愛媛県 郷土食

愛媛県

愛媛県は、四国の北西に位置し、北側には瀬戸内海に面した平野が広がり、南側には西日本で最も高い石鎚山(いしづちさん)がそびえています。瀬戸内海・宇和海には200余りの島々があり、海・山の自然に恵まれています。
「島山のよろしき国」と万葉集にうたわれる伊予の国・愛媛は、瀬戸内の温暖な気候と豊かな自然に囲まれ、豊富で新鮮な食材があります。「人と環境への愛」「産品への愛」「ふるさとへの愛」この3つの「愛」をもつ愛媛産の食材を生かした伝統料理がそれぞれの地域でふるさとの味、郷土料理として伝えられています。

地図

鯛めし(たいめし)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 312kcal
たんぱく質 10.41g
脂質 3.4g
カルシウム 8mg
0.8mg
ビタミンA 3μgRE
ビタミンB1 0.41mg
ビタミンB2 0.06mg
ビタミンC 0mg
食物繊維 0.4g
食塩 0.9g
マグネシウム 27mg
亜鉛 1.1mg

由来

瀬戸内海のうず潮でもまれ、エビ、カニ、貝等を食べて育った真鯛の味は格別です。その鯛を姿のまま炊き込んだ鯛めしの歴史は古く、神功皇后(じんぐうこうごう)の 時代には、作られていたといわれます。皇后が、鹿島明神(かしまみょうじん)に祈願した折、漁師たちから献上された鯛を吉兆(きっちょう)と喜ばれ、その鯛と米をいっしょに炊き込み、 供えたと伝えられています。

材料・分量

1 精白米 72g
2 81g
3 まこんぶ 0.5g
4 真鯛(2cm 角切り) 25g
5 清酒 2g
6 食塩 0.2g
7 こいくちしょうゆ 3.5g
8 うすくちしょうゆ 1g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・まこんぶは、かたくしぼったぬれ布きんで表面をさっとふいて汚れをとっておく。
  • ・真鯛は、うろこをとり、腹をあけ内臓をとり、サッと洗っておく。
    ※鯛めしは、真鯛一尾を使って炊き込むのが昔からの作り方です。

作り方

  • 精白米は、炊く30分前に洗って水気をきっておく。
  • 炊飯器に精白米、水、酒、塩、各しょうゆを入れて、ひと混ぜする。
  • 真鯛は、水気をきっておく。
  • 2にまこんぶと、その上に真鯛を丸ごと入れ、炊く。
  • 炊き上がったら、まこんぶ、 真鯛は、別の皿で骨を取り除き、身だけにしてもう一度炊飯器に入れ、全体が均一になるようにざっくりと混ぜる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①米②水⑤酒⑥塩⑦⑧しょうゆ→③④

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 617kcal
たんぱく質 23.2g
脂質 19.7g
カルシウム 319mg
5.3mg
ビタミンA 231μgRE
ビタミンB1 0.54mg
ビタミンB2 0.48mg
ビタミンC 16mg
食物繊維 3.1g
食塩 2.6g
マグネシウム 88mg
亜鉛 2.6mg

献立例

  • 鯛めし
  • ・牛乳
  • ・あさりのかき揚げ
  • ・みつば入りすまし汁
  • ・きざみのり

放送資料

「少年の日」は、昔の武家社会の「元服」にあたり、心も体もたくましく育ってほしいと、願いを込めて作られた日です。愛媛県では、中学2年生を対象に立春の頃に、「少年の日」としてお祝いをします。今日の献立は、「少年の日」を祝って「鯛めし」です。鯛という魚は、「めでたい」のたいに通じるところから、お祝いの料理によく使われます。瀬戸内海で、えびやいか、貝類をえさにして育った鯛の味は、とてもおいしいと評判です。本当の鯛めしは、鯛と米だけで炊くものですが、今日の給食では、栄養価を考えてにんじんやごぼうも加えてアレンジをしています。「少年式」を迎える中学2年生をお祝いし、「鯛めし」を味わっていただきましょ
う。

一口メモ

桜前線の北上とともに、瀬戸内海には産卵を控えた真鯛が外洋からやって来る。魚の王様を一匹丸ごと炊き込む鯛めしは、シンプルなだけに素材のよさが決め手になる。
「ふるさと料理決定版愛媛の味紀行」によると、脂の乗った「桜鯛」なら、うまみがご飯に溶け込んで、さぞおいしいだろうと思うのは早計というもの。〈省略〉「脂が多いとしつこくなってご飯には不向き」とピシャリ。少々脂が落ちた方が上品に仕上がる。「木の芽の鯛、麦わら鯛の方がお勧め」とか。微妙な味の変化とともに呼び名を変えていく鯛。さすが王者の風格だと記されている。

参考資料

  • ・ふるさと料理決定版 愛媛の味紀行
  • ・伊予の台所 直伝ふるさと料理