福島県 郷土食

福島県

福島県は、全国で3番目に広い面積をもち、南北へつながる阿武隈(あぶくま)高原と奥羽(おうう)山脈によって、中通り(なかどうり)・会津(あいず)・浜通り (はまどうり)の気候・風土の違う3つの地方に分けられます。きゅうり・トマト・さやいんげん・ブロッコリー等の野菜、美味しいお米、「くだもの大国」と言われるように桃・りんご・梨などの生産量が多く山菜も豊富である。黒潮と親潮がぶつかり合う潮目になってよい漁場に恵まれているため、秋刀魚・たこ・ひらめなどたくさんの魚介類が水揚げされます。また鯉の生産量全国1位です。山の幸・海の幸そして温泉に恵まれた県です。

地図

引き菜もち(ひきなもち)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 165kcal
たんぱく質 6.5g
脂質 5.4g
カルシウム 63mg
0.8mg
ビタミンA 194μgRE
ビタミンB1 0.06mg
ビタミンB2 0.04mg
ビタミンC 4mg
食物繊維 2.1g
食塩 0.9g
マグネシウム 25mg
亜鉛 0.9mg

由来

引き菜炒り(ひきないり)とは、だいこん、にんじんを太めの千切りにして炒めた物です。これに福島市の特産物、立子山 (たつごやま)の凍み豆腐(凍り豆腐)ともちを入れたのが「引き菜もち」で、県北地方の郷土料理です。もちを食べる時に、だいこんを食べると胸焼けしないといわれますが、この「胸焼け」を「棟焼け」にかけて、火事にならないようにと「家内安全」の願いを込め、正月料理として食べられてい ます。
立子山の凍み豆腐の歴史は、およそ300年前、和歌山県の高野山の精進料理に感激した円通寺のお坊さんが高野豆腐を持ち帰り、独自の凍み豆腐をあみ出したのがはじまりと伝えられてい ます。その後、大正時代になり地元の農家の方が300年の歴史をもとに研究を重ね完成させました。

材料・分量

1 豚ひき肉 10g
2 だいこん(せん切り) 50g
3 にんじん(せん切り) 15g
4 ごぼう(せん切り) 5g
5 乾ししいたけ(せん切り) 0.5g
6 凍み豆腐(凍り豆腐) (0.8cm せん切り) 3g
7 油揚げ(たて半分にしてせん切り) 3g
8 せり(2cm 幅) 3g
9 白玉もち 40g
10 こいくちしょうゆ 4g
11 砂糖(三温糖) 2g
12 1g
13 みりん 1g
14 米サラダ油 0.8g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・凍み豆腐はもどして千切りにする。
  • ・乾しいたけは洗ってもどし、もどした汁はだし汁として使う。
  • ・油揚げは、熱湯をかけ油抜きする。

作り方

  • 米サラダ油を熱し、豚ひき肉をいため、だいこん、にんじん、ごぼう、しいたけも加え炒める。
  • 野菜がしんなりしたら、凍み豆腐、油揚げ、調味料を加える。
  • 白玉もちをさっとゆでて2に入れ、せりを加えて仕上げる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑭サラダ油→①豚ひき肉→②だいこん③にんじん④ごぼう⑤しいたけ→⑥凍り豆腐⑦油揚げ→⑪⑫⑬⑩→⑨白玉もち→⑧せり

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 753kcal
たんぱく質 33.3g
脂質 24.2g
カルシウム 386mg
2.7mg
ビタミンA 302μgRE
ビタミンB1 0.38mg
ビタミンB2 0.55mg
ビタミンC 24mg
食物繊維 5.0g
食塩 3.0g
マグネシウム 85mg
亜鉛 2.8mg

献立例

  • ・減量黒パン
  • ・牛乳
  • ・鶏肉のりんごソースがけ
  • ・ブロッコリー
  • 引き菜もち

放送資料

引き菜もちは、だいこんの引き菜炒りにもちを入れたものです。もちを食べる時に、だいこんを食べると胸焼けしないといわれますが、この「胸焼け」を「棟焼け」にかけて、火事にならないようにとの願いが込められています。昔の人は、「家内安全」を願って、お正月に引き菜もちを食べました。
引き菜もちには、全国的にも有名な、福島市南部で作られいる立子山(たつごやま)の凍み豆腐を入れます。

一口メモ

引き菜炒りとは、だいこん、にんじんを太めの千切りにして炒めた物で、これに福島市の特産物、立子山の凍み豆腐と、もちを入れたのが「引き菜もち」で、お正月に食べられる、県北地方の郷土料理である。もちを食べる時に、だいこんを食べると胸焼けしないといわれるが、この「胸焼け」を「棟焼け」にかけて、火事にならないように「家内安全」の願いを込めて正月料理として食べられている。

参考資料

  • ・「平成19年度食育に関する調査研究会研究収録」 (財)福島県学校給食会