福岡県 郷土食
福岡県
福岡県は、三方を海に囲まれています。そして、いくつかの山地と、その間を流れる河川や肥沃な平野など、自然に恵まれた地域です。この恵まれた自然条件を生かして、いちごの「あまおう」や「博多なす」に代表されるように、全国に誇れる農産物もたくさんあります。
また、古くは太宰府政庁や鴻臚館(こうろかん)が置かれるなど、中国大陸や朝鮮半島との交流の窓口であり、今でも九州の玄関口として、いろいろな物や人・文化の交流が盛んな場所です。このような特色を持つため、地域によって様々な食文化が発達しています。
そうめんちり(そうめんちり)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 150kcal |
たんぱく質 | 9.9g |
脂質 | 2.7g |
カルシウム | 72mg |
鉄 | 1.3mg |
ビタミンA | 165μgRE |
ビタミンB1 | 0.08mg |
ビタミンB2 | 0.12mg |
ビタミンC | 6mg |
食物繊維 | 1.6g |
食塩 | 1.9g |
マグネシウム | 24mg |
亜鉛 | 0.9mg |
由来
昔は産卵用にどこの家庭でも鶏をかっていて、「庭の野菜」とも言われていました。交通の便も悪く、街まで肉を買いに行くのもむずかしい山間部の地域では、祭りや寄合い、親せきが集まったときなどに、鶏肉と畑の野菜で作る「ちり」がごちそうとされました。
また、当時はザラメ(中ざら糖)も貴重品だったため、ザラメをたくさん使う「ちり」は、たいへんなごちそうでした。農繁期の前には体力をつけるため、農作業が終わると労をねぎらうため「そうめんちり」が食べられました。また、盆には仏前にそうめんをそなえる風習があったため、盆が終わると「そうめん開き」といって、おそなえのそうめんを使って「ちり」を作っていました。
材料・分量
1 | 鶏もも肉(2cm 角切り) | 30g |
2 | 焼き豆腐(3cm 角切り) | 30g |
3 | にんじん(たんざく切り) | 8g |
4 | はくさい (葉と茎に分けて、3cm 角切り) | 30g |
5 | 根深ねぎ(ななめ切り) | 10g |
6 | つきだしこんにゃく | 10g |
7 | しゅんぎく(3cm) | 8g |
8 | そうめん | 20g |
9 | 鶏がら | 30g |
10 | 砂糖(中ざら糖) | 7g |
11 | こいくちしょうゆ | 10g |
12 | 清酒 | 2g |
13 | 本みりん | 1g |
14 | 水 | 60g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・鶏がらでスープをとっておく。
- ・そうめんを固めにゆで、水で冷やす。
作り方
- スープに鶏もも肉を入れて煮る。
- しゅんぎく以外の材料を加える。
- 野菜が煮えたら、調味料を入れ、味をととのえる。
- しゅんぎくを入れる。
- 器にそうめんを入れ、5をかける。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑨⑭→①鶏もも肉→⑥こんにゃく→⑤根深ねぎ→④はくさいの茎→
③にんじん→④はくさいの葉→②焼き豆腐→⑩~⑬調味料→
⑦しゅんぎく→⑧
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 691kcal |
たんぱく質 | 32.0g |
脂質 | 16.1g |
カルシウム | 428mg |
鉄 | 3.6mg |
ビタミンA | 404μgRE |
ビタミンB1 | 0.28mg |
ビタミンB2 | 0.62mg |
ビタミンC | 34mg |
食物繊維 | 4.2g |
食塩 | 3.2g |
マグネシウム | 87mg |
亜鉛 | 3.9mg |
献立例
- ・麦ごはん
- ・牛乳
- ・きびなごのからあげ
- ・ごまあえ
- ・そうめんちり
放送資料
糸島の郷土料理「そうめんちり」は、昔から作られてきたお祭りやお祝いの時のおもてなし料理です。大きな鍋で、骨つきの地鶏をコトコト煮て、スープをとります。おいしいだしが出たところで、豆腐やこんにゃく、そして季節の野菜やきのこをたっぷり入れて煮込みます。ザラメとしょうゆで、すき焼きのような味つけをしたらできあがりです。これをゆでたそうめんにかけて食べます。たくさんの食品をとることができ、体があたたまる、これからの季節にはおすすめの料理です。
一口メモ
農作業を共同作業でしていたころ、天候が悪いと「今日は雨がふって仕事がでけん。ちりでも食べて御体づくり(体づくり)ば、しようか!」と次の作業にそなえたと言われている。
参考資料
- ・福岡県前原市公式WEB サイト(観光情報)
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