石川県 郷土食

石川県

石川県は、南北に細長いことから「加賀」と「能登」に分けられる。「加賀」は肥沃な平野と潤沢な水を利用し米どころとして知られ、「能登」は三方を日本海に囲まれているので海の幸とそれらを使った珍味が多い。また城下町金沢には、百万石の伝統が色濃く受け継がれ、鴨のじぶ煮やはす蒸しなどは、石川の食文化を代表している。

地図

いしる煮(いしるに)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 91kcal
たんぱく質 11.3g
脂質 1.9g
カルシウム 85mg
1.2mg
ビタミンA 101μgRE
ビタミンB1 0.10mg
ビタミンB2 0.10mg
ビタミンC 10mg
食物繊維 2.9g
食塩 1.2g
マグネシウム 51mg
亜鉛 1.0mg

由来

いしるは能登半島北部で古くから作られているイワシやイカの内臓や頭、骨を塩漬けにして発酵させた魚醤(ぎょうしょう)で、骨や内臓を無駄にしない生活の知恵から生まれたものです。語源は「うおじる」「いおじる」「よじる」「よしる」「いしる」と転じたと言われています。輪島・門前(もんぜん)・穴水(あなみず)・珠洲(すず)地区の多くで「いしる」、小木(おぎ)・宇出津(うしつ)地区では「いしり」と呼ばれる場合が多いようです。
いしるは、料理の調味料として使用され、独特の風味や旨みが凝縮されているので、最近では海産物系の炒め物や鍋物などへの隠し味としてもよく使われています。家庭料理として「いしる鍋」や「いしるの貝焼き」などの郷土料理があります。

材料・分量

1 だいこん(1㎝いちょう切り) 30g
2 にんじん(0.5㎝ななめ切り) 6g
3 ごぼう(ささがき) 15g
4 はくさい(3㎝切り) 30g
5 えのきだけ(いしづきを切る) 15g
6 するめイカ(1㎝輪切り) 20g
7 かわはぎ(3㎝そぎ切り) 20g
8 焼き豆腐(4㎝角切り) 30g
9 生わかめ(5㎝切り) 8g
10 本みりん 1g
11 いしる 3g
12 こいくちしょうゆ 3g
13 100g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・かわはぎとイカは内蔵を取り除いておく。

作り方

  • 鍋に水、ごぼうを入れて煮る。煮えてきたら、にんじん、だいこんを 入れる。再び煮えてきたら、はくさいを入れてさらに煮る。
  • みりん、いしる、しょうゆを入れ、イカ、かわはぎをいれて煮る。
  • 焼き豆腐、えのきだけ、生わかめを入れてさらに煮て味をみて、出来上がりです。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑬水→③ごぼう→②にんじん→①だいこん→④はくさい→⑩みりん→⑪いしる→⑫しょうゆ→⑥イカ→⑦かわはぎ→⑧やき豆腐→⑤えのきだけ→⑨生わかめ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 643kcal
たんぱく質 27.6g
脂質 17.9g
カルシウム 325mg
3.0mg
ビタミンA 250μgRE
ビタミンB1 0.64mg
ビタミンB2 0.59mg
ビタミンC 36mg
食物繊維 5.2g
食塩 2.2g
マグネシウム 103mg
亜鉛 3.0mg

献立例

  • ・麦ごはん
  • ・牛乳
  • ・ぶりの味噌焼き
  • ・おひたし
  • いしる煮
  • ・打ち豆汁

放送資料

今日の給食のいしる煮は、大根とさといもとイカを使った奥能登の郷土料理です。
昔、奥能登ではたくさん取れたイワシやイカを使って「いしる」と言うおいしい醤油を作ったのです。全国的にもめずらしい魚のうまみがとけ込んだ調味料です。
今日の献立は、すべて奥能登で取れた地場産物を使っています。お米はコシヒカリで、ぶりは能登の漁港で取れたものです。おひたしの白菜と小松菜は地元の農家で栽培されもので、打ち豆は青大豆を水に浸し木槌で打ち付けたものです。
奥能登のおいしい食べ物をいろいろと使った給食です。

一口メモ

奥能登ではイワシ・イカの糠漬けの製造が盛んであり、その副産物として生じた頭・内臓を原料として「魚汁(いしる)」が作られてきた。
切り落とした原料の20~30%の塩を混ぜて漬け込み、5~12ヵ月熟成させ上澄み液をこして瓶詰めにしている。
塩分濃度が高いので最近ではみりんで割った物などが作られているが、独特の香りがあるので好みが分かれる。

参考資料

  • ・「こどもたちにふるさとの味を-能登編-」 石川県教育委員会