青森県 郷土食

青森県

青森県は、太平洋や日本海、津軽海峡、さらに陸奥湾という豊かな海に囲まれ、八甲田連峰や白神山地等の山々、東には奥入瀬川の流れる三本木原、西には岩木川が流れる津軽平野があります。その恵まれた自然環境から多くの農畜水産物を生産し、それらを活用したおいしい郷土料理が受け継がれています。
青森県の食材には、生産量全国1位のりんご、ながいも、ごぼう、にんにくがあります。また、米、牛肉、豚肉、鶏肉、卵の生産も盛んに行われています。それから、ほたて、いか、タラ、マグロなど水産物の水揚げも多く、様々な加工品も作られています。
青森県の食料自給率は115%で全国第4位となっており、食料生産の上で大きな役割を果たしています。

地図

せんべい汁(せんべいじる)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 70kcal
たんぱく質 4.8g
脂質 0.7g
カルシウム 18mg
0.4mg
ビタミンA 79μgRE
ビタミンB1 0.08mg
ビタミンB2 0.10mg
ビタミンC 3mg
食物繊維 1.7g
食塩 1.1g
マグネシウム 21mg
亜鉛 0.6mg

由来

江戸時代後期、飢饉(ききん)や凶作で、まずしい農民たちは米を食べることができなかった とき、南部八戸(はちのへ)地方では独自の「麦・そば食文化」が発達しました。その中で誕生したのが、半熟焼きの麦せんべいやそばせんべい(てんぽせんべい、もちせんべい)で、現在の「南部せんべい」の始まりといわれています。
南部せんべいは、主食や間食としてそのまま食べるだけでなく、野菜やウグイ、きじ、山鳥、かに、うさぎなど、季節の具材を入れた汁物に、ちぎって入れる食べ方もします。これが、「せんべい汁」の始まりです。

材料・分量

1 おつゆせんべい 15g
2 鶏もも肉(そぎ切り) 15g
3 ごぼう(ささがき) 15g
4 にんじん(ささがき) 10g
5 ひらたけ 10g
6 根深ねぎ(小口切り) 10g
7 こいくちしょうゆ 7g
8 清酒 2g
9 煮干し 2g
10 150g

※きのこはぶなしめじ、しいたけ、まいたけ、ならたけなどでもよい。
※おつゆせんべいとは南部せんべいのことです

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・ひらたけは石づきをとり小ふさにわける。
  • ・煮干しと水でだし汁をとる。

作り方

  • だし汁にごぼう、にんじんを入れ、沸騰したら鶏もも肉、ひらたけ、酒を入れる。
  • 野菜がやわらかくなったらこいくちしょうゆを入れる。
  • 汁が煮たったら、せんべいを4つにわり入れ、2~3分煮る。(沸騰をし続けることで、もちもち感がでる。)
  • 最後に根深ねぎを入れる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑨⑩だし汁→③ごぼう→④にんじん→②鶏肉→⑤ひらた→⑧→⑦→
①おつゆせんべい→⑥ねぎ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 642kcal
たんぱく質 24.1g
脂質 13.3g
カルシウム 309mg
2.4mg
ビタミンA 206μgRE
ビタミンB1 0.57mg
ビタミンB2 0.81mg
ビタミンC 8mg
食物繊維 3.6g
食塩 3.5g
マグネシウム 54mg
亜鉛 2.5mg

献立例

  • ・五目ごはん
  • ・牛乳
  • ・ねぎ入り厚やきたまご
  • ・すきこんぶの煮つけ
  • せんべい汁
  • ・りんご

放送資料

今日の給食は八戸(はちのへ)の郷土料理のせんべい汁です。郷土料理はその地方でとれる材料を使い、地方独特の調理方法で作られたものです。八戸市とその周辺を含む南部地方では、昔、米よりもそばや小麦がたくさんできたために、そば粉や小麦粉などを使った料理が多くあります。南部せんべいもその一つです。昔は各家庭で作られていました。このせんべいを使った料理がせんべい汁です。給食のせんべい汁はとり肉を使っていますが、川魚やさばの水煮缶、きじ肉、馬肉を使ったものもあるそうです。

一口メモ

南北朝時代、南朝の長慶天皇が争乱をさけて、名久井岳(なくいだけ)の麓の長谷寺に移りすんだ。その時、家臣の赤松助左衛門が近くの農家からもらいうけたそば粉とごまを使い、鉄兜をなべのかわりにして、やき上げたものを天皇の食事として差し上げた。これが後の南部せんべいになったという説がある。せんべいの表に南朝の忠臣、楠木正成の家紋の菊水、裏に赤松家の家紋の三階松(さんがいまつ)が型おしされている。

参考資料

  • ・八戸せんべい汁研究所HP
  • ・「南部せんべいとせんべい汁の歴史」 著者 江刺家均(郷土史家) 監修者 正部家種康(郷土史家)