愛知県 郷土食

愛知県

日本列島のほぼ中央に位置し、温暖な気候、肥沃な土地、豊かな水と緑に恵まれています。
古代より交通の要所として栄えた地域であり、尾張、三河と呼ばれていました。戦国時代には、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三傑が活躍し、県下にその名残が多く見られます。郷土料理には、食に対する先人の愛情と知恵がつまっています。
「ものづくり愛知」と呼ばれるほど自動車産業を中心とした製造業が盛んですが、農業・商業ともバランスよく共生しているのが特徴です。

地図

煮みそ(にみそ)

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 132kcal
たんぱく質 9.9g
脂質 3.2g
カルシウム 42mg
1.0smg
ビタミンA 296μgRE
ビタミンB1 0.16mg
ビタミンB2 0.08mg
ビタミンC 7mg
食物繊維 2.4g
食塩 1.2g
マグネシウム 39mg
亜鉛 1.0mg

由来

当地名産の大豆に豆麹を用いて作る豆みそ(赤みそ)は、他のみそより熟成期間が長いので、赤みが強く黒みを帯びています。このみそは、こくがあるので料理の味付けにも適しています。季節の野菜や地元でとれる食材と豆みそ(赤みそ)、だしを一緒に入れて煮込んだ料理を「煮みそ」または「みそ煮」と呼び、寒い冬の夜のおかずとして、県内各地で食べられています。
大きな鍋に、家にある食材をだし汁、みそを入れて煮込むだけの簡単な料理ですが、その家々独自の煮みそが作られています。例えばにんじん、里いも、大根などを入れる家庭もあれば、ねぎとこんにゃくだけの家庭もあります。また、だしは、フナかハゼを焼いて串にさして乾燥させたものを使う地域や、けずり粉(むろあじ、かつおのけずり節)を使う地域もあります。

材料・分量

1 豚肩肉(薄切り) 15g
2 にんじん(0.5cm いちょう切り) 19g
3 だいこん(1cm いちょう切り) 25g
4 さといも(1cm いちょう切り) 50g
5 いか(短冊切り) 25g
6 さやいんげん(小口切り) 8g
7 八丁みそ 9g
8 砂糖(三温糖) 3g
9 水(みそとき水+水) 119g

下ごしらえ・作り方

下ごしらえ

  • ・いかは、さっとゆでておく。
  • ・さやいんげんは、ゆでておく。
  • ・八丁みそは、水で溶いておく。

作り方

  • 鍋で炒め油を使わず豚肉の脂で豚肉を炒め、にんじん、だいこん、水を入れ、煮る。
  • 野菜が少しやわらかくなったら、さといも、八丁みそ、砂糖を入れて煮こむ。
  • いか、いんげんを入れて一煮立ちさせる。

子どもたちが作るための手順

※材料を使う順番にじゅんびしておきましょう
①豚肉→②にんじん→③だいこん→⑨水→④さといも→⑦八丁みそ→⑧砂糖→⑤いか→⑥いんげん

給食献立例

1人当たりの栄養量 (小学校3、4年生)

エネルギー 132kcal
たんぱく質 9.9g
脂質 3.2g
カルシウム 42mg
1.0mg
ビタミンA 296μgRE
ビタミンB1 0.16mg
ビタミンB2 0.08mg
ビタミンC 7mg
食物繊維 2.4g
食塩 1.2g
マグネシウム 39mg
亜鉛 1.0mg

献立例

  • ・ごはん
  • ・牛乳
  • 煮みそ
  • ・ししゃもフライ
  • ・りんご

放送資料

「煮みそ」は、愛知県の西三河地方で昔から食べられてきた郷土料理です。煮みそは、季節のたくさんの野菜などを、愛知県独特の豆みそで煮込んで作ります。今日のみそは、岡崎市の特産の八丁みそを使いました。八丁みその作り方は、まず蒸した大豆をみそ玉にし、次に、みそ玉の表面に種こうじをつけて発酵させます。さらに発酵したみそ玉をつぶして水と食塩と混ぜます。これを大きな木の樽に仕込み、その上に重い石をピラミッドのように積み上げます。そのまま2年以上ねかせて、やっと八丁みそができあがります。八丁みそで煮込んだ煮みそをしっかり味わって食べてください。

一口メモ

八丁みそは、江戸時代から、岡崎城の西へ八丁(約870メートル)の距離にある旧八町村で生産されるみそがその由来である。この地方の夏は高温多湿のため、大豆にこうじ菌を直接、安全に生育させるみそ玉製菌という伝統的な技法を守り続けてきた。この豆みそは、高温に耐え、長期保存ができる個性的な伝統食品として生き続けることができた。また、徳川家康たちが食べていた豆みそを商品として改良した結果、江戸時代初期にできあがったものが八丁みそだといわれている。

参考資料

  • ・「 聞き書愛知の食事」 農山漁村文化協会
  • ・あいちの地場産業岡崎信用金庫、カクキュー山越え谷越え350年
  • ・「 みそ文化誌」 全国味噌工業協同組合・社団法人中央味噌研究会