福井県 郷土食
福井県
福井県は、「食育」という言葉を日本で初めて使った石塚左玄(いしづかさげん)の出身地です。その土地に行ったらその土地の食生活に学ぶべきであるという「身土不二 (しんどふじ)」の原理は、まさしく今の地産地消にほかなりません。また古くは「御食国(みけつくに)」として、天皇に食材を提供したことでも有名です。
コシヒカリ、越のルビー、越前ガニ、若狭ガレイ、上圧のサトイモに代表される海、山の幸に恵まれ、地域によって特色ある料理が作られています。
から大根(からだいこん)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 71kcal |
たんぱく質 | 1.8g |
脂質 | 4.7g |
カルシウム | 94mg |
鉄 | 0.9mg |
ビタミンA | 0μgRE |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.01mg |
ビタミンC | 4mg |
食物繊維 | 1.6g |
食塩 | 0.5g |
マグネシウム | 32mg |
亜鉛 | 0.5mg |
由来
昔から、永平寺町京善(えいへいじちょうきょうぜん)地区に伝わる料理。秋から春にかけての大根を使用し、冠婚葬祭(かんこんそうさい)や仏事には必ず作られていました。
から大根の「から」は、唐辛子の「から」であり、ピリッとからいのが特徴です。また、昔は今ほど贅沢に調味料がなかったため、ごま、しょうゆ、唐辛子で味付けされました。今よりからいもので、大人の食べ物でした。しかし今では、贅沢に調味料を使い、味もよくなり、からさも加減し、大人も子どももおいしく食べられるように変わってきました。
材料・分量
1 | だいこん(厚めの輪切りにし繊維にそって4~8等分に切る。) | 60g |
2 | 唐辛子(細かく輪切り)大根3kgに対し | 3本 |
3 | 黒ごま | 7g |
4 | 砂糖(上白糖) | 1.5g |
5 | こいくちしょうゆ | 3g |
6 | 本みりん | 1g |
7 | 清酒 | 1g |
8 | 水 | 30g |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・黒ごまはいっておく。
作り方
- だいこんがかぶるくらいの水を鍋に入れ、だいこんがやわらかくなるまで煮る。
- 1に唐辛子を入れ、さらに煮る。
- 黒ごまを油が出てくるまですり鉢でよくする。(大人で40分ほど)
- 3のすり鉢の中に、砂糖、しょうゆ、本みりん、清酒を加えて、ごまを溶かすようによく混ぜる。
- 4を2に入れ、だいこんに味が通るまで煮詰める。 (ごまが焦げやすいので、弱火で鍋をゆすりながら煮る。)
- 火を止め、一晩おき、翌日もう一度煮る。 (だいこんにごまがよくからむ)。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑧水→①だいこん→②とうがらし→③ごま→④⑤⑥⑦
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 648kcal |
たんぱく質 | 29.1g |
脂質 | 20.8g |
カルシウム | 390mg |
鉄 | 2.6mg |
ビタミンA | 318μgRE |
ビタミンB1 | 0.38mg |
ビタミンB2 | 0.39mg |
ビタミンC | 12mg |
食物繊維 | 6.2g |
食塩 | 2.5g |
マグネシウム | 123mg |
亜鉛 | 3.6mg |
献立例
- ・鶏ごぼう飯
- ・牛乳
- ・焼きあじ
- ・かぼちゃと大豆のサラダ
- ・から大根
- ・麩とわかめのすまし汁
放送資料
今日は、永平寺町志比谷(しひだに)に伝わる郷土料理「から大根」を作りました。大根がおいしい時期に、人が集まるときには必ず作られている料理です。
唐辛子を入れて辛くすることからこの名前がついたそうですが、今日は食べやすいように唐辛子を控えました。この料理のポイントは、黒ごまを油が出るまで40分以上もかけてすりこぎですることです。大本山永平寺に大きな「すりこぎ」があります。訪れる人たちが、調理が上手になるようにと、なでていきます。
自分たちの住む町に伝わる料理を、これからも大事に受け継いでいきたいです。
一口メモ
京善地区へお嫁に来た人は、まずこの料理をお姑さんから教えてもらうそうである。
また、同じ永平寺町でも大根の切り方が違う。京善地区は短冊切り、荒谷(あらたに)地区と市野々地区は輪切りと昔から決まっており、今もそのまま受け継がれている。
参考資料
- ・「再発見!福井の食」 福井県農林水産部農業技術経営課
- ・「むかしの志比谷・下志比・浄法寺をたづねて…」 編集員生活改善推進員
- ・「永平寺の心と精進料理」 監修 曹洞宗大本山永平寺
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