兵庫県 郷土食

兵庫県

兵庫県は、北は日本海、南は瀬戸内海から淡路島を介して太平洋へと続いています。大都市から農山村、離島までさまざまな地域で構成され、多様な気候と風土を通して、海水浴やスキー、温泉などの多彩なレジャーが楽しめることから「日本の縮図」といわれています。
都市部では、鉄鋼や造船、機械などの産業が盛んな一方、山間地域や日本海側では、豊かな自然にも恵まれ、牛肉や猪肉、瀬戸内のたこや鯛、日本海ではいかやかになど、農林水産業が盛んです。それぞれの土地で獲れた四季折々の山の幸、海の幸を使い、素材を生かした料理があります。

地図

いなかごのくぎ煮(いなかごのくぎに)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 80kcal
たんぱく質 5.6g
脂質 1.7g
カルシウム 152mg
0.9mg
ビタミンA 60μgRE
ビタミンB1 0.06mg
ビタミンB2 0.25mg
ビタミンC 0mg
食物繊維 0g
食塩 1.0g
マグネシウム 16mg
亜鉛 1.2mg

由来

「いかなごのくぎ煮」は、古い料理法のように思われますが、流行し始めたのはここ20年くらいです。いかなごを魚の餌とするだけではもったいないと考案されたという説もあります。もともと浜の家庭にあった保存食が自分流につくれるということでブームになったのかもしれません。作り方や材料などは、各家庭により 異なり、さんしょうやゆず・梅干しなどを入れるなど家ごとのこだわりがあります。
「いかなごのくぎ煮」は、煮上がった姿がさびたくぎのように見えるので「くぎ煮」といわれるように なったのですが、いかなごの新鮮さが命で、新鮮でなければ「く」の字に曲がらないということで、朝早くから新鮮ないかなごを買い求め、 その日のうちに一気に炊き上げられます。

材料・分量

1 いかなご 30g
2 こいくちしょうゆ 6g
3 砂糖(中ざら糖) 6.6g
4 清酒 1.5g
5 本みりん 4.5g
6 しょうが(細せん切り) 0.6g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・いかなごを洗いしっかり水をきる。

作り方

  • 調味料としょうがを合わせたものをしっかり煮立たせ、いかなごを一度に入れ、いかなごの間に調味料が均等に回るように素早くかき混ぜる。
  • 落としぶたをし、強火で一気に煮立たせ、吹きこぼれない程度の火加減で煮る。いかなごに泡がまんべんなくかぶさっている状態にする。箸で絶対にかきまわさない。
  • 泡がしずまり、いかなごの間に小さな泡が出るくらいに煮汁が減った時、中火~弱火にして落としぶたを取る。煮汁の残りの量を確かめながら煮詰め、少しの煮汁が残っている状態で火を止め、平ざるにかえして残り汁を切り、素早く冷ます。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
②こいくちしょうゆ③砂糖→④清酒⑤本みりん⑥しょうが→①いかなご

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 621kcal
たんぱく質 25.8g
脂質 18.0g
カルシウム 471mg
3.0mg
ビタミンA 431μgRE
ビタミンB1 0.47mg
ビタミンB2 0.52mg
ビタミンC 32mg
食物繊維 6.3g
食塩 2.8g
マグネシウム 106mg
亜鉛 3.0mg

献立例

  • ・麦ごはん
  • ・牛乳
  • ・肉とじゃがいもの旨煮
  • ・ほうれん草のからししょうゆあえ
  • いなかごのくぎ煮
  • ・わかめのみそ汁

放送資料

明石の春の風物詩といえば、いかなごの新子漁(しんこりょう)にいかなごのくぎ煮です。魚屋さんの店先に行列ができ、いかなごを買い求める姿を見かけると、待ち遠しかった春の訪れを感じます。
「いかなごのくぎ煮」は明石でとれたいかなごをしょうゆ・砂糖・酒・みりんで味付けをしています。出来上がった姿がさびたくぎのように見えるので、「くぎ煮」と呼ばれています。
カルシウムがたっぷりのごはんにあうおかずです。
春の味「いかなごのくぎ煮」をよく味わっていただきましょう。

一口メモ

「いかなご」の名前の由来については、「いかなご」が何の魚の子かわらなかったことから、「いかなる魚の子なりや」といわれたことが、魚の名前になったという説がある。
「くぎ煮検定」、「わが家のくぎ煮コンテスト」や「オリジナルソング」も考案されるほど、県民に親しまれている家庭料理である。

参考資料

  • ・「いかなごのくぎ煮振興協会」ホームページ