福井県 郷土食

福井県

福井県は、「食育」という言葉を日本で初めて使った石塚左玄(いしづかさげん)の出身地です。その土地に行ったらその土地の食生活に学ぶべきであるという「身土不二 (しんどふじ)」の原理は、まさしく今の地産地消にほかなりません。また古くは「御食国(みけつくに)」として、天皇に食材を提供したことでも有名です。
コシヒカリ、越のルビー、越前ガニ、若狭ガレイ、上圧のサトイモに代表される海、山の幸に恵まれ、地域によって特色ある料理が作られています。

地図

こっぱなます(こっぱなます)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 191kcal
たんぱく質 5.6g
脂質 8.9g
カルシウム 188mg
2.1mg
ビタミンA 54μgRE
ビタミンB1 0.08mg
ビタミンB2 0.04mg
ビタミンC 16mg
食物繊維 4.0g
食塩 4.5g
マグネシウム 71mg
亜鉛 1.0mg

由来

福井県敦賀市の五幡・挙野地区でしか食べることのできない「こっぱなます」は、正月や冬の祝い事の際には欠かせない料理の一つとして、今でもこの地域の食卓に並べられます。木をまさかりで切るときに出る木くずのことを「こっぱ」と呼び、食材を切った形が「こっぱ」に似ていることから「こっぱなます」という名前がつけられ ました。だいこんとにんじんとねぎ、焼いた油揚げにほどよいごまと辛子が効いた味付けは、忘れていた故郷の味がします。

材料・分量

1 だいこん(きゅうりかきでかく) 120g
2 食塩(もみ塩) 2.4g
3 にんじん(きゅうりかきでかく) 6g
4 穀物酢 6g
5 油揚げ(短冊切り) 6g
6 葉ねぎ(小口切り) 5g
7 白ごま 10g
8 米みそ 13g
9 砂糖(上白糖) 11g
10 穀物酢 6g
11 練り辛子 4g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・だいこんは、きゅうりかき(なますかんな)でかき、塩をふって一晩おいてしんなりさせておく。
  • ・白ごまはいっておく。
  • ・にんじんは、酢にひたしておく。

作り方

  • 白ごまは、すりばちで油がでるまでよくする。
  • 1に砂糖・みそ・練り辛子・穀物酢を入れ酢みそを作る。
  • 油揚げは焦げないように焼き、細い短冊切りにする。 (油抜きはしない)
  • ねぎは小口切りにしてゆでる。
  • だいこん・にんじんはふきんなどを使って固く水気を絞り、油揚げ・ねぎと一緒に酢みそで和える。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう

①だいこん②しお→③にんじん④す→⑤あぶらあげ⑥ねぎ→⑦ごま→⑧みそ⑨さとう⑩す⑪からし

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 695kcal
たんぱく質 25.3g
脂質 20.9g
カルシウム 407mg
3.2mg
ビタミンA 239μgRE
ビタミンB1 0.53mg
ビタミンB2 0.44mg
ビタミンC 12mg
食物繊維 4.8g
食塩 3.1g
マグネシウム 121mg
亜鉛 2.8mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・ちくわののり揚げ
  • こっぱなます
  • ・みそ汁
  • ・とろろこんぶ

放送資料

今日は「こっぱなます」です。こっぱなますは、敦賀市東浦の五幡(いつはた)・挙野(あげの)地区に伝わる行事食で、お正月やお祝いの席に作られるごま酢みそ味の料理です。
「こっぱなます」という不思議な名前は、大根の切り方から名づけられました。かんなで木をけずる時にできる木くずのことを「こっぱ」と言いますが、この料理の大根は、「こっぱ」のように切ることから、「こっぱなます」と言われるようになったのです。
大根にはビタミンC や消化をよくするジアスターゼが多く含まれています。お正月のごちそうを食べすぎて疲れた胃腸の調子をよくするためにも、「こっぱなます」はなくてはならない料理でした。

一口メモ

五幡・挙野地区では、家の男性を中心にして順にお伊勢参りなどをする「講」がある。そのお参りから帰ると、地区全員を旅行の報告がてら集めて「こっぱなます」をふるまった。
昔、遠い旅行などあまりできなかった頃、旅から帰った人から聞く外の世界の話が楽しみだったのである。

参考資料

  • ・「福井県の伝承料理発見! ほっとするねふるさとの味アレンジレシピ110選」
  • ・「福井県余暇ガイドブック98 食文化編」
  • ・敦賀市生活改善実行グループ連絡研究会 桑村さだ子氏より提供資料
  • ・ふくいアグリネット福井県農業情報ポータルサイトホームページ