岐阜県 郷土食
岐阜県
岐阜県は、日本のほぼ中央に位置し、名古屋のベットタウンとしての市町や、飛騨高山、日本 の名湯の一つ下呂温泉や飛騨の温泉、世界遺産の白川郷などの観光地としても知られています。
また、夏の暑さは全国的にも有名ですが、反対に冬の寒さは、かなり厳しく典型的な盆地の気候となっています。そのために、四季折々の自然の景色は格別であり、新緑、紅葉、白銀などの山々が見られます。また県内の地場産も多く、それらをもとに農業にまつわる郷土食も古くから受け継がれています。岐阜県は山や川の自然の豊かさや、おいしい食べ物を自慢できることが何よりです。
朴葉ずし(ほうばずし)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 366kcal |
たんぱく質 | 10.1g |
脂質 | 1.62g |
カルシウム | 10mg |
鉄 | 0.7mg |
ビタミンA | 5μgRE |
ビタミンB1 | 0.41mg |
ビタミンB2 | 0.07mg |
ビタミンC | 0mg |
食物繊維 | 1.0g |
食塩 | 1.3g |
マグネシウム | 27mg |
亜鉛 | 1.2mg |
由来
朴葉ずしは飛騨(ひだ)の初夏を代表する郷土ずしです。飛騨地方では、田植えや養蚕の飼育など春の農作業を終えた6月に朴葉ずしを作って農休みのご馳走としてきました。
6月頃になると、山の朴の木の若葉が大きくなり、冬の長い飛騨にとっては初夏の喜びを感じる季節となります。その葉は香りもよく、大きくてお皿代わりともなります。また殺菌作用があると言われ、外で農作業をする時には、箸がなくても葉でまとめながら食べることができ、とても重宝なものです。大きな朴葉を上手に利用することを考えた昔の人の知恵が感じられます。
すしに入れる具は、地域や家々で異なり、鯖の酢漬け、鮭の酢漬け、へぼ(蜂の子)の煮物、貝しぐれ、きゃらぶきの煮物、漬物などその土地で取れるものや各家々でこだわった材料を使い、様々です。また、すしの包み方も家により違いがありますが、自分の家に伝わる朴葉ずしの味が大切に受け継がれています。
材料・分量
1 | 精白米 | 80g |
2 | 水 | 88g |
3 | 【合わせ酢】 米酢 砂糖(上白糖) 食塩 |
12g 8g 0.5g |
4 | べにさけ | 20g |
5 | 清酒 | 1g |
6 | 食塩 | 0.3g |
7 | 乾しいたけ(小さめの角切り) | 1g |
8 | たけのこ水煮(小さめの角切り) | 10g |
9 | 砂糖(三温糖) | 2g |
10 | うすくちしょうゆ | 3g |
11 | 清酒 | 1g |
12 | 本みりん | 1g |
13 | 甘酢生姜 | 3g |
14 | 朴葉 | 1枚 |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・精白米はといでおく。
- ・乾しいたけは、洗って水でもどす。
- ・朴葉は、洗い、水を切っておく。
- ・酢、砂糖、食塩で合わせ酢を作っておく。
作り方
- 精白米はすし飯用に少しかために炊く。
- 炊き上がったご飯に合わせ酢を混ぜ、すし飯を作る。
- べにさけは食塩をふって焼き、骨や皮をとりのぞいてほぐし、酒をふっておく。
- しいたけ、たけのこは粗めのみじん切りにし、砂糖・しょうゆ・酒・本みりんで煮ておく。
- 朴葉にすし飯をのせ、3、4の具をのせる。甘酢生姜をのせて包む。
※ご飯が温かいうちに朴葉で包むと、香りがよく移る。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑯洗った朴葉→①②炊いたご飯・③④⑤合わせ酢→⑥べにさけ⑧食塩→⑦酒→⑨⑩⑪⑫⑬⑭→⑯甘酢生姜
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 652kcal |
たんぱく質 | 25.6g |
脂質 | 14.2g |
カルシウム | 363mg |
鉄 | 3.6mg |
ビタミンA | 224μgRE |
ビタミンB1 | 0.69mg |
ビタミンB2 | 0.53mg |
ビタミンC | 23mg |
食物繊維 | 5.6g |
食塩 | 2.9g |
マグネシウム | 128mg |
亜鉛 | 3.0mg |
献立例
- ・朴葉ずし
- ・牛乳
- ・煮豆
- ・えごまあえ
- ・すまし汁
- ・岐阜のトマトゼリー
放送資料
朴葉ずしの季節になりました。私たちの地方では、田植えや茶摘を終えたこの時期に朴葉ずしを作って農休みのごちそうとしてきました。たくさん作って、地元を離れている家族などに送り、ふるさとの味をなつかしんでもらっている家も多くあります。昔からの初夏の味を大切に伝えていきたいです。
今日は、給食室で一個一個ていねいに作りました。郷土の味を楽しんでください。
一口メモ
朴葉は重要な「食器」である。ご飯とちょっとしたおかずを盛れば、皿や膳の代わりとなるし、会食や宴会のあとで残った料理を包んで持って帰るときもこの朴葉である。
肉厚で表面にツヤのある性質がこうした習慣を生んだものと思われる。また、この朴葉の持つ独特の香りも見過ごせない。
参考資料
- ・「ぎふのすし」 日比野光敏編・著
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