概要・沿革

概要

(公社)全国学校栄養士協議会概要

「一校に一名の栄養士を、その身分は栄養教諭」

栄養教諭制度創設と本会のあゆみー活動の概要

全国学校栄養士協議会は栄養教諭・学校栄養職員等が食育の推進と豊かな学校給食を運営することを職務とする現職の者たちで組織されています。学校給食に関わる管理栄養士・栄養士の職能団体で公益法人として活動しています。

設立

戦後、学校に栄養士は少しずつ配置されてきましたが、地位や職務が曖昧なままでした。

「一校に一名の栄養士、身分は栄養教諭」を目標に掲げて本会はスタートしました。

設立 昭和36年(1961)11月10日
会長 田中 信
目標 一校に一名の栄養士、身分は栄養教諭

人件費国庫補助実現

昭和39年(1964) 共同調理場の学校栄養職員の補助制度が設けられました。
昭和41年(1966) 単独校学校栄養士の国庫補助制度が設けられました。

これにより、国は学校給食に栄養士が必要なことを認めたことになりました。

新国庫負担法成立

昭和49年(1974)新国庫負担法成立学校栄養職員が制度切り替えにより教員と同じ県費負担職員となりました。 

この法律は、関係者の信じられないような努力で実現したものであり、学校給食法に「学校給食の栄養に関する専門的事項をつかさどる職員」として位置づけられました。

栄養教諭制度も、この国庫負担法に組み込まれていたので実現できたものです。

社団法人を経て公益社団法人へ

栄養教諭制度実現に向けて組織力を高めるため社団法人に移行しました。

昭和49年(1974) 会長:田中 信
平成4年(1992) 名誉会長:田中 信  会長:小林町子
平成19年(2007) 名誉会長:田中 信  顧問:小林町子  会長:市場祥子
平成23年(2011)10月 公益社団法人への移行を申請しました。
同年11月24日 全国学校栄養士協議会設立50周年記念式典を挙行しました。
同年 中学生の食生活実態調査を実施し栄養改善学会にて発表しました。
平成24年(2012)3月21日 公益社団法人として認可され、同年4月1日より公益社団法人として新たなスタートを切りました。
名誉会長:田中 信  顧問:小林町子  相談役:市場祥子
会長:長島美保子

保健体育審議会の答申

平成9年(1997)9月

「食に関する指導等を行うのに必要な資質を担保するため、新たな免許制度の導入を含め、学校栄養職員の資質向上策を検討する必要がある」と提言されました。制度実現に大きく近づきました。

自主研修会開始

平成10年(1998)9月より、栄養教諭としての資質を身に付けるため、国立オリンピック記念青少年総合センターにて研修会が始まりました。指導者役、児童生徒役に分かれての模擬授業、見学者も教科の狙いに沿っているかと研究授業の緊張感で参観しました。この研修会は「食育推進講習会」として現在に引き継がれています。

食に関する指導のカリキュラムを作成、全員に配布もしました。

内容

  • 個別的な相談指導
  • 教科(家庭科、保健)
  • 特別活動
  • 保護者地域との連携指導

中央教育審議会の答申

平成16年(2004)1月20日

中央教育審議会にて栄養教諭の創設について答申されました。

栄養教諭制度の創設

答申内容(抜粋)

1.栄養教諭の職務

(1)食に関する指導

①児童生徒への個別的な相談指導

(a) 偏食傾向のある児童生徒に対し、偏食が及ぼす健康への影響や、無理なく苦手なものが食べられるような調理方法の工夫等について指導・助言すること。
(b) そう身願望の強い児童生徒に対し、ダイエットの健康への影響を理解させ、無理なダイエットをしないよう指導を行うこと。
(c) 肥満傾向のある児童生徒に対し、適度の運動とバランスのとれた栄養摂取の必要性について認識させ、肥満解消に向けた指導を行うこと。
(d) 食物アレルギーのある児童生徒に対し、原因物資を除いた学校給食の提供、献立作成についての助言を行うこと。
(e) 運動部活動などでスポーツをする児童生徒に対し、必要なエネルギーや栄養素の摂取等について指導すること。

②児童生徒への教科・特別活動における教育指導

③食に関する教育指導の連携・調整

(2)学校給食の管理

(3)食に関する指導と学校給食の管理の一体的な展開

栄養教諭は生きた教材である学校給食の管理と、それを活用した食に関する指導を同時にその主要な職務の柱として担うことにより、両者を一体のものとして展開することが可能であり、高い相乗効果が期待される。

