岐阜県 郷土食

岐阜県

岐阜県は、日本のほぼ中央に位置し、名古屋のベットタウンとしての市町や、飛騨高山、日本 の名湯の一つ下呂温泉や飛騨の温泉、世界遺産の白川郷などの観光地としても知られています。
また、夏の暑さは全国的にも有名ですが、反対に冬の寒さは、かなり厳しく典型的な盆地の気候となっています。そのために、四季折々の自然の景色は格別であり、新緑、紅葉、白銀などの山々が見られます。また県内の地場産も多く、それらをもとに農業にまつわる郷土食も古くから受け継がれています。岐阜県は山や川の自然の豊かさや、おいしい食べ物を自慢できることが何よりです。

地図

大歳のごっつぉ(おおとしのごっつお)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 82kcal
たんぱく質 3.7g
脂質 2.6g
カルシウム 97mg
1.2mg
ビタミンA 114μgRE
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.05mg
ビタミンC 8mg
食物繊維 3.9g
食塩 1.0g
マグネシウム 53mg
亜鉛 0.5mg

由来

岐阜県でも中濃、美濃、東濃、飛騨地域に伝わる料理で、大晦日の年取りのご馳走です。一年が無事過ごせたことに感謝するとともに、迎える年もよい年になることを願い、家族そろい感謝して食べることが慣習でした。
また昔、食べ物がなく今のようなおせち料理もない頃は、この料理がとてもご馳走でした。特に正月三が日は、皆がそろってゆっくり休めるようにと、一度にたくさん作り温めなおして食べました。何度も火を通すことで、味がよくしみこみおいしくなり、手間もかからない料理は先人の知恵です。
入れる材料は同じでも、切り方や味付けの違いがあり、それぞれの家の味が受け継がれています。また地域により、年越しのおかず、こぶ汁、にごみ汁など同じような料理でも呼び名は違っています。

材料・分量

1 だいこん(輪切り) 50g
2 ごぼう(拍子切り) 10g
3 こんにゃく(板)(一口大ちぎる) 15g
4 油揚げ(大きめに切る) 5g
5 糸こんぶ 3g
6 にんじん(拍子切り) 15g
7 さといも(大きめの輪切り) 20g
8 木綿豆腐(大きめの長方形) 20g
9 煮干し 2.5g
10 120g
11 こいくちしょうゆ 5g
12 清酒 2.0g
13 本みりん 2.0g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・こんにゃくはゆでる。
  • ・煮干しと水でだしをとる。
  • ・糸こんぶは洗い、水につけておく。

作り方

  • 鍋にだし汁、だいこん、ごぼう、こんにゃく、油揚げ、糸こんぶをいれて煮る。
  • 材料が柔らかくなったら、しょうゆ、酒、本みりんとにんじん、さといもを入れて味がしみるまで煮る。
  • 最後に木綿豆腐を入れて、さらに煮る。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑨煮干し⑩水→①だいこん②ごぼう③こんにゃく④油揚げ⑤糸こんぶ→⑫酒⑬本みりん⑪しょうゆ→⑥にんじん⑦さといも→⑧

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 626kcal
たんぱく質 27.9g
脂質 13.7g
カルシウム 531mg
4.0mg
ビタミンA 291μgRE
ビタミンB1 0.45mg
ビタミンB2 0.55mg
ビタミンC 31mg
食物繊維 6.1g
食塩 3.2g
マグネシウム 138mg
亜鉛 3.0mg

献立例

  • ・麦ごはん
  • ・牛乳
  • 大歳のごっつぉ
  • ・丸干しいわし
  • ・とうふのおつゆ
  • ・みかん

放送資料

今日の給食は、少し早めの年越しのおかずです。昔は、この煮物を大晦日に作り、正月中、何度も温めなおして食べたということです。糸昆布は、「長生きできる」という意味です。野菜の切り方や味付けは、それぞれの家に伝わる味となっています。また、この岐阜県では、いわしの丸干しも一緒に食べます。いわしは、焼く時の煙が一年の悪いことを追い払ってくれるということです。

一口メモ

30日までに新年を迎える準備をすませ、31日には年越しをする。朝から風呂をわかし、家族全員が午前中に入浴をすませ、年取りの食事をする。
年取りのごちそうは、白飯、煮物、それに年越しの魚として尾頭付きのいわしに、しょうゆ味の豆腐のおつゆを添える。煮物は、大きく切った大根、ただいも(里芋)、ごぼう、にんじん、豆腐、糸昆布を煮干しのだしで煮る。正月には、お勝手仕事をしなくてもよいように、煮物は何日分も作っておき、煮なおして食べる。

参考資料

  • ・「つくってみ食べてみ、旬の味」
  • ・「聞き書 岐阜の食事」