香川県 郷土食
香川県
香川県は、四国の東北部に位置し、瀬戸内海に面した全国で最も小さい県です。栗林公園や源平合戦の屋島、金刀比羅(こんぴら)宮、小豆(しょうど)島などの観光名所を有し、美しい自然と四季を通じて温暖な気候に恵まれ、万葉集にも、「玉藻よし讃岐の国は国がらか見れども飽かぬ」と歌われています。県魚のはまち、県花・県木のオリーブは、広く県民に親しまれています。また、温暖少雨の気候で良質の小麦が栽培されたことや、塩、しょうゆ、いりこ(煮干し)の入手が容易にできたことにより、食文化として根付いた讃岐うどんは全国的に有名です。
打ち込み汁(うちこみじる)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 330kcal |
たんぱく質 | 14.8g |
脂質 | 6.0g |
カルシウム | 94mg |
鉄 | 2.0mg |
ビタミンA | 185μgRE |
ビタミンB1 | 0.15mg |
ビタミンB2 | 0.12mg |
ビタミンC | 14mg |
食物繊維 | 6.1g |
食塩 | 2.6g |
マグネシウム | 66mg |
亜鉛 | 1.6mg |
由来
雨量が少なく温暖な気候に恵まれている香川県では、昔から良質な小麦粉、うどん作りに欠かせない塩、さらに、煮干しの原料となるかたくちいわしが、瀬戸内海では豊富にとれていました。そのためうどんといえば讃岐といわれるほど定着しています。
打ち込み汁は、讃岐の農村の日常食として、うどんと季節の野菜をふんだんに使って、どこの家庭でもよく作られてきました。野良仕事から一足先に帰った主婦が、手早く作る汁物の一つでした。打ち込み汁には、塩を使わずに打ったうどんを入れます。これは、塩分入りの麺だと汁が塩辛くなるためで、先人の知恵ともいえます。
材料・分量
1 | 生うどん 小麦粉(中力粉) 水 |
50g 20g |
2 | 鶏もも肉(こま切れ) | 20g |
3 | だいこん (0.2㎝厚さいちょう切り) | 50g |
4 | にんじん (0.2㎝厚さいちょう切り) | 20g |
5 | ごぼう(小さめささがき) | 20g |
6 | さといも(小さめ角切り) | 20g |
7 | 生しいたけ(うす切り) | 10g |
8 | 油揚げ(1×0.5㎝短冊切り) | 10g |
9 | 葉ねぎ(小口切り) | 5g |
10 | 白みそ | 20g |
11 | 煮干し | 5g |
12 | 水 | 280g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・ボールに小麦粉と水を入れてよく練り、2~3時間ねかせる。打ち粉をふり、麺棒で5㎜位にのばす。たっぷり打ち粉をして、びょうぶだたみにし、5㎜幅に切る。1本ずつほぐして生うどんを作っておく。
- ・煮干しと水でだしをとる。
作り方
- なべにだし汁を入れ、鶏もも肉を入れて煮る。
- 沸いたら、だいこん、にんじん、ごぼう、さといも、生しいたけ、油揚げを入れて煮る。
- 2にうどんを入れて10分煮込む。途中で、溶いたみその1/3量を入れる。
- 残りのみそを加えて、味をととのえる。
- ねぎを入れて仕上げる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑪⑫だし汁→②鶏もも肉→③だいこん④にんじん⑤ごぼう⑥さといも⑦生しいたけ⑧油揚げ→①生うどん→⑩みそ→⑨ねぎ
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 685kcal |
たんぱく質 | 25.5g |
脂質 | 22.4g |
カルシウム | 416mg |
鉄 | 3.5mg |
ビタミンA | 555μgRE |
ビタミンB1 | 0.62mg |
ビタミンB2 | 0.54mg |
ビタミンC | 28mg |
食物繊維 | 6.1g |
食塩 | 3.0g |
マグネシウム | 112mg |
亜鉛 | 3.3mg |
献立例
- ・大根めし
- ・牛乳
- ・いわしの揚げかまぼこ
- ・さぬき菜のごま ドレッシングあえ
- ・打ち込み汁
放送資料
打ち込み汁は、うどんを使った香川県の郷土料理です。雨量が少なく温暖な気候に恵まれている香川県では、昔から良質の小麦粉がとれました。また、遠浅で潮の干満の差が大きな長い砂浜と雨が少ない気候が、うどんに欠かせない塩作りに適していました。さらに、だしをとるための煮干しの原料となるかたくちいわしが、瀬戸内海では豊富にとれました。うどん作りに欠かせない材料がそろい、讃岐の先人の工夫があって、うどんといえば讃岐といわれるほど、定着してきました。
打ち込み汁は農村の日常食として、季節の野菜を使って、昔からよく作られてきた料理です。寒い時期に熱々の打ち込み汁は最高のごちそうです。
一口メモ
打ち込み汁は、讃岐の農村の日常食として、うどんと季節の野菜をふんだんに使って、どこの家庭でもよく作られてきた。打ち込み汁は、塩を使わずに打ったうどんを入れる。これは、塩分入りの麺だと汁が塩辛くなるためで、先人の知恵といえる。
打ち込み汁の具も、地域や家庭によってさまざまで、しょうゆ味のところもある。また、うどんが太かったり細かったりするのも、手づくりの楽しさのうちである。
参考資料
- ・さぬき味の歳時記 香川県農政水産部農政課
- ・本場さぬきうどんの作り方 旭屋出版
香川県