広島県 郷土食
広島県
広島県は日本の縮図と言われ、温暖な瀬戸内海から、冬は雪に覆われる中国山地まで、様々な気候と風土があり、四季折々の海の幸、山の幸が豊富です。海の幸は牡蠣 (かき)をはじめ、あなご、たこ、小いわし等、瀬戸内海の恵みをいただくことができます。山の幸はおいしいお米をはじめ、じゃがいも、わけぎ、広島菜、くわいなど、季節ごとの食材が栽培されています。果物もみかんなどの柑橘類をはじめ、ぶどう、びわなど多種多様です。そしてこれらの新鮮な食材を生かした料理が多く存在しています。また、原爆投下により焼け野原になった広島の復興と人々の力強さの原点ともなった「お好み焼き」の存在も欠かせません。
お好み焼き(おこのみやき)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 474kcal |
たんぱく質 | 16.3g |
脂質 | 5.6g |
カルシウム | 114mg |
鉄 | 1.9mg |
ビタミンA | 45μgRE |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.06mg |
ビタミンC | 12mg |
食物繊維 | 4.5g |
食塩 | 1.4g |
マグネシウム | 44mg |
亜鉛 | 0.7mg |
由来
お好み焼きのルーツは昭和初期、駄菓子屋で子どものおやつとして売られていた一銭 (いっせん)洋食です。それが、戦後、食べ物が不足していた時代、とりあえず手に入る材料で手早く作れる食べ物として大人達も食べるようになりました。当時配給された小麦粉を使い、やがて、かまぼこやキャベツをのせるようになり、さらに食べ物が豊かになるにつれて現在のように豚肉、卵、もやし、ねぎなどのたくさんの具をお好みでのせて焼き、「お好み焼き」とよぶようになりました。独特のお好みソースも広島の地で誕生しま した。キャベツやねぎ等の野菜をたっぷり食べる栄養バランスのとれた一品です。
材料・分量
1 | A 小麦粉(薄力粉) 水 本みりん 鶏卵 |
15g 15g 少々 5g |
2 | 豚バラ肉 | 15g |
3 | キャベツ(せん切り) | 50g |
4 | もやし | 30g |
5 | 葉ねぎ(0.5㎝小口切り) | 5g |
6 | 鶏卵 | 1/2個25g |
7 | 中華めん | 140g |
8 | 天かす | 10g |
9 | かつお粉 | 1g |
10 | かつお節 | 2g |
11 | 青のり粉 | 0.2g |
12 | 食塩 | 適量 |
13 | サラダ油 | 適量 |
14 | お好みソース | 15g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・小麦粉(薄力粉)、水、本みりん、鶏卵で生地を作る。
(さらさらと糸をひいて流れるくらいのかたさ)
作り方
- 鉄板(ホットプレートでよい)にサラダ油をひき、生地の3/4の分量をうすく円形にのばす。
- かつお粉をぱらぱらぱらとふる。
- キャベツを山もりにのせる。天かすをのせる。
- 葉ねぎ、もやしをのせる。
- 豚バラ肉を1枚ずつのせる。(好みで食塩・こしょうをしてもよい。)
- 5の上にのこりの1/4の生地をかける。
- 大きなヘラを使い、静かにひっくり返す。はみ出した具を中におさめて上からヘラで押さえ、野菜をむし焼きにする。
- 火が通るのを待つ間に横で中華めんをほぐしながら炒める。
- 中華めんをお好み焼きの大きさの円形にひろげ、7をのせる。
- さらにその横で卵を割り、ヘラでお好み焼きの大きさにひろげ、その上に 9をのせる。
- ひっくり返し、お好みソースをたっぷりぬり、かつお節、青のり粉をかける。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
A(生地の3/4量)→⑨→③→⑧→⑤葉ねぎ④もやし→②豚バラ肉→A(生地1/4量)→⑥卵→⑭お好みソース→⑨⑩
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 646kcal |
たんぱく質 | 25.9g |
脂質 | 17.8g |
カルシウム | 357mg |
鉄 | 2.2mg |
ビタミンA | 271μgRE |
ビタミンB1 | 0.73mg |
ビタミンB2 | 0.53mg |
ビタミンC | 66mg |
食物繊維 | 5.2g |
食塩 | 2.7g |
マグネシウム | 103mg |
亜鉛 | 3.3mg |
献立例
- ・広島菜のおむすび
- ・牛乳
- ・お好み焼き
- ・元気汁
- ・みかん
放送資料
今日の給食はお好み焼きです。「お好み焼き」といえば全国に知れた広島の料理です。お好み焼きのルーツは「一銭洋食」と呼ばれていた子どものおやつだったそうです。それが、戦争が終わって、食べる物がない時代、とりあえず手に入る材料で作る食べ物として大人も食べるようになりました。それから、好みの材料を入れて焼くようになり、「お好み焼き」とよばれるようになりました。広島には欠かせない食べ物です。それに、広島特産の広島菜の入ったおむすびもありま
す。「元気汁」は瀬戸内海でとれたちりめんじゃこが入っています。ちりめんじゃこがだしの代わりになり、だしをとらなくてもおいしいみそ汁です。カルシウムがたくさんとれるお汁です。
今日は広島の味をしっかりいただきましょう。
一口メモ
お好み焼きの具として使う食材に決まりはなく、まさに「お好み」でよい。キャベツ、もやし等の基本の具に加え、自分の好みで色々な具を選べる。豚肉、卵、中華そばも一般的で、お好み焼き屋で注文する時、「肉・玉・そば」というとわかってもらえる。
参考資料
- ・「ひろしまの四季食彩伝えたい味・新しい味」 中国新聞社
- ・「オコロジーお好み焼学~お好み焼きの話をしよう~ 」 おたふくソース株式会社
- ・「ひろしまふるさと食物語」 広島県学校栄養士協議会
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