栄養教諭制度の実現

「学校給食法等の一部を改正する法律」第159国会にて全会一致で可決成立しました。

平成16年(2004)5月14日 可決
平成16年(2004)5月21日 公布
平成17年(2005)4月1日 施行

栄養教諭免許の取得方法

1

管理栄養士免許状を取得している。

取得後、学校栄養職員として勤務した経験がある。

他の教諭の普通免許状又は養護教諭の普通免許状をすでに取得している。

免許法認定講習において2単位修得後、教育職員検定を経て栄養教諭一種免許状を取得できる。

2

管理栄養士免許状を取得している。

取得後、学校栄養職員として3年以上勤務した経験がある。

免許法認定講習において10単位修得後、教育職員検定を経て栄養教諭一種免許状を取得できる。

3

管理栄養士免許状は取得していないが、管理栄養士養成施設として指定されている課程を修了して栄養士免許を取得している。

取得後、学校栄養職員として勤務した経験がある。

他の教諭の普通免許状又は養護教諭の普通免許状をすでに取得している。

免許法認定講習において2単位修得後、教育職員検定を経て栄養教諭一種免許状を取得できる。

4

管理栄養士免許は取得していないが、管理栄養士養成施設として指定されている課程を修了して栄養士免許を取得している。

取得後、学校栄養職員として3年以上勤務した経験がある。

免許法認定講習において10単位修得後、教育職員検定を経て栄養教諭一種免許状を取得できる。

5

栄養士養成施設として指定されている課程を修了して栄養士免許を取得している。

取得後、学校栄養職員として勤務した経験がある。

他の教諭の普通免許状又は養護教諭の普通免許状をすでに取得している。

免許法認定講習において2単位修得後、教育職員検定を経て栄養教諭二種免許状を取得できる。

6

栄養士養成施設として指定されている課程を修了して栄養士免許を取得している。

取得後、学校栄養職員として3年以上勤務した経験がある。

免許法認定講習において8単位修得後、教育職員検定を経て栄養教諭二種免許状を取得できる。

栄養教諭実現感謝の会

平成18年(2006)3月8日

全役員、支部長、OB会員全員が出席し、実現まで45年間ご尽力をいただいた方々をご招待して感謝を申し上げる会を開きました。

写真

食育基本法制定される

平成17年(2005)6月 食育基本法が制定されました。
平成18年(2006) 食育推進基本計画が策定されました。
平成23年(2011)3月 第2次食育推進基本計画が策定されました。
平成28年(2016)4月 第3次食育推進基本計画が策定されました。
令和3年(2020)3月 第4次食育推進基本計画が策定されました。

学校における食育推進の中核を担う栄養教諭として

平成19年(2007) 文部科学省より「食に関する指導の手引き」が発行されました。
平成20年(2008) 「小学校学習指導要領」「中学校学習指導要領」が改訂され、総則に「食育の推進」に関する規定が盛り込まれました。
同年 文部科学省より「郷土料理等を活用した情報化推進事業」を受託し、2冊の刊行物を発刊しました。
・郷土食「学校給食から伝えていきたい日本の味」
・郷土料理を活用した指導事例集「学校から広げる食育」
平成21年(2009) 「高等学校学習指導要領」が改訂され、総則に「食育の推進」に関する規定が盛り込まれました。
同年 文部科学省委託事業による2冊の刊行物を刊行しました。
・伝えたい行事食
 ~学校給食に生かして~
・地場産物を生かした指導事例集
 ~地場産物は郷土の気候風土からの贈り物~

アレルギーがあっても安心して食べられる非常食の開発

同年 災害時学校給食用非常食開発に着手しました。
平成25年 災害時学校給食用非常食「救給カレー」が誕生しました。
現在「救給コーンポタージュ」「救給根菜汁」「救給五目ごはん」の4種があります。
今後も種類を増やすべく開発を進めています。

講習会の充実

平成26年(2014) 文部科学大臣の指名により、「栄養教諭免許状更新講習」を開催しました。
以後令和3年まで継続して開催しています。
平成30年(2018) エビデンスを創出できる栄養教諭を目指して「食育推進講習会 キャリアコース」を開講、現在は「データ解析・論文コース」として引き継がれています。
令和2年(2020) コロナ禍により「栄養教諭免許状更新講習」をオンデマンド配信にて開催しました。
令和3年(2021) 引き続くコロナ禍により「栄養教諭免許状更新講習」の他に、「学校給食夏季講習会」「食育推進講習会 一般コース」「食育推進講習会 データ解析・論文コース」をオンラインにて開催しました。

協議会紹介