秋田県 郷土食
秋田県
北東北に位置し、世界遺産に登録されている「白神山地」を有する秋田県は、海や山などの自然環境に恵まれ、たくさんの特産物を持つ「食材」の宝庫です。
南北に長く、気候・風土の差があり、それぞれの地域性を生かした独自の「食文化」を育んできているところです。
恵まれた自然を生かして作られる地場産物や特産物をはじめ、生活の知恵から生まれた、郷土料理は数えきれないほどあります。
しょっつる鍋(しょっつるなべ)
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 161kcal |
たんぱく質 | 17.7g |
脂質 | 7.0g |
カルシウム | 127mg |
鉄 | 1.3mg |
ビタミンA | 114μgRE |
ビタミンB1 | 0.12mg |
ビタミンB2 | 0.21mg |
ビタミンC | 11mg |
食物繊維 | 2.4g |
食塩 | 1.8g |
マグネシウム | 42mg |
亜鉛 | 1.1mg |
由来
しょっつるとは、魚醤(ぎょうしょう)の一つです。県魚ハタハタに塩を混ぜ重石をのせて漬け込み、1年以上かけて醗酵 (はっこう)させます。発酵後、上澄液が出ます。この上澄液のことを「しょっつる」と言います。
魚醤は、東南アジアから日本に伝わり、室町時代に大豆から醤油が作られるようになってからは、その姿を消しましたがその名残が秋田県に伝わってい ます。
冬が近づくと、日本海側には、産卵のためにハタハタがやってきます。旬の野菜、きのこをふんだんに使い、調味料としてしょっつるを入れる、秋田県の寒い冬に なじみ深い鍋料理です。
材料・分量
1 | にんじん(花型に切る) | 15g |
2 | はくさい(短冊切り) | 40g |
3 | つきこんにゃく(3㎝に切る) | 30g |
4 | えのきたけ(ほぐす) | 20g |
5 | しょっつる | 7cc |
6 | ハタハタ | 100g |
7 | 木綿豆腐 | 50g |
8 | 根深ねぎ(斜め切り) | 30g |
9 | こんぶ | 2g |
10 | 水 | 200cc |
下ごしらえ・作り方
下ごしらえ
- ・昆布と水でだしをとる。
作り方
- だし汁ににんじん、はくさい、つきこんにゃく、えのきたけを入れて煮る。
- しょっつるで味付けして、ハタハタ、木綿豆腐、根深ねぎを入れ、ひと煮立ちさせて味をととのえる。
子どもたちが作るための手順
※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
⑨⑩だし汁→①にんじん→②はくさい→③つきこんにゃく→
④えのきたけ→⑤しょっつる→⑥ハタハタ→⑦木綿豆腐→⑧根深ねぎ
給食献立例
1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)
エネルギー | 678kcal |
たんぱく質 | 32.3g |
脂質 | 17.2g |
カルシウム | 379mg |
鉄 | 2.8mg |
ビタミンA | 279μgRE |
ビタミンB1 | 0.30mg |
ビタミンB2 | 0.60mg |
ビタミンC | 13mg |
食物繊維 | 4.5g |
食塩 | 3.8g |
マグネシウム | 117mg |
亜鉛 | 3.4mg |
献立例
- ・炊き込みごはん
- ・牛乳
- ・焼き魚
- ・アーモンド和え
- ・ハタハタのつみれ汁
放送資料
ハタハタのつみれ汁は、秋田県の県魚「ハタハタ」をつみれにしたものです。つみれ1個には、ハタハタ1匹分が使われカルシウム・たんぱく質を多く含みます。また、ハタハタは「しょっつる」という魚醤(ぎょしょう)の原料になります。
しょっつるはハタハタに塩を混ぜ重石をのせて漬け込み、1年以上かけて醗酵させると上澄液がでます。この上澄液をしょっつるといい調味料として使います。風味もよく、秋田県の郷土料理「しょっつる鍋」は有名です。
今日の給食では、このハタハタのつみれを使って、しょっつるをかくし味にした、みそ仕立ての汁物にしています。
一口メモ
秋田の方言では、しょっつるかやき(塩汁)と言い、この名前からもわかるように、大きなホタテ貝の殻を鍋の代わりに使っていた。
しょっつるは独特な個性を持った調味料で、その用途は意外にも幅広く、和食のみならず洋食や中華料理など多くの料理に活用できる。
参考資料
- ・あきた食の国ネット 郷土料理レシピ
秋田県