香川県 郷土食

香川県

香川県は、四国の東北部に位置し、瀬戸内海に面した全国で最も小さい県です。栗林公園や源平合戦の屋島、金刀比羅(こんぴら)宮、小豆(しょうど)島などの観光名所を有し、美しい自然と四季を通じて温暖な気候に恵まれ、万葉集にも、「玉藻よし讃岐の国は国がらか見れども飽かぬ」と歌われています。県魚のはまち、県花・県木のオリーブは、広く県民に親しまれています。また、温暖少雨の気候で良質の小麦が栽培されたことや、塩、しょうゆ、いりこ(煮干し)の入手が容易にできたことにより、食文化として根付いた讃岐うどんは全国的に有名です。

地図

まんばのけんちゃん(まんばのけんちゃん)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 65kcal
たんぱく質 3.7g
脂質 4.4g
カルシウム 90mg
1.3mg
ビタミンA 190μgRE
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.06mg
ビタミンC 35mg
食物繊維 1.5g
食塩 0.4g
マグネシウム 24mg
亜鉛 0.5mg

由来

「まんば」はタカナ類の一種で、緑黄色野菜の少ない冬に大きな濃い緑色や赤紫色の葉を伸ばします。葉を外側から取っていっても次々芽を吹くことから万葉(まんば)、千葉(せんば)、百貫(ひゃっかん)といわれています。
東讃(とうさん)(県東部)では、「まんば」と呼ばれているが、西讃(せいさん)(県西部)では、「ひゃっか」と呼び、百貫がなまったものといわれています。
「けんちゃん」は、細切野菜の油炒めに豆腐を入れて炒めた、しっぽく料理の「けんちん」がなまったものといわれています。
まんばは、家庭菜園でもよく作られ、寒に入ると柔らかく甘みが増すので、冬場のおそう菜として、食卓に出されています。

材料・分量

1 まんば(1.5cm 幅に切る) 50g
2 油揚げ(短冊切り) 5g
3 木綿豆腐 25g
4 サラダ油 1g
5 煮干し 1g
6 15g
7 こいくちしょうゆ 2.5g
8 本みりん 0.5g
9 ごま油 0.5g

   ※まんばは、高菜で代用ができる。

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・まんばは、ゆでて水につけてあくぬきをし、水気を絞っておく。
  • ・豆腐は、軽く水気をきっておく。
  • ・煮干しと水でだしをとる。

作り方

  • なべにサラダ油を熱し、まんばを入れて炒める。
  • 油揚げ、豆腐を入れる。
  • 豆腐を木しゃもじでくずしながら炒める。
  • だし汁、調味料を加えて煮る。
  • 味をととのえ、仕上げにごま油を入れ、香りをつける。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
④サラダ油→①まんば→②油揚げ③豆腐→⑤⑥だし汁⑦⑧→⑨

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 673kcal
たんぱく質 33.8g
脂質 18.6g
カルシウム 507mg
3.8mg
ビタミンA 459μgRE
ビタミンB1 0.57mg
ビタミンB2 0.51mg
ビタミンC 61mg
食物繊維 5.2g
食塩 3.1g
マグネシウム 127mg
亜鉛 3.6mg

献立例

  • ・いりこめし
  • ・牛乳
  • ・鶏肉のみそ漬け焼き
  • まんばのけんちゃん
  • ・ふしめん汁
  • ・みかん

放送資料

今日、給食にでている「まんば」は、香川県でたくさんとれる野菜です。緑の濃い野菜である高菜の仲間で、つんでも、つんでも、次から次に葉っぱが出てくることから、「まんば」という名前がついています。この名前も地域によって違い、香川県の東の方では「まんば」、西の方では「ひゃっか」と呼ばれています。冬が旬の野菜で、寒くなると、甘みが増してきておいしくなります。
まんばには、ビタミンA やC がたくさん含まれているので、皮膚や粘膜を強くし、かぜを予防してくれます。今日は、豆腐といっしょに煮た、香川県の郷土料理である「まんばのけんちゃん」です。

一口メモ

西讃(県西部)では、まんばを「ひゃっか」(百貫がなまったものといわれている)と呼び、豆腐を雪の舞っている様子に見たてて「ひゃっかの雪花」という。
冷蔵庫のなかった時代は、冬から春の初めの芯がたつころまで、葉がどんどん出るので、食べきれなかったものをゆでてあくをとり、広げて干し、袋や缶に貯蔵し、夏から秋にかけて利用していた。
水に浸して戻し、一度ゆがくとやわらかくなる。よく洗って短く切り、油揚げを入れてしょうゆで炒りつけて食べていた。

参考資料

  • ・「さぬき味の歳時記」 香川県農林水産部農業改良課
  • ・「聞き書香川の食事」 農山漁村文化協会