青森県 郷土食

青森県

青森県は、太平洋や日本海、津軽海峡、さらに陸奥湾という豊かな海に囲まれ、八甲田連峰や白神山地等の山々、東には奥入瀬川の流れる三本木原、西には岩木川が流れる津軽平野があります。その恵まれた自然環境から多くの農畜水産物を生産し、それらを活用したおいしい郷土料理が受け継がれています。
青森県の食材には、生産量全国1位のりんご、ながいも、ごぼう、にんにくがあります。また、米、牛肉、豚肉、鶏肉、卵の生産も盛んに行われています。それから、ほたて、いか、タラ、マグロなど水産物の水揚げも多く、様々な加工品も作られています。
青森県の食料自給率は115%で全国第4位となっており、食料生産の上で大きな役割を果たしています。

地図

けの汁(けのしる)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 128kcal
たんぱく質 6.9g
脂質 4.4g
カルシウム 135mg
2.0mg
ビタミンA 241μgRE
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.06mg
ビタミンC 4mg
食物繊維 5.5g
食塩 2.0g
マグネシウム 57mg
亜鉛 0.8mg

由来

約400年前、津軽平定のため、津軽藩祖為信(ためのぶ)が正月に敵の城をせめていたとき、城にあった、だいこん、にんじん、ごぼうなどあり合わせの材料で 作った食事を食べて戦いました。その材料がちょうど七種類であったことから、津軽の七草粥(ななぐさがゆ)としてけの汁が始まったといわれています。
また、名前の由来は、白い粥にそえて食べる汁、また、粥にかけて食べる汁という意味から、粥の汁がなまって、けの汁になったと言われています。

材料・分量

1 だいこん(0.7cm かのこ切り) 40g
2 にんじん(0.7cm かのこ切り) 15g
3 ごぼう(0.7cm かのこ切り) 10g
4 ふき水煮(0.7cmみじん切り) 10g
5 ぜんまい水煮(0.7cmみじん切り) 10g
6 大豆水煮(又は金時豆水煮) 10g
7 高野豆腐(0.7cmかのこ切り) 5g
8 油揚げ(0.7×0.5cmせん切り) 5g
9 こんにゃく(0.7cmかのこ切り) 40g
10 赤みそ 13g
11 こんぶ 1g
12 かつお節 3g
13 180g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・高野豆腐は水でもどす。
  • ・油揚げは油ぬきする。
  • ・こんぶとかつお節と水でだしをとる。

作り方

  • だし汁にごぼう、にんじん、だいこんを入れて煮る。
  • 大豆水煮、こんにゃく、ふき水煮、ぜんまいを入れて煮る。
  • 高野豆腐、油揚げを入れて煮る。
  • 赤みそを入れて味をととのえる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑪⑫⑬だし汁→③ごぼう→②にんじん→①だいこん→⑥大豆水煮→
⑨こんにゃく→④ふき水煮→⑤ぜんまい水煮⑦高野豆腐→
⑧油揚げ→⑩赤みそ

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 612kcal
たんぱく質 23.7g
脂質 16.3g
カルシウム 354mg
3.3mg
ビタミンA 396μgRE
ビタミンB1 0.50mg
ビタミンB2 0.38mg
ビタミンC 8mg
食物繊維 7.2g
食塩 3.6g
マグネシウム 118mg
亜鉛 3.1mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • ・きんぴら肉団子
  • ・すき昆布いため
  • けの汁

放送資料

けの汁は、津軽地方に古くから伝わる郷土料理です。だいこん、にんじん、ごぼう、山菜、高野豆腐、豆など、中に入る材料を7ミリ位のあられ状にするのが特徴です。
野菜や豆製品がたくさん入るので、たんぱく質、カルシウム、鉄、ビタミン、食物繊維がたっぷりとあって、植物性の栄養バランスのとれたヘルシー料理といえます。
材料を細かく切るのに手間がかかりますが、簡単な料理なので、家でもぜひ作ってみて、青森の郷土の味を忘れないで、伝えていってもらいたいと思います。

一口メモ

昔、津軽地方では、お母さんが実家に帰る時に、留守の間、食事のしたくに困らないように、けの汁を大なべにみそを多めに入れて作って出かけた。
食事のときは、それを小なべにとり分け、お湯でのばしてちょうど良い味にして食べたそうである。今でも保存食として、このように食べるのは便利な食べ方である。

参考資料

  • ・「津軽の味」  芳賀文子著
  • ・「伝統料理けの汁」 木村守克著