福岡県 郷土食
福岡県
福岡県は、三方を海に囲まれています。そして、いくつかの山地と、その間を流れる河川や肥沃な平野など、自然に恵まれた地域です。この恵まれた自然条件を生かして、いちごの「あまおう」や「博多なす」に代表されるように、全国に誇れる農産物もたくさんあります。
また、古くは太宰府政庁や鴻臚館(こうろかん)が置かれるなど、中国大陸や朝鮮半島との交流の窓口であり、今でも九州の玄関口として、いろいろな物や人・文化の交流が盛んな場所です。このような特色を持つため、地域によって様々な食文化が発達しています。
がめ煮(がめに)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 151kcal |
たんぱく質 | 8.3g |
脂質 | 6.7g |
カルシウム | 103mg |
鉄 | 1.5mg |
ビタミンA | 162μgRE |
ビタミンB1 | 0.10mg |
ビタミンB2 | 0.11mg |
ビタミンC | 12mg |
食物繊維 | 3.5g |
食塩 | 0.7g |
マグネシウム | 44mg |
亜鉛 | 0.8mg |
由来
「がめ煮」は、昔、福岡県の北部を「筑前の国」と言っていたことから、別名「筑前煮」とも呼ばれます。「がめ煮」の名の由来には諸説があります。鶏肉や野菜などいろいろな材料を使うので、博多の方言で「寄せ集める」という意味の「がめくりこむ」から名付けられたという説や、豊臣秀吉が朝鮮に出兵するため博多に立ち寄ったときに、博多の川や沢にいるスッポンをつかまえて野菜と一緒に煮たことから、スッポンの博多弁「がめ」からきたという説もあります。
「がめ煮」は、正月やお祭り、よど(農山村の氏子の夏祭り)などの行事のときや、結婚式、葬式などの冠婚葬祭、その他の祝い事、客のあるとき、運動会などの弁当のおかずと、何事かがあると必ずといっていいほど作る料理です。葬式の時は鶏肉が入らなかったり、夏には芋や大根が入らなかったりと、行事や季節によって入れるものは多少変わります。
材料・分量
1 | 鶏もも肉(2cm 角切り) | 20g |
2 | れんこん(乱切り) | 10g |
3 | ごぼう(乱切り) | 15g |
4 | 板こんにゃく(一口大にちぎる) | 20g |
5 | にんじん(乱切り) | 20g |
6 | 乾ししいたけ(1.5cm 角切り) | 1g |
7 | さといも(3cm 乱切り) | 30g |
8 | 厚揚げ(2cm 角切り) | 30g |
9 | さやえんどう(半分に切る) | 5g |
10 | サラダ油 | 5g |
11 | 清酒 | 1g |
12 | 砂糖(三温糖) | 2.5g |
13 | こいくちしょうゆ | 5g |
14 | だし汁乾しいたけのもどし汁+水 | 30g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・厚揚げは油抜きする。
- ・板こんにゃくとさやえんどうは、それぞれ下ゆでする。
- ・乾ししいたけは洗って水でもどし、もどし汁はだし汁として使う。
作り方
- 鍋にサラダ油を熱し、鶏もも肉に清酒をふり入れて炒め、少しの砂糖(三温糖)、こいくちしょうゆで下味を付け、れんこん、ごぼう、こんにゃく、にんじん、 もどししいたけを炒める。
- さといもとだし汁を加えて煮る。
- 厚揚げ、残りの砂糖、こいくちしょうゆを加えて煮込む。
- さやえんどうを入れ、仕上げる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑩サラダ油→①鶏もも肉→⑪清酒→⑫さとう→
⑬こいくちしょうゆ(少しずつ)→②れんこん→③ごぼう→
④こんにゃく→⑤にんじん→⑥もどししいたけ→⑦さといも⑭だし汁→
⑧厚揚げ→⑫砂糖⑬こいくちしょうゆ(残り)→⑨さやえんどう
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 690kcal |
たんぱく質 | 30.2g |
脂質 | 21.7g |
カルシウム | 426mg |
鉄 | 4.0mg |
ビタミンA | 418μgRE |
ビタミンB1 | 0.56mg |
ビタミンB2 | 0.68mg |
ビタミンC | 28mg |
食物繊維 | 5.5g |
食塩 | 1.9g |
マグネシウム | 107mg |
亜鉛 | 3.4mg |
献立例
- ・ごはん
- ・牛乳
- ・さんまの煮つけ
- ・がめ煮
- ・小松菜としめじの おひたし
放送資料
今日の給食は、福岡県の郷土料理「がめ煮」です。鶏肉や野菜などいろいろな材料を使うので、博多の方言で「寄せ集める」という意味の「がめくりこむ」から名付けられました。また豊臣秀吉が朝鮮に出兵するため博多に立ち寄ったとき
に、博多の川や沢にいるスッポンをつかまえて野菜と一緒に煮たことから、スッポンの博多弁「がめ」からきたという説もあります。
昔福岡県の北部を「筑前の国」と言っていたことから、「筑前煮」とも呼ばれます。昔から結婚式や正月などのお祝い事の時に作られてきた料理です。
一口メモ
「おっとりした人はじっくり煮るので、味のしみがよい。せっかちな人は仕上げは早いが、中まで味がしみていない」など、がめ煮を食べると、ごりょんさん(商家の奥さん)の性格がわかるといわれるほど、生活に深く根ざした博多を代表する郷土料理である。
参考資料
- ・味のふるさと福岡の味 角川書店
- ・「食」で地域探検 野菜の郷土料理 岩崎書店
- ・博多歳時記 新がめ煮 江頭 光著 西日本新聞社
- ・九州宝御膳物語 西日本新聞社
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