溶いて入れる。
- おわんに盛り、青のりをふる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
④⑤だし汁→②だいこん③金時にんじん→①あん入りもち→⑥白みそ→⑦青のり
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 689kcal |
たんぱく質 | 25.3g |
脂質 | 18.9g |
カルシウム | 313mg |
鉄 | 2.2mg |
ビタミンA | 386μgRE |
ビタミンB1 | 0.48mg |
ビタミンB2 | 0.47mg |
ビタミンC | 54mg |
食物繊維 | 5.3g |
食塩 | 2.8g |
マグネシウム | 85mg |
亜鉛 | 2.8mg |
献立例
- ・菜めし
- ・牛乳
- ・はまちの照り焼き
- ・三色なます
- ・あんもち雑煮
- ・キウイフルーツ(香緑)
放送資料
みなさんは、お正月には、お家でどんなお雑煮を食べましたか。給食では、あんこが入ったかわいいもちを入れた、あんもち雑煮にしました。このあんもち雑煮は、香川県の郷土料理なのです。
「讃岐三白(さぬきさんぱく)」の一つである砂糖は讃岐の特産物でしたが、今のように、いつでも手に入るものではなかったようです。砂糖が貴重な時代、お正月に食べることができたあんもち雑煮は、何よりのごちそうでした。それが代々伝えられてきて、あんもちを入れたお雑煮は、全国的にも珍しいお雑煮といわれています。
年末に、雑煮用の細い大根を売っているのを見たことがあると思いますが、中に入れる大根やにんじんは、「家族が仲良く円満でありますように」という願いを込めて、丸く切るのだそうです。
一口メモ
あんもち雑煮の伝承地域は、高松、坂出、丸亀を中心とした平野部であり、西讃(せいさん)や島しょ部では、食べない地域もあるようだ。
また、中に入れる具は、地域や家庭によってさまざまのようであるが、味は白みそを使用する家庭がほとんどである。
参考資料
- ・「 さぬき味の歳時記」 香川県農林水産部農業改良課
- ・「 ふるさとの味香川の食文化」 食文化の会
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